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ドイツ・ブレーマーハーフェン臨海動物園の赤ちゃん、順調に生後43日目へ ~ 同園がFAQ を公表

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Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

このブレーメンハーフェン臨海動物園というのは、なあなんというかドイツらしく理屈っぽいというか、独特の動物園ですね。 同園で昨年12月16日にヴァレスカお母さんから誕生した赤ちゃんについて今後のロードマップも含めてFAQとその回答を公開しました。 以下がその内容です。 かいつまんでわかりやすいように意訳しつつ、ざっとご紹介しておきます。 実は大変に興味深い内容です。 一般的にこういう内容の回答をする動物園はそう多くないと思います。
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Photo(C)Zoo am Meer Bremerhaven

① Q.「もう男女の性別はわかっているのですか? (Wissen wir schon, ob es ein Männchen oder Weibchen ist ?)」
A.まだです。現在は生後44日目ですが、約50日目頃になると走って母親と共に産室を出はじめます。その時に赤ちゃんの排尿の方向を見てみないといけません。 雄ですと真下、雌ですと排尿は後方です。こうしてその後に名前を決めます。

② Q.「いつになったら来園者は赤ちゃんを見ることができますか? (Wann können die Besucher das Jungtier sehen ?)」
A.2月は赤ちゃんは産室に留まり、2月末から4月は赤ちゃんが段になったところを安全に登ったり展示場を苦も無く歩けるようになる期間として公開はしません。

③ Q.「赤ちゃんは誰の所有なのですか? (Wem gehört das Jungtier ?)」
A.母親のヴァレスカはロストック動物園の所有で、父親のロイドは当園の所有です。一般的な合意に従って最初の出産の子供は母親方の所有園 (der erste Wurf dem Besitzer des Muttertieres) が、二番目は父親方を所有する当園 (der zweite dem Zoo am Meer) が所有します。 ですから今回の赤ちゃんはロストック動物園の所有です。ロストック動物園はEEP (European Endangered Species Programme) を担当するコーディネーターと共にこの個体がどの動物園に行くかを決めます。

④ Q. 「今回の赤ちゃんはどのくらいブレーマーハーフェンに留まるのですか? (Wie lange bleibt das Jungtier in Bremerhaven ?)」
A.2015年の後半 (Mitte /Herbst 2015) までは母親と一緒に過ごし、その後は他園に移動します。 野生下では2年間は母親と一緒です。

この③と④はいかにもドイツらしいと思います。 もうこんな話を今から明らかにしているわけです。 それから特に③ですが、これは出産単位(Wurf - 同産)と明確に言っている点です。 まあこれは当事者同士がわかっていればいいことですから、単なる言い方の問題であると言えばそれまでですけれどもね。 それから①ですが、これについては是非、「オランダ・ロッテルダム動物園のヴィックスの性別への地元ファンの関心 ~ 要求された奇妙な写真」 という投稿をご参照いただきたいのですが、欧州では結構これを性別判定に用いています。 しかしどうでしょうか、これはやや危険な判定基準であると言えなくもないように思いますが。 それから④は、ヴァレスカの繁殖は3年サイクルとすることを明らかにしたことになります。 これは動物学を基礎にしたEEPやSSPの確立している欧米では、もう当然のことだと言えましょう。 

ここで1月28日の映像をご紹介しておきます。 生後43日目ということになります。



(資料)
Zoo am Meer Bremerhaven (Jan.29 2014 - Eisbärin Valeska und ihr Baby: Was sind die am häufigsten gestellten Fragen ?)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2014-01-30 01:00 | Polarbearology

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