街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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エストニア・タリン動物園のヴァイダ逝く ~ 自分の娘が母となったことを見届けたかのような死

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ヴァイダ Photo(C)Maaja Kitsing/Õhtuleht

娘が産室で赤ちゃんを育てている時期に、その娘の母親が亡くなってしまうというのはなんとも残念なことです。 その娘が自分が母親となって赤ちゃんと共に産室から戸外に出てきたときには、その娘は自分の母親がもうこの世にはいないことに気が付くでしょうか?
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ヴァイダ Photo(C)Elion

エストニアのタリン動物園では現在、産室でフリーダお母さんが赤ちゃんを抱いて育児中です。 その産室内の映像をライブで見ることができるようになったのは、この一つ前の投稿でご紹介した通りです。 ところがフリーダお母さんの母親で同動物園で飼育されていた29歳の雌のホッキョクグマであるヴァイダが、膵臓ガンが悪化したために今週月曜日の1月27日に安楽死という方法でこの世を去ったとのことです。
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ヴァイダ Photo(C)Delfi

このヴァイダはロシアのカザン市動物園生まれで、あのレニングラード動物園の女帝ウスラーダの姉にあたるわけで、このタリン動物園で4頭の子供を産み育て、その末っ子が今回出産したフリーダということになります。 タリン動物園という、なかなか厳しい飼育環境においてもこうして子孫を残し、そしてそのうちの末娘の出産・育児をまるで見届けるようにしてこの世を去ったわけでした。 一つの動物園においてこうして静かに世代交代が行われたということになるのでしょう。

以下に生前のヴァイダの映像をご紹介しておきます。 まず最初は2008年10月の映像でTVニュースの中で登場しています。



次は2012年の映像で、最初に映っているのがヴァイダ、そしてカメラは左に移動して次に映っているのは彼女の娘のフリーダです。



次は昨年の3月16日の「ホッキョクグマの日」の映像です。



そして最後にこれは昨年6月の映像ですが、やはりすでに健康状態がすぐれないように見えます。



ヴァイダの生まれたカザン市動物園の飼育環境が非常に厳しいことは私も2度の現地の訪問で強く感じました。 2歳の時にそのカザン市動物園からこのエストニア(当時はまだソ連でした) のタリン動物園に移動し、そして再び厳しい飼育環境にありながらも4頭の子供たちを立派に育て上げたヴァイダの「ホッキョクグマ魂」に深く敬意を表したいと思います。

謹んでヴァイダの冥福を祈ります。

(資料)
Delfi (Feb.1 2014 - Tallinna loomaaias suri 30-aastane jääkaru Vaida)

(過去関連投稿)
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(*娘のフリーダ関連)
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by polarbearmaniac | 2014-02-01 22:00 | Polarbearology

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