街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロ (札幌・円山動物園生まれ)、パートナーの死への悲嘆

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ポロ Photo(C)Reuters

先週末に南アフリカから非常に辛いニュースが入っていました。 先日、「南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のギービー逝く ~ 円山動物園生まれのポロ(ワン)のパートナーの死」という投稿で南アフリカのヨハネスブルグ動物園で飼育されていた雌のホッキョクグマのギービーが1月12日に亡くなった件を紹介いたしましたが、このギービーのパートナーだったのが1985年12月に札幌の円山動物園に生まれたポロ (現地名では「ワン (Wang)」) であることはご承知の通りです。 このポロの、彼のパートナーであったギービーが亡くなった後の様子を伝える内容の報道です。 まずはニュース映像を2つ見ていただきましょう。 札幌で生まれたポロの姿を写真ではなく映像で見るという機会はあまりなかったわけで、そういう意味でも貴重なニュース映像ですので是非ご覧下さい。





その他の報道なども参照して全体を纏めますと以下のようになります。 飼育員さんや獣医さんの観察によるとポロはギービー(上の放送では「ジービー」と英語読みにしていますが、アフリカーンス語では「ギービー」 となりますので、本ブログでは表記はそれを採用しています)が亡くなった2週間後となっても彼女の不在を悲しんでいる様子がハッキリと見て取れるとのことです。 普段は決してやらない行動であるからこそ、ポロの最近の行動がスタッフの関心を引いていることが明らかだということでしょう、ポロはおもちゃを引き裂いたり飼育展示場の草を引きちぎったり展示場の鉄の扉を曲げてしまうという行動も見られたそうです。 ギービーが亡くなっているのが発見された日、ポロは動かなくなった彼女を守るようにして彼女の体の傍らに留まり、決してスタッフをそこに近づけさせなかったとのことです。 ようやくポロを屋内に誘導するのに飼育員さんや獣医さんはその後24時間も費やしたとのこと。 最近ではこの冒頭の写真のような体勢をとっていることが多いとのことです。
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ポロ (C)Johannesburg Zoo

獣医さんが語っていますが、ポロは2010年から肝臓疾患の治療が行われており、パートナーの死に悲嘆している現在の状態では、もう一年以上生きることはないのではないかということです。 ポロは生後約1年の1986年12月に札幌を離れています。 彼は札幌で見た雪の光景、そして雪の感触を今でも覚えているでしょうか? 仲の良かったパートナーと27年間も一緒に暮らせたポロは幸せだったと考えるか、それとも雪の多い札幌に生まれたホッキョクグマが、わざわざ雪など全くなく、しかも夏の太陽の照りつける場所に移動させられ30年近くもそこで暮らさざるを得なかったことは不幸だったと考えるか、それは意見それぞれでしょう。 前者は、「気候条件は適さずとも、仲の良いパートナーが存在しスタッフなど周囲に愛される存在であるホッキョクグマは幸福である。」 という人間の視点から見た人間の意識と価値観が投影されています。 後者は気候環境という物理的条件だけを考慮した考え方です。 私の考え方は後者に強く傾きますが、「それは違う」 と考える方々も多いでしょう。  (*追記 - Wikipedia の情報によりますと正確には以下だそうです。 ヨハネスブルグは「雪は滅多に降らず、1956年5月、1981年9月、2006年8月に経験したくらいである。2007年6月27日も降雪があり、その時は約10cmの積雪があった。」  つまりポロは1986年に札幌を離れてから雪を再び見るのに20年もかかったということになります。 私はホッキョクグマにとっての雪の存在を絶対視する考えは毛頭ありませんが、しかし彼ら生活環境にとっては象徴的意味合いを持つ重要なファクターであることだけは間違いないでしょう。)

これはやはりどうしても早急にポロに会いに行かねばなりませんね。 日本のホッキョウグマ界では移動そしてその後の公開などというスケジュールが詰まっていてすぐにはポロに会いに行きにくい状況ですが、ここで彼に会っておかねば、もう会えないでしょう。 「しろくま紀行に国境はない」 などとと豪語した私にとってこれは屈辱的なことです。 ましてやポロは「アフリカ最後のホッキョクグマ」、そして「海外に暮らす日本生まれの唯一のホッキョクグマ」です。 会いに行ってやるべきでしょう。 移動時間が非常に長いのが大きな難点ですが、彼に会いに行く計画を早急にたてることにしましょう。 

(資料)
Reuters (Jan.31 2014 - Africa's last polar bear mourns partner's death)
札幌・円山動物園 「双子の白クマ赤ちゃん通信
(Mar. 3 2010 - 「誰?」  「きっとまた会える」

(過去関連投稿)
1985年に札幌で生まれたホッキョクグマの消息
南アフリカで今も元気に暮らす札幌生まれのホッキョクグマ
1985年札幌・円山動物園生まれのポロの南アフリカでの近況 ~ 樋泉さんのブログの記録的価値
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のギービー逝く ~ 円山動物園生まれのポロ(ワン)のパートナーの死
by polarbearmaniac | 2014-02-03 11:30 | Polarbearology

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