街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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2013年の繁殖シーズンのまとめ

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メンシコフ (2012年9月16日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

2013年の繁殖シーズンの結果はほぼ出そろったように思います。 しかし私はあと一頭の雌が実は出産しているのではないかとにらんでいるのですが、確証がありませんので今回は当然除外しておきます。 まとめますと以下のようになります。

ドイツ
・ミュンヘン・ヘラブルン動物園 2頭
(2013年12月9日誕生、母親はジョヴァンナ)
・ブレーマーハーフェン臨海動物園 1頭
(2013年12月16日誕生、母親はヴァレスカ)
エストニア
・タリン動物園  1頭
(2013年12月24日誕生、母親はフリーダ)
ロシア
・イジェフスク動物園 1頭
(2013年12月12日誕生、母親はドゥムカ)
・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園 1頭
(2013年12月誕生、母親はウスラーダ)
*(後記 - 実はこの他にノヴォシビルスク動物園で1頭の赤ちゃんが12月に誕生していたことが後日報道されました。 母親はゲルダです。 こちらをご参照下さい。)

以上、飼育下の自然繁殖では合計6頭です。 昨シーズンの約半分といったところです。 昨年の今頃はなんと、7頭のお母さんたちが13頭の赤ちゃんを出産・育児中だったわけでした(そのうち1頭は後日死亡)。 さらに半年季節の遅れたオーストラリアを入れれば8頭の会お母さんたちが14頭の子育てに励んでいたというわけです。 ですから2013年の繁殖シーズンは随分寂しいシーズンとなったわけです。 ウスラーダ以外は全て母親初体験のお母さんたちです。 そのことを考えてみますと意外にもそれほど悲観的ではないようにも思えます。 あと人工哺育ではカナダのトロント動物園で1頭、日本の南紀白浜のアドベンチャーワールドで1頭が誕生しています。 自然繁殖の場合と差別するわけではありませんが、一応区別はしておきたいとは思います。
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ウスラーダ (2012年9月16日撮影 於 サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)

それからこれは私の印象ですが、繁殖に関して言えば雌はこの下の三つに分類されます。

A.20歳代半ばまで何回も出産・育児を繰り返す雌
B.一生に1~2回だけ出産し、そして育児に成功する雌
C.一生に全く出産しないか、それとも出産しても赤ちゃんが成育しない雌


Aはいわゆる大物お母さんで、ウスラーダ、シモーナ、ムルマ、オリンカ、フギース、ララといったような面々です。 実は過去の記録などを眺めていくと(数えるのが面倒くさいですので数は省略します)、Aの層の頭数の割合は昔も今もそれほど変わってないように見えます。 ところがBの層は昔のほうがはるかに厚みがあったように見えます。昔のBの層の雌は今ではCの層に行ってしまっているように見えます。 昔はこのBの層に厚みがあったがために、飼育下でも血統の多様性が維持できたということでしょう。 今ではAの層、いわゆる大物お母さんたちは以前と同じように頑張っているわけですが、Bの層が非常に細くなってしまったがために、血統の多様性の維持が難しくなりつつあるように見えます。ですからこのBの層の存在は極めて重要に思えます。 私はクルミというのはこのBの層に属すると思っているわけで、彼女はそういった意味では貴重です。 あとバフィンとキャンディがBの層にきてくれればよいのですが、片方のパートナーは「アンデルマ/ウスラーダ系」、もう一方はデナリであったわけで(まだ過去形ではありませんが)、Bの層の厚みを増しても血統の多様性には繋がりにくい面があります。 やはり果敢にパートナーの入れ替えを行ったほうがよいと思います。これからの日本のホッキョクグマ界のこれからは、やはり「アンデルマ/ウスラーダ系」というものが脅威であることには間違いありません。 よほど細心の注意で組み合わせを考えませんといけないように思います。  それから、「地元に密着した雄のスター」を作ることは極力避けたいように思います。 繁殖面においては雄はフェリックスやイヌクシュクやラルスのように渡り鳥のように身軽であるべきでしょう。

(過去関連投稿)
2012年のホッキョクグマの赤ちゃん誕生シーズンを終えて
by polarbearmaniac | 2014-02-10 01:00 | Polarbearology

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