街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極東・沿海州、ハバロフスク動物園のゴシに寄せる地元の人々の想い ~ お誕生会開催へ

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ゴシ Photo(C)Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева

日本から一番近い場所で飼育されている外国のホッキョクグマといいますと、それはロシア極東沿海州の中心都市であるハバロフスク郊外にあるハバロフスク動物園 (正式には「シソーエフ記念・プリアムールスキー動物園」 - Зоосад Приамурский имени В.П. Сысоева) で飼育されている23歳の雄のゴシではないかと思います。 少なくとも札幌からですと距離的にはハバロフスクへのほうが東京へよりも近いははずです。
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このハバロフスク動物園を私は2012年10月に訪問し、このゴシに会ってきました。 私にとってこのゴシは非常に印象深いホッキョクグマでした。 それ以来私は空路でモスクワや欧州に向かう際にハバロフスク上空を通過するときはいつもこのゴシを思い出し、機上から彼の健康を祈ってきました。 この2012年のハバロフスク動物園訪問記は、「晩秋の気配濃厚なハバロフスク動物園へ ~ ゴシさん、はじめまして!」、「ゴシ、その悲哀を突き抜けて澄みきった眼を持つホッキョクグマの魅力」の2つの投稿、及び帰国後の投稿である「ロシア・ハバロフスク動物園のゴシへの同情と共感 ~ 人間に弄ばれた運命」を是非ご参照下さい。 この時に私がゴシと初めて対面した際の映像を再度ご紹介しておきます。 この動物園の雰囲気も比較的よく感じ取っていただけるものと思います。



日本から近く暮らしているにもかかわらず、このゴシの近況といったものはほとんど報道されることもないわけで私もかなり気にしていたのですが、このハバロフスク動物園 (プリアムールスキー動物園)は「ホッキョクグマの日」である今月23日にこのゴシのお誕生会を開催することを発表しました。 このゴシが生まれたのはウクライナのクリボイログのサーカス団でのことだったと私は以前の投稿に書きましたが、今回のロシア沿海州からの報道では、彼が生まれたのは動物園であり、その後にすぐこのサーカス団に売られたのだと記されています。 いったい具体的にどの動物園で生まれたのかは記述がないわけですが、ウクライナのどこかの都市の動物園だった可能性が高いように思います。 もしかしたらムィコラーイウ動物園かもしれません。 何故そう考えるかですが、それは以前に「ホッキョクグマ・アイカ と レディン一家の物語 ~ 愛情の日々、そして悲劇的な終末へ」 という投稿でご紹介しましたが「悲劇のホッキョクグマ」であるアイカがユーリー・レディン個人によって買い取られたように、ムィコラーイウ動物園はサーカス団にいとも簡単にホッキョクグマの幼年個体を売り飛ばす状況は十分に想定しうるからです。 しかし一方で、過去にロシア(or ソ連)ではサーカス団で誕生したホッキョクグマもいたというのは事実であり、このゴシがそういった個体である可能性も十分にあるだろうと思います。
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ゴシ Photo(C)АмурПРЕСС

そういったことで彼の実際の誕生日は不明となってしまったわけで、この2月23日の「ホッキョクグマの日」に彼の23歳のお誕生会を行うことにしたそうです。 この日には彼の飼育展示場は風船やらお祝いのメッセージの入った横断幕で飾るそうで、ゴシには魚と野菜の入った特別のケーキのプレゼントがあるそうです。 また肉入りのパイも用意されているそうです。 来園者にはこのゴシのお誕生会のイベントで、こうしたゴシへのプレゼントを彼に与える役を演じてほしいともハバロフスク動物園は呼びかけています。 このハバロフスク動物園 (プリアムールスキー動物園)は以前はハバロフスク市内にあって飼育空間が非常に狭い動物園だったそうですが、それが移転して2002年にハバロフスクの郊外のアムール川に近い場所にオープンしたわけですが、ゴシはその2002年の開園時から飼育されている非常に少ない個体の一頭です。 新生ハバロフスク動物園 (プリアムールスキー動物園)の歴史そのものを象徴しているかのようなホッキョクグマといったことになります。 ここで昨年の春に地元の方が撮られたゴシの姿をご紹介しておきましょう。



このゴシは地元の子供たちに大人気で、私が訪問したときも子供たちはみんな彼のことを 「ゴーシャ」 という愛称で呼んでいました。 マスコミの報道すらも彼のことを「ゴシ」ではなく愛称の「ゴーシャ」と記事にも書いているほどです。 ここで2012年に私がこの動物園を訪問した際に撮影した地元の子供たちのグループがゴシに会いに来た場面を再度ご紹介しておきましょう。 音声はon でお願いいたします。



彼はサーカス団での不幸な境遇のあと一時期は巡回動物園というさらにもっと悲惨な環境も経験したホッキョクグマです。 実際に彼に会ってみるとその澄きった眼に強い印象を持ちました。 彼の末長い健康を祈らずにはいられません。 私はこのゴシに非常に強い思い入れを持っており、どうしてもまた年内に彼に会いに行きたいと強く願っています。 そういった彼が日本に近いところにいてくれるだけでも非常に嬉しく思っているほどです。

(資料)
Зоосад "Приамурский" имени В.П. Сысоева (vk - Feb.17 2014) (HP. Feb.17 2014 - День Рождения Гоши празднуем вместе! )
ИА Амур­ПРЕСС (Feb.17 2014 - Белому медведю Гоше подарят на день рождения торт)
Восток-Медиа (Feb.17 2014 - Белый медведь Гоша примет гостей в "мужской праздник")
Другой город (Feb.17 2014 - 23 февраля в зоосаде Приамурский отметят день рождения его старейшины - белого медведя Гоши)

(過去関連投稿)
ロシア・モスクワ郊外の私設動物園の悲惨な現実
ロシア極東・沿海州、ハバロフスク動物園のゴシ ~ 氷上サーカスを去り動物園を安住の地に
ロシア極東、ハバロフスク動物園のゴシ、身勝手な来園者の指を噛み切る! ~ 後を絶たぬ来園者の規則違反
ロシア極東、ハバロフスク動物園でのゴシの 「来園者襲撃」事件の続報 ~ 自業自得の規則違反者
晩秋の気配濃厚なハバロフスク動物園へ ~ ゴシさん、はじめまして!
ゴシ、その悲哀を突き抜けて澄みきった眼を持つホッキョクグマの魅力
ロシア・ハバロフスク動物園のゴシへの同情と共感 ~ 人間に弄ばれた運命
by polarbearmaniac | 2014-02-18 03:00 | Polarbearology

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