街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア連邦ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の赤ちゃんの近況 ~ ロシア国内の個体の権利関係

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ドゥムカお母さんと赤ちゃん Photo(C)Ижевский зоопарк/FANlife.ru

2013年の繁殖シーズンに世界で誕生した赤ちゃんたちのうちで、最も情報が少ないのがロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園で昨年12月12日にドゥムカお母さんが産んだ一頭の赤ちゃんです。 
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なにしろ依然としてイジェフスク動物園はあくまで公式的にはこの赤ちゃんの誕生を公表していないわけで、マスコミが入れ替わり立ち代わり取材に行っては赤ちゃんの様子を担当者に聞いてくるといった程度です。 冒頭の写真、及び下の写真は2月12日の産室内のモニターカメラの映像を地元のマスコミが公開したものです。 生後ちょうど2ヶ月が経過した赤ちゃんの姿です。
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赤ちゃん Photo(C)Ижевский зоопарк/FANlife.ru

イジェフスク動物園がまだこうして赤ちゃん誕生の正式発表をしないのは赤ちゃんが無事に成育してくれるかにまだまだ油断していないという意味と、そして多分これはこの赤ちゃんの権利がモスクワ動物園にあるからだと思われます。 ドゥムカお母さんは野生出身ですが父親のノルドはモスクワ動物園生まれであり、結局この赤ちゃんの権利はモスクワ動物園にあるために、赤ちゃんの誕生の事実をあまり早くに公表してしまうと入手を狙う外国の動物園からのアプローチへの対応が面倒だということなのではないでしょうか。 イジェフスク動物園にとっては、いくら外国からアプローチがあっても結局は 「その件はモスクワ動物園と話してほしい。」 と言って断れば済む話ですが、実ははこうやって今度は次に自分のところにアプローチがあることをモスクワ動物園は嫌っているがために極力イジェフスク動物園での赤ちゃんの誕生の事実を戸外登場・一般公開の直前まで伏せておくようにイジェフスク動物園に 「口止め」 しているというのが事実であるような気がします。 実はこういったことは過去の例における周辺の事情からも臭ってくるわけです。 ただし今回のイジェフスク動物園の件は地元のマスコミの特ダネ報道で結局は誕生の事実が外部に知られてしまったということになります。 
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ロシアの地方都市の動物園ではホッキョクグマを購入するだけの十分な資金がない場合が多いためにモスクワ動物園からホッキョクグマをレンタルして飼育するケースがあり、またモスクワ動物園も容易にホッキョクグマの所有権をロシア国内の他園には譲渡しないわけです。 そうなると、こうやってロシアの地方都市で赤ちゃんが誕生しても結局その赤ちゃんの権利はモスクワ動物園が持つことになります。 このようにしてロシア国内のホッキョクグマの飼育についてはモスクワ動物園が発言力を持つことになったという事情があります。 レニングラード動物園のあの女帝ウスラーダの所有権を持つのもモスクワ動物園なのです。 但し、ペルミ、クラスノヤルスク、エカテリンブルク、チェリャビンスクなどの動物園にはモスクワ動物園などの他園が権利を持つ個体はいませんので、そこで形成されるペアの間で今後赤ちゃんが誕生すれば、その赤ちゃんの権利はそれらの動物園が独自で持つことになるわけです。

ここで日付は前後しますが昨年12月31日、つまり生後19日目の赤ちゃんとドゥムカお母さんの産室内の映像をやはり地元のTV局が放送したものがありますので、その映像をご紹介しておきます。



この赤ちゃんはうまくいけば来月中~下旬には戸外に出てきて一般公開となる予定のようです。

(資料)
Сусанин (Feb.19 2014 - Белая медведица из Ижевского зоопарка не спешит показывать новорожденного малыша)
FANlife.ru (Feb.19 2014 - Малыша белой медведицы снимают скрытой камерой)
ГТРК «Удмуртия» (Feb.6 2014 - Первое видео новорожденного белого медвежонка обнародовал зоопарк Удмуртии)

(過去関連投稿)
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像が初めて公開
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃんは順調に成育中
by polarbearmaniac | 2014-02-20 01:00 | Polarbearology

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