街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園のウムカ (ウンタイ – 男鹿水族館・豪太の父) 闘病生活の後、すでに死亡の模様

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ウムカ (ウンタイ) (2011年9月2日撮影 於 モスクワ動物園)

モスクワ動物園で飼育されていた21歳の雄のホッキョクグマであるウムカ(ウンタイ)が、すでに死亡しているらしいことが同園のホッキョクグマ担当の飼育主任であるエゴロフ氏がウランゲリとシモーナのペアを取材しに来たマスコミのインタビューに答えた内容の中で明らかにされました。 ヴェチェルニャヤ・モスクワ (Вечерняя Москва)紙の2月27日付けの記事の中でエゴロフ氏によれば、ウムカは病気のためにモスクワ動物園から離れて治療を受けていたそうですが獣医さんの治療は成功しなかったと述べています。 「死亡した」 とは直接的には言ってはいませんが、「命を救うべく行った獣医の治療の試みは徒労に帰した (“но попытки ветеринаров спасти жизнь косолапого оказались тщетными.”)」 と過去を示す表現で語っていますので、これは死亡を意味するものと解してよいと考えます。 こういう言いまわしで死亡を示唆するのはロシア語には比較的よくある表現です。 ロシア語の文章に親しんでいれば、これが死亡以外の何物でもないことは一目瞭然です。 具体的に何年何月何日に死亡したのかについては明らかにされていません。 さらにエゴロフ氏は、モスクワ動物園のホッキョクグマが3頭体制 (シモーナ、ウランゲリ、ムルマ)になったことに言及していますので、ウムカはもう存在していないことをあらためて認めた形となっています。 このウムカ(ウンタイ)は男鹿水族館の豪太の父です。

思い出してみれば私がモスクワ動物園でウムカの姿を展示場で最後にはっきりと見たのは2011年9月のことでした。 それは「ウムカ (男鹿水族館・豪太の父)、悠々の水遊び」という投稿でレポートした通りです。それ以降私はモスクワ動物園に何度も行ったものの一度も彼の姿を見ていません。「病気である」という噂は聞いてはいましたが本当にそうかの真相はわかりませんでした。このウムカと、そして彼のパートナーであるムルマとの間の最後の子供は先日西シベリアのノヴォシビルスク動物船から中国の青島に向かった2歳の雄の幼年個体です。この雄の幼年個体がモスクワ動物園で誕生したのは2011年11月のことです。この一頭の赤ちゃんはとうとうモスクワ動物園では一切公開されなかったわけで、これも非常に謎に満ちていたわけです。

これで今後ムルマお母さんのパートナーをどうするのでしょうか? ムルマお母さんはまだ23歳ですからまだまだ繁殖が可能なのですが、彼女のパートナーをどうするかです。私が担当者ならばペルミ動物園と交渉してロストフ動物園のテルペイをモスクワに移動させて思い切ってムルマお母さんのパートナーにしたいところです。 しかし他ならぬモスクワ動物園のことですからムルマのパートナーは別の場所から簡単に見つけ出してくるかもしれません。

私は釧路市動物園に移動したミルクの運動神経は、実はミルクの祖父であるこのウムカの運動神経を受け継いでいると思っています。 ウムカの体の動きは体操の選手のようにしなやかだったことが強く印象に残っているからです。

最後に、謹んでウムカの冥福を祈ります。

(資料)
Вечерняя Москва (Feb.27 2014 - Косолапые Врангель и Симона отпраздновали свой день по-медвежьи)

(過去関連投稿)
ウムカ (男鹿水族館・豪太の父)、悠々の水遊び
モスクワ動物園のムルマお母さんと息子の豪太との関係 ~ ミルクの運動神経は豪太の父のウムカ譲りか?
モスクワ動物園のムルマ(1) ~ 巨体の醸し出す貫禄 
モスクワ動物園のムルマ(2) ~ 鷹揚で懐の深い母性
モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機
モスクワ動物園のムルマ(4) ~ 危機の克服、そして豪太の誕生
モスクワ動物園のムルマ(5) ~ 豪太の日本への旅立ち
モスクワ動物園、禁断・非公開のムルマお母さんと秘匿された2011年誕生個体の姿 ~ 闇に沈む深い謎
by polarbearmaniac | 2014-02-28 19:30 | Polarbearology

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