街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアの繁殖への挑戦

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園内移動するエサクバク Photo(C)Zoo sauvage de St-Félicien

今年2014年の繁殖シーズンはすでに開始されています。世界の動物園で繁殖可能な年齢の雄と雌のホッキョクグマを飼育している動物園の多くはそのペアに繁殖を期待してこの時期までにその環境整備に取り組んでいるわけです。 ここで一つ海外の例を追ってみましょう。 それはカナダ・ケベック州のサンフェリシアン原生動物園の例です。
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園内移動するエサクバク Photo(C)Zoo sauvage de St-Félicien

このサンフェリシアン原生動物園で飼育されているのは今まで何度もここでご紹介してきた11歳の雌のエサクバク (Aisaqvak/Aisaqvaq /Aisakvak) と8歳の雄のイレ (Yellé) です。エサクバクは世界のホッキョクグマ界でも出産が本命視されていたホッキョクグマでしたが2年続いて出産がないという意外な失望結果となってしまいました。 2012年の繁殖シーズンの結果については「カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果」、2013年の繁殖シーズンの結果については「カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、『本命』の2年続きの失望結果」をご参照下さい。
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園内移動完了のエサクバク Photo(C)Zoo sauvage de St-Félicien

このエサクバクは昨年の秋から産室につながる特別エリアで単独で飼育されていたわけですが今年の繁殖シーズンの開始に合わせる形で2月19日に特別エリアからメインの展示場に移動しました。 その園内移動の様子が冒頭の写真です。以下はそれから一週間ほど後の、メインの展示場に復帰したエサクバクですが、雄のイレと同居生活に入りました。その様子を二つほど見てみましょう。





もう一つ、ご紹介しておきますが、いよいよ繁殖行動期に入りつつある状態です。



それから一週間ほどした昨日の映像です。



イレはそれほど積極的に水に入ろうという気持ちはないように見えます。 こうして今年の繁殖に向けてエサクバクとイレのペアはスタートしたわけです。 このペアについてですが以前から書いていますが問題なのは雄のイレです。エサクバクの前回のタイガとガヌークの出産 (2009年11月) はイヌクシュクがパートナーだったわけですが2012年、2013年はパートナーがイレに変わっており、イヌクシュクはトロント動物園でオーロラとニキータという双子姉妹を相手にしてすでにハドソンとハンフリーという2頭の人工哺育の個体の血統上の父親となっているわけです。 エサクバクとイヌクシュクの組み合わせで可能だった繁殖が、エサクバクとイレの間で3年続けて失敗するとすれば、それはもうイレの繁殖能力への大きな疑念となることは必至でしょう。 このサンフェリシアン原生動物園での今年の繁殖には注目しなければならないと思います。

(過去関連投稿)
カナダでの飼育下期待の星、イヌクシュクの物語
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果
カナダ・ケベック州 サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアへの大きな期待
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、早々と出産準備のための別区画に移る
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(10) ~ 出産に備えた雌の「隔離」とは?
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクの産室内の姿が公開 ~ スタッフの余裕
カナダ・サンフェリシアン原生動物園の産室内のエサクバク ~ ” Bonne nuit belle Aisaqvak !”
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、「本命」の2年続きの失望結果
by polarbearmaniac | 2014-03-07 15:00 | Polarbearology

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