街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・ペンシルベニア州、ピッツバーグ動物園のコーダの背負う責任 ~ 3頭の雌との間で繁殖を狙う

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コーダ Photo(C)Pittsburgh City Paper

世界のホッキョクグマ界では繁殖のために雄が雌のいる施設に移動すると言うケースは珍しくはありませんが、その逆、つまり雌が雄のいる施設に移動するというケースは非常に例が少ないわけです。 ところがその珍しいケースがアメリカで最近実現していますのでご紹介しておきます。

カリフォルニア州サンディエゴのシーワールドで飼育されている18歳のセーニャと同じ18歳のスノウフレイクの2頭が1月末に一緒にペンシルベニア州のピッツバーグ動物園 (Pittsburgh Zoo & PPG Aquarium) に移動し、そこで飼育されているデンバー動物園生まれの9歳の雄のコーダ (Koda) との間での繁殖を目指しているわけです。 このセーニャは札幌・円山動物園のキャンディの三歳下の妹であり、実は昨年も彼女はピッツバーグ動物園に出張してコーダとの間で繁殖行為があった後にサンディエゴのシーワールドに戻ったわけですが、結局繁殖には成功しなかった件はすでにご紹介しています。 このセーニャは昨年秋のビーグル犬の嗅覚による妊娠判定では「妊娠している」と判定された非常に数少ない雌であったわけですが、今回の報道で明らかになったことはセーニャには出産そのものが無かったということで、出産したものの赤ちゃんが死亡したというわけではないことがはっきりしました。ですからこの件についてはビーグル犬の嗅覚による妊娠判定は当たらなかったということになります。 今年はこのセーニャに加えてスノウフレイクも一緒にピッツバーグ動物園に出張してきており、ピッツバーグ動物園の雄のコーダは、同園でパートナーとしている13歳の雌のコービー (Kobe) の他にセーニャとスノウフレイクとの繁殖行為が期待されているわけであり、コーダに期待されている責任は大きなものだと言えるでしょう。
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コーダ Photo(C)Pittsburgh Zoo & PPG Aquarium

何故このコーダにこれほど期待しているのかについては今一つ理由ははっきりしません。彼はまだ父親になってことはなく、その繁殖能力が証明されているということではないのですが、やはり9歳という彼の年齢に期待したというところが正しいのかもしれません。 このコーダは現在、ピッツバーグ動物園における彼の本来のパートナーであるコービーと非常に仲良くこの2ヶ月を過ごしており、このまま繁殖行為に至る可能性が高いと見られているようですが、それまではセーニャとスノウフレイクは待機の状態となるそうです。 セーニャとは昨年もコーダはコービーに引き続いて繁殖行為を行っていますので期待は持てそうです。 3番手のスノウフレイクとコーダとの相性の良し悪しはわかりませんが、しかし仮によかったとしてもタイムアウトとなる可能性はあるかもしれません。 ともかくも繁殖行動期が終了すればセーニャとスノウフレイクはサンディエゴのシーワールドに戻ることになっています。 ここで最近のコーダとコービーの様子を参考までに見てみましょう。



一頭の雄が同一繁殖シーズンに2頭の雌と繁殖行為を行うことは十分可能ですが、3頭となるとあまり例を聞いたことがありません。 こういった場合、複数の雌の発情に合わせて雄を同居させるというよりは雄の存在によって雌の発情を引き出すという考え方で臨むことになるでしょう。 2011年11月の7歳の誕生会を前にしたコーダの姿をご紹介しておきます。 やはり巨体ですね。



このコーダは現在デトロイト動物園で飼育されているヌカと双子の兄弟であり、兄弟一緒に2006年の夏にデンバー動物園からピッツバーグ動物園に移動してきたのですが、ヌカは2011年11月にデトロイト動物園に転出しています。
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デンバー動物園でのヴォーダお母さんとコーダとヌカの双子兄弟(2005年)
Photo(C)Denver Zoo

ピッツバーグ動物園の今年のドラマに注目したいと思います。

(資料)
NewsOk (Mar.1 2014 - Pittsburgh zoo mating male polar bear, 3 females)
90.5 WESA (Feb.28 2014 - Pittsburgh Zoo Welcomes Visiting Polar Bears, Szanje and Snowflake)
The Republic (Mar.1 2014 - Pittsburgh zoo trying to mate male polar bear, 3 females; cubs to publicize threat to species)
Tribune-Review (Feb.28 2014 - Pittsburgh Zoo's lone male polar bear, 3 females mate to preserve species)
The Denver Post (Apr.29 2010 - Denver Zoo polar bear Voda dies)

(過去関連投稿)
アメリカ・フロリダ州シーワールドのスノウ、脱毛治療のためにアリゾナ州のレイドパーク動物園へ移動決定
ビーグル犬のエルヴィス君の妊娠判定 (2) ~ サンディエゴ ・ シーワールドのセーニャは “妊娠”!
アメリカ・サンディエゴ、シーワールドのセーニャ、出産の有無の事実の発表ないまま元気に姿を現す
アメリカ・デンバー動物園の偉大なヴォーダお母さん逝く
by polarbearmaniac | 2014-03-10 18:00 | Polarbearology

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