街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・アラスカ州アンカレッジのアラスカ動物園が新施設計画 ~ 野生孤児保護センターの機能強化

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アプーンとリューティク  Photo(C)Alaska Zoo/John Gomes

アメリカ・アラスカ州の中心都市であるアンカレッジにあるアラスカ動物園は、アメリカにおいて唯一野生のホッキョクグマが生息しているアラスカ州の北部地域で孤児となったホッキョクグマを最初の段階で保護する施設としてもお馴染みです。現在ケンタッキー州のルイヴィル動物園で飼育されているカニックや、ニューヨーク州のバッファロー動物園で飼育されているカリーがどのようにして発見され、そして最初にこのアラスカ動物園で保護飼育されたかについてはかなりの数の投稿を行っていますので過去関連投稿をご参照下さい。

このたびこのアラスカ動物園では、総工費約800万ドル(約8億円)でホッキョクグマの飼育展示を現在の約3倍の面積に拡大した新施設を建設する計画が始まろうとしているようです。 この計画の目的は二つあり、まず野生で孤児となったホッキョクグマの幼年個体の受け皿としての機能を大きく充実させるということと、現在飼育されている2頭のホッキョクグマの飼育環境の大幅な向上と繁殖のための産室などの施設の新設を行うということだそうです。 これに関するニュース映像をご紹介しておきましょう。



まずフェイズ1として2015年8月までに野生孤児幼年個体の保護を目的とする施設を新設することを先行させるそうですが、6頭までの孤児を保護するだけの十分なスペースとプールを新設するようです。 産室も用意するそうですが、これは多分将来そこでの繁殖も可能となるようにしておこうということ思われます。 この野生孤児保護施設は展示そのものを目的とはしないようです。 現在アラスカ動物園はアメリカでは唯一の野生孤児保護施設として連邦政府の魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service - FWS) から5年間の許可を得ているそうですが、そういったFWSの許可がこれでさらに長期のものになることは確実だろうと思われます。 野生孤児幼年個体の保護センターとしてFWSはアラスカ動物園にその役割を期待していることは明らかでしょう。

次にフェイズ2として、現在の飼育展示場は1999年の計画で完成したもので、それからもう14年経過しているため、この飼育展示場を二倍に拡大して現在同園で飼育されている14歳の雌のアプーンと13歳の雄のリューティクの飼育環境の大幅な向上を図り、将来的に3頭の雌と1頭の雄を飼育することも可能となるようにしたいとのことです。 雌が産室のあるエリアで暮らしても雄は別区画のエリアで展示が十分に展示可能となる施設を計画しているそうです。 それからこれは私の微かな記憶なのですが、確かこのアラスカ動物園のペアは避妊によって繁殖しないようにしていたはずで、その理由は産室が完備されていないからだということをかなり以前に何かの報道で読んだ記憶がありました。 今回の計画でこの産室の新設についてアラスカ動物園が非常に意欲的なのも、そういった現状を打破してこのペアでの繁殖を狙いたいという意欲の表れなのでしょう。 このフェイズ2は2017年までに完了する計画だそうです。 このアラスカ動物園の新施設建設計画について報じる別のニュースもご紹介しておきます。




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アプーン Photo(C)Alaska Zoo/John Gomes

現在アラスカ動物園で飼育されている雌のアプーンについは、「アメリカ・アラスカ州アンカレッジのアラスカ動物園が始めた奇抜な寄付金募集方法 ~ 『動物園大統領』選挙」及び「アメリカ ・ アラスカ動物園の『初代動物園大統領』にアプーンが当選」をご参照下さい。
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リューティクとリア(2001年) Photo(C)Ленинградский зоопарк

また雄のリューティクについては、「ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ」及び「オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係」をご参照下さい。 このリューティクはロシア・サンクトペテルブルクのレニングラード動物園であの女帝ウスラーダから双子として2000年12月に誕生していますが、その双子のもう一方は現在オーストラリアのシーワールドで飼育されている雌のリアです。 リアは昨年5月に雄の赤ちゃんであるヘンリーを出産していますが、リアお母さんについてもヘンリーについても以前何度も投稿していますので過去関連投稿をご参照下さい。

(資料)
Alaska Zoo (Total Project Snapshot Report - Alaska Zoo - Polar Bear Transition Facility)(pdf.)
Alaska Dispatch (Feb. 27 2014 - Alaska Zoo prepares to break ground on $8 million project for polar bears)
KTUU.com (Feb.27 2014 - Polar Bear Habitat Expansion) (Feb.27 2014 - Alaska Zoo Polar Bears Will Get More Room To Roam)
Alaska Public Radio Network (Mar.1 2014 - Alaska Zoo Polar Bears To Get New Home)
Washington Times (Feb.28 2014 - Alaska Zoo plans expansion of polar bear exhibit)
Alaska Dispatch (Jun.21 2012 - Polar bear expert shares limelight with Alaska Zoo animals at 'Feast for the Beasts')
KTVA (Feb.28 2014 - Zoo announces new Polar Bear habitat)

(過去関連投稿)
*アラスカ動物園でのカニック
アラスカの油田でホッキョクグマの赤ちゃんが保護!
アラスカの油田地帯で保護された赤ちゃん、アンカレッジ動物園で報道陣に公開
アラスカの赤ちゃん孤児の一般公開後の映像 ~ その視線から感じること
アラスカ・アンカレッジの動物園の赤ちゃん孤児の元気な遊び姿
アラスカの赤ちゃん孤児、月末にケンタッキー州のルイヴィル動物園へ
アラスカの孤児の赤ちゃん、月曜日にアラスカを旅立ち約6時間の空輸で新天地のケンタッキーへ
アラスカでの孤児の赤ちゃんの最後の1日、そして旅立ちの様子

*アラスカ動物園でのカリー
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着

アメリカ・アラスカ州アンカレッジのアラスカ動物園が始めた奇抜な寄付金募集方法 ~ 「動物園大統領」選挙
アメリカ ・ アラスカ動物園の 「初代動物園大統領」 にアプーンが当選
ウスラーダお母さんの2頭の子供たちとの別れ
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのホッキョクグマたち ~ 繁殖への期待、豪太との関係

オーストラリア・クイーンズランド州、シーワールドでホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後二週間が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、元気に生後一か月が経過
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の赤ちゃん、生後9週間を経て産室内を歩き始める
オーストラリア、ゴールドコーストのシーワールドで5月誕生の赤ちゃんが遂に戸外へ! ~ 性別は雄(オス)
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドの赤ちゃん、ヘンリーと命名され明日から一般公開へ
オーストラリア、シーワールドのリアお母さんの出産時の産室内秘話 ~ 「初産成功」 を特別視すべきか?
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで誕生の雄の赤ちゃん、ヘンリーが遂に一般公開となる
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドで誕生のヘンリー、生後5か月が経過 ~ 力強い歩み
オーストラリア・ゴールドコースト、シーワールドのヘンリー、元気一杯に遊び回る ~ リアお母さんの母性
オーストラリア、シーワールドのヘンリーのハロウィーン ~ エンリッチメントとしての意味付け
女帝ウスラーダとシモーナ、コーラ、リアの三頭の娘たち ~ 偉大な母親たちの三代の系譜
オーストラリア・ゴールドコーストのシーワールドで生後7ヶ月が経過したヘンリーの近況
by polarbearmaniac | 2014-03-11 23:30 | Polarbearology

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