街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum
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ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園の赤ちゃんの戸外映像 ~ ゲルダとクラーシンの幼年時代
ロシア・西シベリアのノヴォシビルスクの動物園で6歳の雌のゲルダお母さんが昨年12月上旬 (非公式情報によれば12月14日)に産んだ一頭の赤ちゃんがゲルダお母さんと一緒に6日に初めて戸外に登場した件はすでに2回ほど投稿しています。 さらに一昨日の11日にコムソモリスカヤ・プラウダ紙がノヴォシビルスクの動物園のこのゲルダ親子を取材して、その姿を映像に撮って12日付けの記事にしていますので下にご紹介しておきます。 下の写真をワンクリックしていただいて開いた同紙のページでゲルダお母さんと赤ちゃんの戸外での姿を映像で見ることができます。 やはり足取りはまだまだおぼつかないようですが、広い場所に出るのは気持ちよさそうです。
(*後記 - 上の映像をyoutube でアップした方がいましたので下にあらためて御紹介しておきます。 映像としては上のほうがはるかに明瞭です。)
今回の赤ちゃんの両親である母親のゲルダ、そして父親のクラーシン(カイ)、つまり静岡のピョートル(ロッシー)の双子の兄弟ですが、その幼年期にノヴォシビルスク動物園で一緒に暮らし始めた時期の珍しい映像がありますのでご紹介しておきます。 まず雄のクラーシンは2008年6月に生後たった7ヶ月ほどでサンクトペテルブルクのレニングラード動物園のウスラーダお母さんに別れを告げてノヴォシビルスク動物園に移動してきました。 このクラーシンの権利はモスクワ動物園にあったわけで、彼がどの動物園で暮らすかを決めるのはモスクワ動物園だったわけです。 そのモスクワ動物園の指示でクラーシンはサンクトペテルブルクからノヴォシビルスクまで直接空輸されたわけでした。 何故それほど早くクラーシン(そしてピョートル)がウスラーダお母さんから引き離されねばならなかったかは以前にも御紹介したことがありましたが、レニングラード動物園とモスクワ動物園の確執に理由があるわけです。 レニングラード動物園はある時期から、本来モスクワ動物園の持っていたウスラーダの子供の半分の権利を侵害して勝手に利益を独り占めにしていたわけで、モスクワ動物園はそれに対して激怒し、レニングラード動物園に制裁を行ったわけでした。 書いていくと長くなってしまいますので簡単に言っておきますが、この両園間の紛争は2004年生まれのラダゴル(つまり仙台のカイ)が2006年に日本に売却される前から生じており、そうした事情でモスクワ動物園はクラーシンを有無を言わさずレニングラード動物園から自らの支配下に引き離し、そしてノヴォシビルスクに移動させたということです。 モスクワ動物園というのは飼育現場の人々は職人気質で話せば人の良い人が多いですが、こういったことに決定権のある管理部門は血も涙もないほど冷徹なことを平気で行いますから、生後7ヶ月ほどの幼年個体すら母親から引き離すということが起こるわけです。 当時の報道によればレニングラード動物園のスキーバ園長は、「ウスラーダの権利はモスクワ動物園にあるのはわかっているが、ウスラーダに飼料を与え彼女をずっと飼育してきたのはレニングラード動物園であり、それにもかかわらずウスラーダの子供の権利の半分がモスクワ動物園にあるというのはおかしい。」 と大抵抗したのですが、一般論としてはこの理屈は良く理解できても、実際の契約ではウスラーダの子供の権利の半分はモスクワ動物園にあるという条項が規定されているわけであり、スキーバ園長の理屈は全く通らないわけです。 モスクワ動物園の権利を侵害しておきながら、それを正当化しようとしたレニングラード動物園のこうした態度がモスクワ動物園の怒りの火にさらに油を注いでしまったというわけでした。 そういったことのとばっちりが全てクラーシンとピョートル、さらにゲルダにまで及んだわけです。
さて、クラーシンンがノヴォシビルスク動物園に到着したその後、2ヶ月ほどしてモスクワ動物園から雌のゲルダがやはり生後8ヶ月ほどでノヴォシビルスク動物園に移動してきたわけですが、このゲルダ(以前にも書きましたが、私見では彼女の本当の母親はムルマ)がノヴォシビルスク動物園に到着しクラーシンと初顔合わせを行ったのは到着後約10日ほど経過した2008年8月15日のことでした。 この時はまだケージは仕切られていたようです。 その時の映像を当時のニュースでご覧いただきましょう。下の写真をワンクリックしていただいて映像をご覧下さい。(この映像についてはブラウザはInternet Explorer をお勧めします。 音声はon のほうが臨場感があります。)
(*後記 - 大変残念ながらその後、この古い映像は見られなくなってしまったようです。)
それから3日後に仕切りがなくなり、2008年8月15日がこの2頭の本当の意味での出会いとなったわけですが、クラーシンはゲルダを恐ろしがって隅にいることのほうが多かったそうです。 下の写真をワンクリックしていただいて映像をご覧下さい。(この映像についてもブラウザはInternet Explorer をお勧めします。これも音声はon のほうが臨場感があります。))
(*後記 - 大変残念ながらその後、この古い映像も見られなくなってしまったようです。)
こうしてまだ一歳にもならなかったこのゲルダとクラーシンの出会いが6年後には実を結んだということです。なかなか貴重な映像だと思います。 それから、クラーシンがノヴォシビルスクで何故、「カイ」という名前に改名されたかについて当時の報道をあたってみましたところ、ノヴォシビルスク動物園はクラーシンという名前よりももっと響きのよい名前にしたかったということが理由であることがわかりました。 しかしこのホッキョクグマの改名というのはあまり感心できませんね。
(資料)
Комсомольская правда (Mar.12 2014 - Белый медвежонок из Новосибирского зоопарка стал звездой британского таблоида)
Белый медвежонок из Новосибирского зоопарка стал звездой британского таблоида
«Мы не сможем вынести разлуки!» - гласит заголовок в Daily Mail [фото, видео]
Государственный интернет-канал «Россия» (Aug.15 2008 - Белому медвежонку привезли подружку) (Aug.18 2008 - Герда нашла своего Красина)
НГС - Независимые Городские Сайты (Jul.7 2008 - В зоопарк привезли белого медвежонка)
(過去関連投稿)
ロシア、ノヴォシビルスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ ロッシーの双子兄弟が父親となる
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で誕生の赤ちゃん、ゲルダお母さんと共に初めて戸外へ!
ロシア・西シベリア、ノヴォシビルスク動物園で戸外に登場したゲルダお母さんと赤ちゃんの追加画像
by polarbearmaniac
| 2014-03-13 06:00
| Polarbearology
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