街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園の双子の赤ちゃんが一般公開後に大人気 ~ 人気の秘密は何か?

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ジョヴァンナお母さんと双子の赤ちゃん Photo(C)dpa

昨年12月9日にミュンヘンのヘラブルン動物園でジョヴァンナお母さんから誕生した雄と雌の双子の赤ちゃんが今月19日の水曜日から一般公開が開始となり、親子の飼育展示場への登場の様子がヘラブルン動物園よりネットで生中継された件についてはすでに 「ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の双子の赤ちゃんの初公開の模様がドイツからライブ中継」 という投稿でご紹介しています。 事前に予想された通り、先週末にはこの双子の赤ちゃんを見ようという人々が動物園に押しかけ大変な混雑だったそうです。 公開日の平日の水曜日ですら7000人もの人が訪れ、平日の来園者数の記録を達成したそうです。 来園者のほとんど全てがホッキョクグマの赤ちゃんを見に来た人々だったようです。
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Photo(C)dpa

先週の土曜日の様子について地元の夕刊紙 (Abendzeitung München) が報じることろによりますと、午前9時のヘラブルン動物園の開園の一時間前の午前8時にはチケット売り場に行列ができていたそうで9時の開門と同時に人々は(おそらく年間パスを前もって購入していた人々でしょう) 怒涛のようにホッキョクグマ展示場に向かって走り出したそうです。 ホッキョクグマ展示場には3名の「ボディガード」(ドイツ語でも” Bodyguards” とそのまま英語が使用されていますが要するに保安員です)が配置されていて、監視カメラでも飼育展示場の様子がモニターされているとのこと。 このジョヴァンナ親子はハリウッドのスター以上に身辺警護が厳重であると表現した記事もあるほどです。
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Photo(C)Abendzeitung München

早朝には80名ほどの来園者が飼育展示場にいるものの、午後になると250名ほどに膨れ上がり、それを超えた段階で保安員によって一つのグループ単位で10分間という観覧制限が行われるようです。先週の水曜日の一般公開開始以来こういった状況のようですから、個人の方がそういった厳しい条件下で撮った映像よりも、前回ご紹介した3つのマスコミの映像とヘラブルン動物園の公式映像が最もこの親子の姿を巧く捉えたもののように思います。 その他の映像のうち、マスコミの撮っためぼしいものをまたいくつかご紹介しておきます。これらは全てニュース番組の形をとっています。











近年ドイツではホッキョクグマの赤ちゃん公開というとこのような騒ぎになります。 昨年の札幌・円山動物園でのマルルとポロロの一般公開開始日は金曜日でしたが、9時の開門の時には行列はできたものの予想していたほどの数ではなく、その後展示場で時間が経過するに従って来園者の数が多くなっていったという感じでした。 入り口から「世界の熊館」まで走った人がいたというような記憶は少なくともありません。
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ジョヴァンナお母さんと双子の赤ちゃん Photo(C)dpa

「何故ホッキョクグマ、そしてその赤ちゃんは人気があるのか?」ということですが、私は人が言うように「絶滅危惧種であり、最近は地球温暖化に抗するイコンとしての存在として注目を浴びているから」 ということは、ほとんど感じないわけです。 純粋に姿の素晴らしさということではないでしょうか。 ではなぜホッキョクグマは過去にはそうでもなかったのに近年非常に人気のある動物になったのかですが、やや抽象的な言い方をしますとそれは、「ホッキョクグマの姿の中に何かの美を見出すようになったからだ。」 ということではないでしょうか。 では何故それを近年になって見出すようになったかですが、この理由を考えるには、果たしてホッキョクグマの人気は今後も続くのかということを考えねばなりません。自然環境の厳しい、我々にとってはアクセスが容易ではない地域に生息するホッキョクグマは本質的にどこかヴェールに覆われた一種の神秘的存在であるものの、その実際の顔と姿、特に赤ちゃんの姿は子犬や子猫とそう変わらぬ親しみと可愛さを感じさせます。 この「神秘的存在」という彼らの生態的・審美的本質と 「実際の姿への親しみ」 という大きな乖離にこそ、ホッキョクグマの人気の秘密が隠されていると思います。 イデオロギーの対立を含む東西冷戦が終結し、世界経済のグローバル化が進むにつれて、我々人間にはこの「存在」と「実際」との間の乖離と不均衡に美を見出す傾向が生じてきたということでしょう。 そういう傾向が顕著に生じているのがドイツ、アメリカ、そしてそれに次いで日本ということになるのではないでしょうか。 非常に高まったホッキョクグマの人気は今後も若干の浮き沈みはあったにせよ、大きく沈むということはあまりないようにも思います。

(資料)
Abendzeitung München (Mar.23 2014 - Die Hellabrunner Bärchen-Show) (Mar.23 2014 - Video: Eisbär-Nachwuchs lässt der Besucheransturm kalt) (Mar.22 2014 - Besucher-Ansturm im Tierpark: Eisbären kriegen Bodyguards! )
Süddeutsche Zeitung (Mar.23 2014 - Alle wollen die Eisbären sehen)
Bild (Mar.23 2014 - Das ist das Münchner Bärchen-Märchen!)
DIE WELT (Mar.23 2014 – Bärenmania)

(過去関連投稿)
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ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園で誕生の双子の赤ちゃんの初公開の模様がドイツからライブ中継
by polarbearmaniac | 2014-03-25 19:00 | Polarbearology

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