街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ポロロとマルルが暮らす徳島と熊本の二つの動物園の印象 ~ 「組織の徳島、人の熊本」

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マルル(左)とポロロ(右) (2013年9月16日撮影 於 札幌・円山動物園)

2012年12月8日に札幌の円山動物園で生まれたポロロとマルルの雌の双子は今年の3月3日にそれぞれ、とくしま動物園と熊本市動植物園とに移動となり、すでに移動先で一般公開されて一か月(以上) が経過しています。  この二頭の一般公開開始、そしてそれから一か月が経過した時点と二度にわたって両園でポロロとマルルに会ってきましたが、その時の印象は過去関連投稿をご参照下さい。

さて、この二頭はそれぞれの動物園の地元で人気を博していることはマスコミも報道していますし、私の見た限りでもこれは間違いありません。 この両園でどのくらい来園者が増加したのかは公式な統計は発表されていませんが、数字として報道されているのは以下のようなことです。

・とくしま動物園 - 「3月15日から4月15日までの来園者数は3万359人で、ポロロ目当ての来園者が多かったことから、前年同期より1600人余り増えた。」 (徳島新聞 Apr.19 2014 - ポロロに会いたい とくしま動物園、来園者増える

・熊本市動植物園 - 「(3月)23日は、前週の日曜より2千人多い9300人が来園。」 (北海道新聞 Mar.24 2014 - ホッキョクグマ「マルル」 熊本でも人気 動物園に3連休2万人)

この数字をどう考えるかについては天候という要素も多く関係していますし、増加数の全てをマルルやポロロの来園に単純に結びつけてよいか断言できませんから、ここではその評価はしないでおきます。 ただし、やはり人気があるというのは間違いありません。 これにはやはり地元での報道の影響というものが大きいように思います。

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ポロロ (2014年4月13日撮影 於 とくしま動物園)

ポロロの暮らすとくしま動物園のホッキョクグマ展示場に非常に多い家族連れからよく聞こえてくるのは、「前にいたホッキョクグマよりずいぶん小さいね。」 という声です。 つまり、とくしま動物園は家族連れのリピーターが多い動物園だということですね。 そういった来園者が体の大きさの違いに言及するのは、以前に飼育されていたシローやバーレーと比較しているからに違いありません。 ですから、家族連れであっても過去に何度も来ているという人が多いということなのでしょう。 それから、私がとくしま動物園で感じることは、あそこは運営にリーダーシップのある園長さんを頂点とした組織力に実に優れているように思います。 ポロロの歓迎式も事前にきちんと段取りが組み立てられ、そして実に鮮やかに式は進行していました。 ホッキョクグマの担当飼育員さんが挨拶され、そして札幌から送られたおもちゃが紹介される時ですが、こちら側から何の合図もないのに実にタイミングよく2名の飼育員さんがそれを持ってボードの向こう側に登場するわけです。 この登場のタイミングは式の参加者が気づかないやり方で反対側の室内に待機していた飼育員さんに登場の時が伝えられたからでしょう。 円山動物園職員一同のメッセージ代読や札幌のファンからのプレゼントの紹介なども漏らさずにちゃんと式に組み入れられていました。 4年前のシローのお別れ会でもそうでしたが、とにかく同園のこういったことの手際の良さには感心しました。 こういったことが的確に行われるということは、同園はスタッフの連係がよく、そして組織として実にしっかりと機能しているということがよくわかります。 それ以外にもいろいろ同園には感心するところがあるのですが(特に飼育員さんのチームワーク)、長くなりますのでこれだけにしておきます。

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マルル (2014年4月19日撮影 於 熊本市動植物園)

マルルの暮らす熊本市動植物園ですが、まず不運だったのがマルルの来園と一般公開との時期にちょうどニホンジカの逃亡事件があったことです。 この事件への対応に同園の多くの労力が費やされてしまったためにマルルの歓迎会の時期が遅れてしまったという事情だそうです。 マルルの来園を盛り上げる計画があったのにそれが不発になってしまったということのようです。 同園では以前にミッキーを担当されていた飼育員さんを始め、なかなか人間味のある飼育員さんが多くいるような印象を持ちました。 さすがにかつて旧制第五高等学校があり現在も教育水準の高い街の動物園であるといいましょうか、「剛毅朴訥」 で向上心のある方が多いように思いました。 一昨日の投稿で同園の展示場への私の印象を述べましたが、しかし「どうやったらもっと快適にしてやれるか」 というように常に改良を重ねていこうという飼育員さん個々の強い意志が感じられ、その点で好印象を持っています。

「組織の三菱、人の三井」 という言い方がありますが、この両園についての私の印象では「組織の徳島、人の熊本」 とでもいったところでしょうか。 ただし徳島と熊本の両園で共通して強く感じられるのは、「預かりものなので非常に大事に扱うのだ」 という姿勢でした。 こういったことはやはりある種の律義さであって四国や九州などの西日本の特徴かもしれません。 近畿以東にはあまりこれを感じませんね。 北海道のファンの方々には是非、この両園をセットにして訪問していただき、ポロロとマルルに会っていただきたいと思います。 

徳島と熊本の間の移動はいくつかの方法があります。 そういえば先々週、徳島でピリカファンの方々に遭遇しましたが土曜日に熊本、日曜日に徳島と土日だけで実に優雅にこの二園をたっぷり楽しまれた御様子でしたが、どうやって鮮やかに移動されたのかは聞き逃しました。 多分、熊本から福岡 (博多)まで新幹線、福岡から徳島までJALの直行便を利用されたのではないかと私は勝手に想像していますが。  土日だけでこの両園を回ろうと思えば私は結構面倒臭がり屋ですので、新幹線は使わずに熊本から徳島に移動しようとすれば熊本から一度羽田へ戻って、そこから徳島行きの便に乗り換えるという手段をとるかもしれません。 これだと乗り換えは羽田のターミナル内だけであり、しかも当然往復割引がありますし、時間はセーブできます。 奇手のようですが意外に使える手段だと思っています。 

(資料)
徳島新聞 (Apr.19 2014 - ポロロに会いたい とくしま動物園、来園者増える
北海道新聞 (Mar.24 2014 - ホッキョクグマ「マルル」 熊本でも人気 動物園に3連休2万人)

(過去関連投稿)
とくしま動物園でのポロロ歓迎式、そしてポロロの自信に溢れた徳島での公式デビュー
ポロロ、その優れた適応性、そしてその執着力が予感させる器の大きさ ~ 大輪晩開の花
熊本市動植物園での、いささか精彩に欠いたマルルの熊本公式デビュー ~ "Marle of Our Time"
マルル、その「正統派ホッキョクグマ」 が克服を期待される試練 ~ 「我らが時代」のホッキョクグマの姿
熊本市動植物園でマルルの歓迎会が開催される
大きく成長を遂げつつあるポロロ ~ クーニャよりもシヌックの影を強く感じるララファミリーの子供たち
冷雨の日曜日、間近に見るポロロの表情 ~ 亡きシロー爺さんに見守られているポロロが優位に立つ
マルルの "Perpetuum mobile" ~ 公開後、約一か月が経過したマルル
マルルに当分の苦境は続くか? ~ "Every cloud has a silver lining."
マルル、まどろみの日曜日
by polarbearmaniac | 2014-04-21 23:45 | Polarbearology

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