街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・マニトバ州、アシニボイン公園動物園の新施設、“Journey to Churchill” が7月にオープン

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カスカ(左)とオーロラ(右) Photo(C)Assiniboine Park Zoo

たびたびご紹介しているカナダ・マニトバ州 ウィニペグのアシニボイン公園動物園 (Assiniboine Park Zoo) といえば日本にも関係の深い動物園です。 仙台・八木山動物公園で飼育されているナナや京都市動物園で飼育されていた故ポールの生まれた動物園ということになります。 この二頭の母親こそ、2008年11月に当時世界最高齢の42歳で亡くなった偉大なるデビーであることは今更申し上げる必要もないでしょう。 この件については是非、「カナダ・マニトバ州、アシニボイン公園動物園の新展示場施設の建設  ~  偉大なるデビーの遺したもの」という投稿をご参照下さい。
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ハドソン(左)とストーム(右) Photo(C)Assiniboine Park Zoo  

さて、その以前の投稿でもご紹介していましたが同園が約9000万ドル(約83億円)という巨額を費やして現在建設中であるホッキョクグマなどの極地動物を飼育展示する新施設である “Journey to Churchill” (「チャーチルへの旅」)が来たる7月3日にオープンすることが同園より正式発表されました。 世界最高のホッキョクグマ飼育展示施設とみなされることを目指して建設されているこの “Journey to Churchill” ですが、アシニボイン公園動物園としては、それだけの規模の施設を建設しなければ野生のホッキョクグマの生息地として名高いカナダのマニトバ州に存在する動物園としての意義を問われかねないといった宿命を背負っていたと言えるとも思います。 この “Journey to Churchill” の概要については以前にもご紹介したことがありますが、下の映像を再度ご覧いただきたく思います。



今度は建設の様子を伝える映像を見てみましょう。 まず昨年の10月の様子です。



続いて下は最近の様子です。



次にこれは最近のカナダ放送協会 (CBC) のニュース映像です。

(*注 - 上の映像はブラウザがIEを使用の場合、設定次第によっては再生できないことがあります。)
この“Journey to Churchill”で飼育展示されるのは野生出身で人間を襲おうとしたもののスマートフォンの光にたじろいでしまった現在3歳の雄のストーム、チャーチルの空港付近をさまよっていて保護された現在1歳の雌のオーロラ、自然保護官によって誤って母親を射殺されてしまった同じく現在1歳の雌のカスカという野生出身の3頭、そしてトロント動物園で人工哺育で育てられた2歳の雄のハドソンという合計4頭の若いホッキョクグマたちです。 実に壮観な光景となるでしょう。

ただしかしアシニボイン公園動物園では今年になって2度目となる入園料の値上げを発表しており、現行の10.24 ドル(約950円)から18.50ドル(約1720円)へと大幅な値上げとなるわけで、これについて同園では、北米における動物園の水準値に対応したものであると言っています。 また、州よりの財政援助を得ずとも運営していけるものにしたいという希望もあるそうです。大人の年間チケットが45ドル(約4200円)から65ドル(約6000円)というのも実に大幅な値上げですね。 こういったことについて地元では当然いろいろな意見が出ています。 新旧の入園料については下をご参照下さい。
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よいものを作ったのでもっとお金を払って見に来て下さいというのは基本的に正しい態度だと思います。 もっとも、それも程度問題ということはあります。 果たしてこの “Journey to Churchill” はそれだけ価値のあるものかどうかはまだわからないといったところでしょうか。 「3月は学生の入園は無料」という措置をとった日本の動物園がありましたが私には大きな違和感がありました。 しかもそれを宣伝するポスターを目にしたとき、これはソフトバンク社の携帯電話の広告ではないかと思ったほどです。 どうせあそこまでのことをやるのだったらホッキョクグマに学生服を着せて白戸家のお父さん犬のようにした写真を使用すべきだったでしょう。

ともかく、アシニボイン公園動物園の“Journey to Churchill” (「チャーチルへの旅」)には大いに注目すべきでしょう。

(資料)
Assiniboine Park & Zoo (Apr.21 2014 - Journey to Churchill Exhibit to Open July 3)
CBC (Apr.11 2014 – Winnipeg zoo gives peek at Journey to Churchill exhibit)
CBC (Apr.21 2014 – Big fee hikes at Winnipeg zoo when polar bear exhibit opens July 3)
Winnipeg Free Press (Apr.21 2014 - Journey to Churchill opens July 3, daily admission to go up again)
MetroNews Canada (Apr.21 2014 - Assiniboine Zoo’s Journey to Churchill exhibit to open July 3)
Globalnews.ca (Apr.21 2014 - Journey to Churchill polar bear exhibit opens July 3, zoo prices hiked)
The Portico Group (Assiniboine Park Zoo Journey to Churchill)

(過去関連投稿)
カナダ・マニトバ州、アシニボイン公園動物園の新展示場施設の建設  ~  偉大なるデビーの遺したもの
カナダ・マニトバ州 ウィニペグのアシニボイン公園動物園の4頭の若いホッキョクグマたちの冬
カナダ・ウィニペグのアシニボイン公園動物園でのハドソン、ストーム、オーロラ、カスカの4頭同居は成功
by polarbearmaniac | 2014-04-22 16:00 | Polarbearology

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