街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ハノーファー動物園のカップ (豪太の兄)が施設改修工事の終了したノイミュンスター動物園に帰還

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カップ  Photo(C)Kieler Nachrichten/C. Wunder

ドイツ北部のノイミュンスター動物園はホッキョクグマ飼育展示場の改良工事を行う期間中、同園で飼育していた12歳の雄のカップをハノーファー動物園に預けたことは昨年「ドイツ・ノイミュンスター動物園のカップが同園展示場の地表改良工事のため一時的にハノーファー動物園へ」という投稿でご紹介していました。 このカップのハノーファー動物園での姿を最初に一つご紹介しておきます。



さて、このカップですがこのたびノイミュンスター動物園の地表改良などの一連の改修工事が終了したため、5月12日に約一年ぶりに再びノイミュンスター動物園に戻ったことを同園が発表しています。 現在は13歳になっているカップですが、これから本格的にパートナー探しが行われるものと思われます。 このカップはモスクワ動物園であの男鹿水族館の豪太の母であるムルマお母さんから2000年の10月に双子の一頭として誕生しています。 ただし豪太とは父親が異なります。 このあたりの事情は「モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機」という投稿をご参照下さい。 カップはその後に一歳になったばかりの時にドイツのカールスルーエの動物園を経由して2004年からこのノイミュンスター動物園で飼育されてきました。  このカップの正式な名前はKaplya というそうです(ロシア語のキリル文字で Капля と綴ることは間違いないでしょう。 そうなると「カップ」よりも「カプ」のほうが表記としては適切かもしれませんがこれは微妙です)。 これは「滴」という意味ですね。 このカップにはまだパートナーがいないわけですが、ノイミュンスター動物園はホッキョクグマ飼育展示場の改修工事の終了にともなってこのカップの繁殖問題の解決に乗り出すものと思われます。 血統的にも彼のパートナーとなりうる候補は何頭か存在していますが、やはり有力候補はデンマーク・オールボー動物園のミラクではないでしょうか。 しかしミラクにはイギリス・スコットランドのハイランド野生公園がすでに狙っていることは確実ですので、このカップはすでに劣勢に立たされているように思います。 年齢的に言えば、やはりオールボー動物園のヴィクトリアかマリクという線も候補としては考えられるでしょう。 しかし私の感じではカップのパートナー探しは相当に難航するように思います。
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Photo(C)Kieler Nachrichten/C. Wunder

男鹿水族館の豪太の母であるモスクワ動物園のムルマお母さんの子供で欧州で飼育されているのはこのカップとデンマーク・コペンハーゲン動物園の8歳の雄のボリス(現在は地元ではイワンと呼ばれているそうです)、そして南フランス・アンティーブのマリンランドの6歳の雄のラスプーチンです。 血統登録上はベルリン動物公園の4歳の雌のトーニャもそうですが私見ではトーニャの本当の母親はムルマではなくシモーナにほぼ間違いないと考えることはすでに年末年始のベルリン滞在中に「トーニャの素顔、そしてその血統の謎に迫る」という投稿で述べた通りです。
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Photo(C)Kieler Nachrichten/C. Wunder

さて、このイミュンスター動物園の希望を受けてEAZAのコーディネーターがどう動くかに注目したいと思います。

(資料)
Tierpark Neumünster (News / May.16 2014 - Unser Eisbär Kap ist wieder zurück)
NDR (May.14 2014 - "Schöner Wohnen" für Eisbär Kap)
Kieler Nachrichten (Fotostrecke: Eisbär Kap zurück im Tierpark Neumünster)
Holsteinischer Courier (May.13 2014 - Eisbär Kap ist nach einem Jahr zurück)

(過去関連投稿)
ドイツ・ノイミュンスター動物園のマイカ逝く ~ その数奇なる生涯の終焉
ドイツ・ノイミュンスター動物園、悲願へのハードルの高さ ~ カップのパートナー探し難航
モスクワ動物園のムルマ(3) ~ 初産、そして訪れた危機
ドイツ・ノイミュンスター動物園のカップが同園展示場の地表改良工事のため一時的にハノーファー動物園へ
by polarbearmaniac | 2014-05-28 23:00 | Polarbearology

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