街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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アメリカ・アラスカ州で負傷した野生個体の治療用に「ホッキョクグマ収容モジュール」が開発される

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「ホッキョクグマ収容モジュール」 
Photo(C)Bob Hallinen/Alaska Dispatch

アメリカにおける野生のホッキョクグマ生息地がアラスカ州であることは言うまでもありません。 特にノーススロープと呼ばれる北部のボーフォート海沿岸地帯がその生息地です。 この地域には1500頭もの野生のホッキョクグマが生息していると言われ、この地域で野生孤児として保護された幼年個体ついてはこのブログ開設後は現在ケンタッキー州のルイヴィル動物園で飼育されているカニックや、ニューヨーク州のバッファロー動物園で飼育されているカリーが保護された状況と保護後の推移について詳しく追ってきたつもりです。 その保護の過程でアラスカ動物園が大きな貢献を行ってきたことにも触れてきました。
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Photo(C)KTVA CBS 11 News Alaska

この地域で人間の手によって保護されてきたのは今までは幼年個体だったわけですが、油田開発をはじめとしたこの地域の開発によってホッキョクグマたちの生態が脅かされる状況となっており、今後は幼年個体だけでなく成獣にもその保護の手を拡げねばならない必要性が生じており、その一環としてアメリカの魚類野生動物保護局 (U.S. Fish and Wildlife Service) とアラスカ動物園の協力のもと、このたび開発されたのが冒頭の写真の「ホッキョクグマ収容モジュール (Polar Bear Holding Module)」です。 この装置は移動が可能であり2つの運送用ケージが付属され、病気になったり負傷した野生のホッキョクグマなどが発見されるとこの移動モジュールが直ちに現場に運ばれ、そしてそのホッキョクグマを一時収容して治療を行うことができる一種の「移動病院」とでもいった機能を果たすことになるそうです。 また、体が油で汚れたホッキョクグマをここに収容して体を洗浄したのち再び自然に解放するといった目的にも使用される見込みだそうです。 
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モジュール内部 Photo(C)USFWS/Katrina Mueller

この移動モジュールが現場に到着してどうやってホッキョクグマをこの中に収容するかですが、やはり麻酔銃で一度眠らせることになるでしょう。 しかしそうはいっても背に腹は代えられませんから、この「ホッキョクグマ収容モジュール」が大いに活躍してくれるように願いたいものです。

(資料)
Alaska Dispatch (May.20 2014 - Biologists expect module will help them treat sick, injured polar bears)
KTVA CBS 11 News Alaska (May.20 2014 - Polar bear care module unveiled)
KTOO (May.21 2014 - New equipment means new opportunities for polar bear treatment)
Alaska Public Media (May.20 2014 - New Equipment Means New Opportunities For Polar Bear Treatment)
Voice of America (May.30 2014 - Alaska Scientists Work to Save Polar Bears)

(過去関連投稿)
アメリカ・アラスカ州アンカレッジのアラスカ動物園が新施設計画 ~ 野生孤児保護センターの機能強化
*アラスカ動物園でのカニック
アラスカの油田でホッキョクグマの赤ちゃんが保護!
アラスカの油田地帯で保護された赤ちゃん、アンカレッジ動物園で報道陣に公開
アラスカの赤ちゃん孤児の一般公開後の映像 ~ その視線から感じること
アラスカ・アンカレッジの動物園の赤ちゃん孤児の元気な遊び姿
アラスカの赤ちゃん孤児、月末にケンタッキー州のルイヴィル動物園へ
アラスカの孤児の赤ちゃん、月曜日にアラスカを旅立ち約6時間の空輸で新天地のケンタッキーへ
アラスカでの孤児の赤ちゃんの最後の1日、そして旅立ちの様子

*アラスカ動物園でのカリー
アメリカ・アラスカ州の北西岸でホッキョクグマの孤児の赤ちゃんが保護!
アメリカ・アラスカ動物園で保護された野生孤児のカリーが今春に期限付きでバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーの一般公開が始まる
アメリカ・アラスカ動物園で保護されている野生孤児のカリーを間近で撮り続けている専属カメラマンの視点
アメリカ ・ アラスカ動物園で保護されている野生孤児の赤ちゃん、カリーの近況と今後について
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリー、来週後半に ニューヨーク州のバッファロー動物園へ
アメリカ・アラスカ動物園の野生孤児カリーがニューヨーク州のバッファロー動物園に無事到着
by polarbearmaniac | 2014-06-06 22:00 | Polarbearology

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