街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

ホッキョクグマの幼年個体、三つの年齢カテゴリー ~ “Cub”、” Yearling”、” 2-year-old”

a0151913_475780.jpg
マルル(手前)とポロロ(後方) (2013年7月20日撮影 於 円山動物園)

ホッキョクグマの幼年個体は野生では誕生から約2年半を母親と共に過ごすわけです。 ですから母親が幼年個体を連れているときは、その幼年個体は年齢的には三つのカテゴリーに存在することになります。 つまり、(1)一歳未満 (Cub)、(2)一歳 (Yearling)、(3)二歳 (2-year-old)、という三つのカテゴリーです。 一般的な意味で英語で言う cub は年齢的にはもっと広く、少なくとも(1)(2)の両方は確実に含むことになるでしょうし場合によっては(3)も含むこともあるかもしれません。 しかしホッキョクグマの研究者はどうも cub を一歳未満の個体の呼び名にしているようです。 ここで二つの映像を見てみましょう、

最初の映像ですが、野生の二組(A)(B)のホッキョクグマの親子が遭遇したシーンですが、それぞれの母親は互いに自分の子供(どちらも双子)を守ろうとして二頭の母親同士が激しく争うという珍しいシーンです。 それぞれの母親が自分の子供を守ろうとする様子は本当に凄まじいものです。 向かって左側の(A)の双子は(1)一歳未満、向かって右側の(B)の双子は(2)一歳のように見えます。 途中で(A)の一頭が自分の母親に加勢しようと(B)の母親に襲い掛かりますが、(B)の母親が反撃します。 それに怒った(A)の母親が(B)の母親に猛反撃という状況です。 途中で左の方に現れたのは雄ですが、このシーンの傍観者という感じです。



次はつい数日前にカナダのチャーチルのそばで撮影された映像ですが、道路を悠然と歩いているホキョクグマの親子です。 なんとも素晴らしい姿です。 駐車した車内から撮影されたものですが、こういう野生のホッキョクグマとこうした遭遇ができるのは本当に幸運だと思います。 是非ご覧いただきたいと思います。 さて、この双子は(1)(2)(3)のうちどれに該当するでしょうか?



(2)だとすればマルルとポロロと同じ年齢だということになります。 しかし私の眼では野生の(2)にしては少し体が大きいように思いますが(3)にしてはやや小さいかなという感じでしょうか。 仮に(3)だとすれば、このお母さんの前には今年の春の繁殖行動期に雄が現れなかったために7月になってもまだ子供たちを引き連れているという解釈になるでしょう。

実は “AGE DETERMINATION OF LIVE POLAR BEARS” という研究報告(pdf) によれば、三歳~四歳といった年齢が最もホッキョクグマの年齢を外見だけで判断するには難しい年齢帯だそうです。

(資料)
”AGE DETERMINATION OF LIVE POLAR BEARS”
by polarbearmaniac | 2014-07-19 06:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

ロシア南部 ・ ドン河下流の..
at 2017-06-27 19:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2017-06-26 23:50
アメリカ・オレゴン動物園のノ..
at 2017-06-25 22:30
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2017-06-24 23:30
ロシア・ペンザ動物園のベルィ..
at 2017-06-23 23:00
ロシア・西シベリア、セヴェル..
at 2017-06-22 23:00
ロシア・中部シベリアに記録的..
at 2017-06-21 18:30
アメリカ・フィラデルフィア動..
at 2017-06-20 23:50
デンマーク・オールボー動物園..
at 2017-06-19 22:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-06-19 20:30

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag


The Guest from the Future: Anna Akhmatova and Isaiah Berlin