街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ノルウェー、スヴァールバル諸島で首にナイロンの紐が巻きついたホッキョクグマが救助される

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首にナイロンのひもが巻き付いたホッキョクグマ Photo(C)Svein Wik

地球温暖化による海氷面積の減少がホッキョクグマの脅威になっていることは広く報道されており今更ここでご紹介するまでもないわけですが、それ以外で彼らにとって大きな脅威になっているものとして重要なのが彼らの生息地の環境汚染です。

ノルウェーの自然写真家であるスヴァイン・ヴィク (Svein Wik) 氏は今まで何度かスヴァールバル諸島を旅し、その自然をカメラに収めてきた写真家であり、今年も約三週間にわたってスヴァールバル諸島を周遊航海し、そこで発見したのはナイロンの紐を首に巻いた一頭のホッキョクグマでした。 見たところそのホッキョクグマは首の周りのナイロンの紐にはさほど気にしていないようだったそうですが、明らかに外形上は若年個体であり、これから体が成長するとそのナイロンの紐が首に食い込んでくるのは必至と考えたヴィク氏の通報によりスヴァールバル諸島の総督 (sysselmann) が動き出したわけでした。

総督の指示でこの問題のホッキョクグマの居場所を確定するために、このホッキョクグマを目撃した人は直ちに警察に連絡するようにと呼び掛けられたわけでした。 約三週間後にこの問題のホッキョクグマを目撃した通報が寄せられ、総督はノルウェーの極地研究所 (Norsk Polarinstitutt) にこのホッキョクグマの捕獲が依頼されたというわけでした。
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麻酔で首に巻きついたナイロンのひもを取ってもらうホッキョクグマ
Photo(C)Håvard Hansen / Norsk Polarinstitutt

極地研究所は早速ヘリコプターで出動してこのホッキョクグマの姿をとらえ、そしてスタッフは麻酔銃で捕獲してこのホッキョクグマの首の周りのナイロンの紐を取り除いてやったそうです。やがて無事に麻酔から覚めたそのホッキョクグマがそこから動き出すのがスタッフによって確認されたそうです。この問題のホッキョクグマは極地研究所が以前に生態調査を行ったときにも捕獲したことのある個体だったことが体に付けられた標識で確認できたそうで、現在は三歳で体の状態は良好だったそうです。

こういった首に化学繊維の紐が巻きついているホッキョクグマが見つかったという事例は過去に一例あっただけだそうです。 このスヴァールバル諸島でも海岸線に打ち上げられ清掃された廃棄物のゴミが年間で150立方メートルにも及ぶそうで、今回のホッキョクグマもそういったゴミを漁っているうちにナイロンの紐が首に巻きついてしまったということなのでしょう。 この海洋廃棄物の問題も非常に頭の痛いところです。使い捨て文化といったものが我々の生活に深く入り込んでしまっているわけであり、これは我々の生き方や考え方そのものを変えていかないと環境汚染は拡大するばかりでしょう。 たとえばスターバックスなどのコーヒー店でのテイクアウトは廃止させて店内で使い捨てではないちゃんとしたカップで飲んでもらい、外に使い捨てのプラスチックの空容器がゴミとして発生しないようにするとかいうことです。  「それだと売上が大きく減少する。」 ですって? ならば倒産してもしょうがないでしょう。

(資料)
Dagblade Nyheter (Jul.19 2014 - Oppdaget isbjørn på Svalbard med nylontau rundt halsen)
Nordnytt (Jul.21 2014 - Isbjørn viklet seg inn i garnrester – befridd etter flere uker)
by polarbearmaniac | 2014-07-25 17:00 | Polarbearology

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