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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でのイレの健康チェックトレーニング

カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園でのイレの健康チェックトレーニング_a0151913_1732473.jpg
健康チェックトレーニングを受けるイレ
Photo(C)Zoo sauvage de St-Félicien

カナダ・ケベック州にあるサンフェリシアン原生動物園については過去に何度も投稿してきました。 この動物園はなんといってもホッキョクグマの飼育と繁殖に関して動物学を基礎とした非常に科学的・合理的なアプローチを行う動物園であることはそういった過去の投稿の中でもご紹介してきた通りです。 この動物園のホッキョクグマ飼育には「職人芸」とか「属人的要素」といったものはほとんど感じられません。 そういう意味において「経験主義」とも言えるアプローチでホッキョクグマの繁殖を実践しているモスクワ動物園とは正反対のやり方であると言えましょう。 カナダの誇る偉大な雄のホッキョクグマであるイヌクシュクをパートナーとして雌のエサクバクは2009年11月にタイガとガヌークの双子を産んだわけですが、その時の情報発信の的確さと質の高さはやはりこの動物園における飼育の背景にある一種の合理主義の情報発信という姿をとった一つの表れだったとも言えそうです。

以前、「『ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)』よりの考察(2) ~ ホッキョクグマの訓練をどう考えるか」という投稿でホッキョクグマのトレーニングの意義について考えたことがありましたが、こうしたトレーニングを行う意義としては二つあり、一つはホッキョクグマが日常生活で感じているストレスを軽減してやる目的、二つ目には健康チェックという目的であるとされているわけです。 サンフェリシアン原生動物園でもこのホッキョクグマのトレーニングが行われていますのでその映像をご紹介しておきます。 上の冒頭の写真をワンクリックしていただいて開いたページで映像をご覧下さい。 トレーニングを受けているのは8歳の雄のイレ (Yellé) です。 冒頭はCMです。

こういったことは来園者には当然非公開で行われているそうでイレの体がケガをしていなかをこうした方法でチェックしているとのことです。やはりAZAのマニュアルに準拠したやり方だと思います。

この雄のイレは現在のエサクバクのパートナーなのですが2012年2013年の繁殖シーズンにエサクバクに出産が無く、イレの繁殖能力に疑問符が付きかねないわけですので今年2014年の暮れエサクバクに出産があるかどうかは大きなポイントだと思われます。 イレの最近の様子を別の映像で見てみましょう。



さらに、下は最近のエサクバクの様子です。



エサクバクの方は実に堂々としています。

(資料)
ICI Radio Canada (Jul.13 2014 - Métier : dresseuse d'ours)

(過去関連投稿)
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(2) ~ ホッキョクグマの訓練をどう考えるか
カナダでの飼育下期待の星、イヌクシュクの物語
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、展示場に復帰 ~ 本命の意外な失望結果
カナダ・ケベック州 サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアへの大きな期待
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、早々と出産準備のための別区画に移る
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(10) ~ 出産に備えた雌の「隔離」とは?
カナダ・ケペック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクの産室内の姿が公開 ~ スタッフの余裕
カナダ・サンフェリシアン原生動物園の産室内のエサクバク ~ ” Bonne nuit belle Aisaqvak !”
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバク、「本命」の2年続きの失望結果
カナダ・ケベック州、サンフェリシアン原生動物園のエサクバクとイレのペアの繁殖への挑戦
by polarbearmaniac | 2014-08-12 01:00 | Polarbearology

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