街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシアでのホッキョクグマ生息数未調査地域で研究者チームが本格的に生態・生息数調査を開始する

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アンデルマ (2013年10月1日撮影 於 ロシア・ペルミ動物園)

世界で生息しているホッキョクグマはいったい何頭なのかについて推定数は存在していますが、それは精度の高い確定的な数字とは言えません。 国家、政府機関、NGOなどを会員とする国際的な自然保護機関である「国際自然保護連合」 (International Union for Conservation of Nature and Natural Resources - IUCN) の「種の保存委員会」(Species Survival Commission - SSC) の「ホッキョクグマ専門家グループ」 (IUCN/SSC Polar Bear Specialist Group) が報告をまとめており、お馴染みの Polar Bears International も自らの見解をそのIUCN/SSC の報告に準拠していますのでその数字を挙げておきます。 それは約25,000頭という数字です。 同グループはホッキョクグマの生息地を19の地域に分類し、そのうち14の地域について科学的調査がなされ、ある程度の精度での頭数を挙げていますが、それらを合計すると18,349 頭という数になるようです。 その数字に、残るまだ科学的調査の行われていない5つの地域における頭数の推定値を加えて2013年の段階で約25,000頭という数字を世界のホッキョクグマの生息数の推定値としているわけです。 これはホッキョクグマの生息数としては現時点で世界的に最も「公式的」で authentic な推定値となっているわけです。
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さて、この頭数について科学的調査の行われていない5つの地域のうち、チュクチ海カラ海ラプテフ海はロシア領または領海地域であるわけで、チュクチ海についてはアラスカも入っていますのでアメリカのデータは収集できているもののその他のロシア領海部分について、さらにそしてカラ海、ラプテフ海の地域については未だ調査が全く行われていないという状況でした。 実は昨年12月にモスクワで「ホッキョクグマ保護国際フォーラム」が開催され、その件については「モスクワで『ホッキョクグマ保護国際フォーラム』が開催 ~ 保護協定締結40周年と今後の行動方針に向けて」という投稿を行っていますのでそれをご参照いただきたいのですが、この会議の席上でロシアのロシア天然資源・環境省 (Министерство природных ресурсов и экологии Российской Федерации) のセルゲイ・ドンスコイ大臣がロシアにおけるホッキョクグマの本格的な生息調査を行うことが表明されたわけです。、ロシア政府はプーチン大統領の肝入りもあって、今まで調査が行われていなかった地域にさらにバレンツ海を加えて4つの地域に研究者チームからなる正式な調査隊を組織・派遣してホッキョクグマの生息数を5年以内に調査し終える予定ということで、今年の夏からすでにこの調査が本格化しています。 ロシアの研究者はこの地域に約5,000~7,000頭のホッキョクグマが生息していると今まで推測しているわけですが、初めて科学的な調査が入ることによって生息数調査がなされ、もっと精度の高い数字が出てくることが期待されます。 さらに、血液のサンプル採取や行動調査などの本格的な生態研究調査も同時に行われるそうです。

実はこういったロシアの研究者チームの調査隊が今年になってホッキョクグマの調査を行い始めてから現地で出会ったホッキョクグマのエピソード、その他がいくつかの興味深い出来事がすでにロシアで報道されていますので、それらを少しずつご紹介していきたいとも思っています。 それから、ロシアにおける野生のホッキョクグマを取り巻く状況についてロイター通信の映像をご紹介しておきます。 登場しているのはつい先日ご紹介したウランゲリ島におけるドキュメンタリー作品にも登場していましたニキータ・オヴシャニコフ氏です。



やはりかなり厳しい状況のようです。

(資料)
IUCN/SSC Polar Bear Specialist Group
(The official website for the Polar Bear Specialist Group of the IUCN Species Survival Commission) 
(PBSG global population estimates explained)
(Global polar bear population estimates)
(Summary of polar bear population status per 2013)
(The status table) (PDF 114.5 kB)
Polar Bears International
(Polar Bear Status Report)
(Are polar bear populations increasing: in fact, booming ?)
U.S. Geological Survey (USGS)
(Polar Bear Research)
(New Polar Bear Finding)
ИТАР-ТАСС (Dec.4 2013 - В России после 2018 года проведут сплошной учет белых медведей)
ИТАР-ТАСС (Aug.6 2014 - Ученые в русской Арктике ищут новую популяцию белых медведей)

(過去関連投稿)
モスクワで「ホッキョクグマ保護国際フォーラム」が開催 ~ 保護協定締結40周年と今後の行動方針に向けて
by polarbearmaniac | 2014-08-13 06:00 | Polarbearology

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