街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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1985年12月に札幌・円山動物園で生まれ南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園に暮らしていたポロが死亡

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ポロ  Photo(C)Tracy Lee Stark/The Citizen 

大変に悲しいニュースが入ってきました。 1985年12月21日に札幌・円山動物園で生まれ、その後に南アフリカのヨハネスブルグ動物園に移動したポロ (現地名 ワン - Wang) が肝臓の症状の悪化と心臓疾患、そして慢性関節炎の悪化により、本日8月13日水曜日の現地時間午前11時49分に安楽死の執行が決定となり、そしてポロが亡くなったことをヨハネスブルグ動物園が公式に明らかにしました。 享年28歳。 このポロの担当飼育員さんは、「まるで家族を失ったような悲しみです。 彼の病状が悪化していくのを見るのは本当に胸が張り裂けるほどでした。」 と語っています。 札幌・円山動物園時代のポロの姿を、かつて同園に勤務していらっしゃった樋泉さんの書かれたブログのページの写真でご覧ください。 そしてこのポロが幼年期はシロお母さんから引き離されて単独展示だった経緯については「南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロの不幸な幼年時代 ~ シロお母さん、そして栄子さんの時代」という投稿をご参照下さい。 今年に入ってから1月にポロはパートナーに先立たれて非常に落胆した様子が報じられ、そしてポロの健康状態では彼もそう長くは生きられないだろうと伝えられていましたので私もある程度の覚悟はしていたわけですが、やはりこうして亡くなったニュースに接しますと、何かぽっかりと心に穴が開いてしまったような気持ちになってしまいます。 
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ポロ  Photo(C)Tracy Lee Stark/The Citizen 

このポロは当時はライオンとの交換プログラムで1986年の12月に札幌から南アフリカに旅立ったわけですが、当時はともかくとして現在ならば非常に不釣り合いの交換だったでしょう。 現在では、その注目度や地球環境に対するメッセージ性を含めた大型動物のある種の「展示価値」という点に関するならば「百獣の王」といえどもホッキョクグマには全く歯が立ちません。 近年は世界的にそういう状況であることを否定するのは難しいでしょう。

一度すでにご紹介していましたが、再び今年に入ってからのポロの姿を見てみましょう。 最初の映像で登場している女性がポロの担当飼育員さんです。 二つ目の映像に映っているのは獣医さんです。





私はなんとか年内の早い時期に彼に会いに行こうと思っていたわけですが、とうとうそれは果たせませんでした。 生まれた場所を遠く離れた異国の地でのポロの死に謹んで心より哀悼の意を捧げます。 札幌から遠く離れた南アフリカへの移動はさぞかし大変だったろうと思いますし、長い移動途中でのポロの不安を思うと本当に気の毒なことだったと思います。 本当に長いことご苦労様でした。 安らかに眠ってください,,,



こうしてとうとう、アフリカ大陸にはホッキョクグマはいなくなってしまったというわけです。

(*追記 - ポロの死を伝えるニュース映像がアップされましたので下にご紹介しておきます。)


(資料)
Johannesburg Zoo (Aug.13 2014 - Joburg Zoo bids farewell to Wang, Africa's last polar bear)
The Citizen (Aug.13 2014 - Africa's last polar bear dies: Johannesburg Zoo)
eNCA (Aug.13 2014 - Joburg zoo mourns the loss of last polar bear in Africa)
Sowetan (Aug.13 2014 - Africa's last polar bear dies: Johannesburg Zoo)
U.S. News & World Report (Aug.13 2014 - Johannesburg zoo puts down 28-year-old polar bear suffering from liver and heart failure)
The Johannesburg Zoo (Facebook - Joburg Zoo distraught on the death of Wang, Africa’s last polar bear)

(過去関連投稿)
1985年に札幌で生まれたホッキョクグマの消息
南アフリカで今も元気に暮らす札幌生まれのホッキョクグマ
1985年札幌・円山動物園生まれのポロの南アフリカでの近況 ~ 樋泉さんのブログの記録的価値
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のギービー逝く ~ 円山動物園生まれのポロ(ワン)のパートナーの死
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロ (札幌・円山動物園生まれ)、パートナーの死への悲嘆
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロ (札幌・円山動物園生まれ) にバレンタインデーのプレゼント
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロ (札幌・円山動物園生まれ) の近況 ~ 単独展示だった幼少期
南アフリカ・ヨハネスブルグ動物園のポロの不幸な幼年時代 ~ シロお母さん、そして栄子さんの時代
by polarbearmaniac | 2014-08-13 21:30 | Polarbearology

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