街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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夏の日曜日の昼下がりのジャンブイ、再び彼の出自の謎を考える ~ 彼は果たして豪太の伯父なのか?

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やあジャンブイ、久し振りですね!  本来から言えば彼は今日は出番の日ではないのだが「夜の動物園」があるために彼は午後から登場しているのである。
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さて、私は最近野生出身個体の出自に非常に関心を持っている。 このジャンブイはロシアでの野生出身個体である。 以前、データを参照しながら彼の出自を考えた時の私の推論は「ジャンブイの素顔 ~ 彼の出自の謎を追う」で述べた通りであり私の意見はその時から変わっていない。
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すなわち推論的には彼はロシア極北のタイミール半島付近で発見され、その時は双子で保護されたのではないかということである。 そうだとすると問題はその双子のもう一方がどの個体であるかということである。 私はこのジャンブイと双子だったもう一頭の個体はモスクワ動物園で飼育されていた故ウムカ(ウンタイ)ではないだろうかと考えている。 そう考える理由は「ジャンブイの素顔 ~ 彼の出自の謎を追う」で述べた通りである。
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今日こうしてジャンブイをずっと見ていたが、ますますモスクワ動物園の故ウムカ(ウンタイ)に似て見えてきてしまう。 大変に残念なことにウムカ(ウンタイ)は死亡してしまい、もうモスクワでは会えないということである。 もう少しウムカのちゃんとした写真を何枚も撮っておくべきだった。 残念である。
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このジャンブイの鼻にある傷は一説によると彼がノヴォシビルスク動物園で飼育されていた時に別の個体と闘争になって付けられた傷であると言われているようだ。 しかし私はそうではないと思っている。 この傷は彼が野生孤児の時に犬に襲われて付けられた傷だろうと思っている。 
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ロシア・エカテリンブルク動物園で飼育されている雄のウムカの顔にも傷があるが、それも同様である。 この件については「ロシア・西シベリア、エカテリンブルク動物園での『ウムカの日』 ~ 九死に一生を得た孤児ウムカの物語」 をご参照いただきたい。 野生孤児個体はどれもこれも非常に過酷な体験をしている。 このジャンブイもその例外ではないはずである。
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話をジャンブイに戻す。 実はズーラシアの担当飼育員さんがたまたまいらっしゃったので私はスマートフォンの画面にモスクワ動物園の故ウムカ(ウンタイ)の写真を映し出して何枚か見ていただいた。 その飼育員さんは実に驚くべきことに私がお見せした写真を最初はジャンブイの写真だと勘違いした御様子である。 そして私が飼育員さんに写真を見ていただいた理由を話したところ、その飼育員さんは顔の額のあたりから鼻のあたりまで故ウムカ(ウンタイ)はまさしくジャンブイにそっくりであるという御意見だった。 やはりジャンブイが非常に故ウムカ(ウンタイ)と似ているという印象は私だけの印象ではないことがわかった。 これは今日の収穫だった。 念のためにここで繰り返しておくが、故ウムカ(ウンタイ)とジャンブイが実は双子の兄弟であるという考え方はその証明が困難な話であって依然として憶測の域に留まっている仮説であることをご理解いただきたい。
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このジャンブイを見ていると、やはりロシアのホッキョクグマという雰囲気がプンプンしてくる。 そもそもカナダの野生個体もロシアの野生個体もホッキョクグマという同じ種だから違いなどあるはずがないのだが、それでも私は体験的にカナダ出身の個体とロシア出身の個体は雰囲気がかなり違うと思っている。 ロシア出身の個体はどこか泥臭いのである。 その泥臭さがたまらない。 
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ジャンブイはまさにロシアのホッキョクグマである。 札幌のデナリにはこうした泥臭さはない。 デナリはロシア臭を全く感じさせない実はあれでも非常にスマートなホッキョクグマなのである。
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以前にも書いているが日本のホッキョクグマ界はこのジャンブイ(ロシア出身)と名古屋のサスカッチ(カナダ出身)という二頭の野生出身個体を繁殖に生かし切れていないのが問題だろうということである。 旭川のイワンがどうとかこうとかなどといった一時期いろいろ言われた話はそれに比べればまだマイナーな問題である。
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このジャンブイのパートナー、この先も本当にバリーバでよいかとなると私はそうは思わない。 私はイチかバチかツヨシと組ませてみてはどうかと考えるのである。

スイカを食べるジャンブイ

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このジャンブイ、非常に食べ方が紳士的である。 決してガツガツしない。 このジャンブイに比べればマルルやポロロのほうがよほどガツガツ食べるのである。
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彼は控えめで紳士的なホッキョクグマである。 非常に好感が持てるのである。 
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世界の飼育下ではこういった性格の雄のホッキョクグマのほうが繁殖に向いているという傾向が見て取れる。
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なんとか彼に一肌脱いでもらいたいところである。 彼は本当に素晴らしい男なのである。
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Nikon D5300
AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR
(Aug.24 2014 @よこはま動物園 ズーラシア)

(過去関連投稿)
ジャンブイの素顔 ~ 彼の出自の謎を追う
モスクワ動物園のムルマ(4) ~ 危機の克服、そして豪太の誕生
ウムカ (男鹿水族館・豪太の父)、悠々の水遊び
モスクワ動物園のウムカ (ウンタイ – 男鹿水族館・豪太の父) 闘病生活の後、すでに死亡の模様
ロシア・西シベリア、エカテリンブルク動物園での 「ウムカの日」 ~ 九死に一生を得た孤児ウムカの物語
by polarbearmaniac | 2014-08-24 23:30 | しろくま紀行

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