街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ホッキョクグマが雪上に残した足跡からDNAの抽出に成功 ~ 生態調査に貢献する新技術の開発

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ホクト (2013年1月26日撮影 於 鹿児島・平川動物公園)

なかなか興味深い技術が開発されたようです。 報道によりますとフランスとノルウェーの科学者チーム及びWWF がノルウェーのスヴァールバル諸島で雪の上に残されたホッキョクグマの足跡からDNAを抽出することに成功したとのことです。 フランスのスピジャン (Spygen) 社はDNAの抽出・解析の技術を開発している会社ですが、このたび同社の技術者を含むフランスとノルウェーの科学者のチームは首に発信機を備えたホッキョクグマの居場所付近にある雪の上のホッキョクグマの足跡の部分の雪を採取し、それを溶解させてフィルターにかけることによって得られた僅かな残存物からホッキョクグマのDNAの抽出に成功したそうです。 その採取と保存の過程を映像でご覧下さい。





現時点ではまだ開発途上の技術だったわけでホッキョクグマという種のDNA解析に成功したという段階ではあるものの、来年にもホッキョクグマの個体識別まで可能となるDNA抽出と解析が可能となるだろうと科学者チームは話しています。 そうなればさらにホッキョクグマの性別、血統、集団構成、生息地域の範囲、食生活などについても明らかにすることが可能となり、頭数変化をモニターすることにも役立つだろうとホッキョクグマの研究者として著名であるカナダ・アルバータ大学のアンドリュー・ドローシェー教授も語っています。
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Photo(C)Tom Arnbom / WWF

先日も書きましたが現在におけるホッキョクグマの生態調査には "Capturing-and-Tagging 法" や "Aerial survey 法" が用いられているわけで、前者についてはホッキョクグマと実際に接触するなど人間にとってもホッキョクグマにとっても負担の大きい方法であり、後者も非常に費用がかかるという難点があったわけですが今回成功した方法では、そういった既存のやり方の障害となっているものがほぼ解消される可能性が高く非常に有望視できるホッキョクグマの生態調査方法であると科学者のチームは語っています。

(資料)
CBC (Sep.2 2014 - Polar bear footprints in snow offer DNA for scientists to study)
Scientific American (Sep.2 2014 - Polar Bear DNA Found from Tracks in Snow in Conservation Step)
Phys.org (Sep.2 2014 - Arctic expedition pioneers technique for polar bear research)
The Guardian (Sep.2 2014 - Polar bear DNA from footprints in Arctic snow reveal bloody killing of seal)
Sciences et Avenir (Sep.3 2014 - Suivre l'ours polaire à la trace, grâce à son ADN)

(過去関連投稿)
ホッキョクグマの生態・生息数調査に衛星画像利用の試みがなされる ~ 果たして本当に有効か?
by polarbearmaniac | 2014-09-04 01:00 | Polarbearology

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