街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークで保護・飼育されている雌の野生孤児スネジンカの姿

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野生孤児スネジンカ Photo(C)Комсомольская правда

すでにご紹介していましたが、7月下旬にロシア極北・アルハンゲリスク州のノーヴァヤ・ゼムリャー島で発見・保護された推定生後7ヶ月の野生孤児の双子のうち雄のバルーはイジェフスク動物園での飼育が決まり先日私がイジェフスクで会ってきたばかりですが、もう一頭の雌については黒海沿岸ゲレンジークのサファリパークで飼育されることになったことは報じられていたものの、この雌の幼年個体についてはその後の近況が報じられることはなかったわけでした。 ところが昨日付のコムソモリスカヤプラウダ紙がとうとうこのゲレンジーク・サファリパークの雌の幼年個体の存在とその姿を報じましたのでご紹介しておきます。

スネジンカという名前で呼ばれているこの雌の幼年個体は現在でこそ丸々としているものの一か月前にサファリパークに運ばれた時点ではスネジンカは痩せていて体に傷もあったそうです。 スネジンカとバルーが一緒に孤児として保護された時には体がやや大きい雄のバルーは雌のスネジンカを噛んだり食べ物を奪ったりなど常に攻撃的な態度を示していたそうで、こういう状態ではこの双子をこれ以上一緒にしておくことは難しいという判断がなされ、連邦政府の自然管理局 (RPN - Федеральная служба по надзору в сфере природопользования) はこの双子を別の場所で保護・飼育することを決定したようです。 野生孤児の双子をこういった早い段階で別々に引き離したのはそういう理由だったというわけですね。 その結果としてバルーはイジェフスク動物園へ、そしてスネジンカはゲレンジークのサファリパークが保護・飼育先として指定されたということだそうです。

スネジンカは極北という地から気候環境の全く異なる黒海沿岸のゲレンジークに移動したわけですが、彼女は今まで泳いだ経験があったとは思えないものの、このサファリパークでは泳ぎを生まれながら習得していたかのようにおもちゃをプールに投げてはそれを取に行くという遊びを行っているそうです。 彼女はリンゴと梨が好物になっているそうです。 このサファリパークでのスネジンカの様子については冒頭の写真をワンクリックしていただいて開いたページでの下の方で動画をご覧ください。 実に可愛い雌の幼年個体です。 このサファリパークにはすでに雄のセードフ司令官とサーカス出身の雌のラパが飼育されているわけですが、当然のことながらこのスネジンカは別飼育となっているそうです。

さて、こうして野生孤児の雌のスネジンカという貴重な個体がロシアの飼育下のホッキョクグマに加わったわけです。 今後のロシアにおける飼育下の繁殖を考えれば血統の多様性の維持を図るには実に都合がよいと言えるわけですが、それはあくまでスネジンカが野生下で被った大きな不幸によってもたらされたものであるという点は決して忘れてはならない事実でしょう。

(資料)
Комсомольская правда (Sep.22 2014 - В геленджикском Сафари-парке удочерили медвежонка-сироту)

(過去関連投稿)
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島でホッキョクグマの双子の孤児が保護 ~ 一頭がイジェフスク動物園へ
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で保護された野生孤児バルー、そのイジェフスク動物園での映像
ロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園で野生孤児バルーの一般への公開が行われる
by polarbearmaniac | 2014-09-23 18:00 | Polarbearology

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