人気ブログランキング | 話題のタグを見る


街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークで保護・飼育されている雌の野生孤児スネジンカの姿

ロシア・黒海沿岸、ゲレンジークのサファリパークで保護・飼育されている雌の野生孤児スネジンカの姿_a0151913_13332265.jpg
野生孤児スネジンカ Photo(C)Комсомольская правда

すでにご紹介していましたが、7月下旬にロシア極北・アルハンゲリスク州のノーヴァヤ・ゼムリャー島で発見・保護された推定生後7ヶ月の野生孤児の双子のうち雄のバルーはイジェフスク動物園での飼育が決まり先日私がイジェフスクで会ってきたばかりですが、もう一頭の雌については黒海沿岸ゲレンジークのサファリパークで飼育されることになったことは報じられていたものの、この雌の幼年個体についてはその後の近況が報じられることはなかったわけでした。 ところが昨日付のコムソモリスカヤプラウダ紙がとうとうこのゲレンジーク・サファリパークの雌の幼年個体の存在とその姿を報じましたのでご紹介しておきます。

スネジンカという名前で呼ばれているこの雌の幼年個体は現在でこそ丸々としているものの一か月前にサファリパークに運ばれた時点ではスネジンカは痩せていて体に傷もあったそうです。 スネジンカとバルーが一緒に孤児として保護された時には体がやや大きい雄のバルーは雌のスネジンカを噛んだり食べ物を奪ったりなど常に攻撃的な態度を示していたそうで、こういう状態ではこの双子をこれ以上一緒にしておくことは難しいという判断がなされ、連邦政府の自然管理局 (RPN - Федеральная служба по надзору в сфере природопользования) はこの双子を別の場所で保護・飼育することを決定したようです。 野生孤児の双子をこういった早い段階で別々に引き離したのはそういう理由だったというわけですね。 その結果としてバルーはイジェフスク動物園へ、そしてスネジンカはゲレンジークのサファリパークが保護・飼育先として指定されたということだそうです。

スネジンカは極北という地から気候環境の全く異なる黒海沿岸のゲレンジークに移動したわけですが、彼女は今まで泳いだ経験があったとは思えないものの、このサファリパークでは泳ぎを生まれながら習得していたかのようにおもちゃをプールに投げてはそれを取に行くという遊びを行っているそうです。 彼女はリンゴと梨が好物になっているそうです。 このサファリパークでのスネジンカの様子については冒頭の写真をワンクリックしていただいて開いたページでの下の方で動画をご覧ください。 実に可愛い雌の幼年個体です。 このサファリパークにはすでに雄のセードフ司令官とサーカス出身の雌のラパが飼育されているわけですが、当然のことながらこのスネジンカは別飼育となっているそうです。

さて、こうして野生孤児の雌のスネジンカという貴重な個体がロシアの飼育下のホッキョクグマに加わったわけです。 今後のロシアにおける飼育下の繁殖を考えれば血統の多様性の維持を図るには実に都合がよいと言えるわけですが、それはあくまでスネジンカが野生下で被った大きな不幸によってもたらされたものであるという点は決して忘れてはならない事実でしょう。

(資料)
Комсомольская правда (Sep.22 2014 - В геленджикском Сафари-парке удочерили медвежонка-сироту)

(過去関連投稿)
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島でホッキョクグマの双子の孤児が保護 ~ 一頭がイジェフスク動物園へ
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で保護された野生孤児バルー、そのイジェフスク動物園での映像
ロシア連邦・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園で野生孤児バルーの一般への公開が行われる
by polarbearmaniac | 2014-09-23 18:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
飼育・繁殖記録
街角にて
未分類

最新の記事

........and so..
at 2023-03-27 06:00
モスクワ動物園のディクソン(..
at 2023-03-26 03:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-25 02:00
ロシア・西シベリア、ボリシェ..
at 2023-03-24 02:00
鹿児島・平川動物公園でライト..
at 2023-03-23 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-22 03:00
名古屋・東山動植物園でフブキ..
at 2023-03-21 01:00
ロシア・ノヴォシビルスク動物..
at 2023-03-20 02:00
モスクワ動物園のディクソン ..
at 2023-03-18 22:20
ロシア・サンクトペテルブルク..
at 2023-03-18 03:00

以前の記事

2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索