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オランダ・ヌエネン、「動物帝国」での父親同居の試みのその後 ~ 無視され孤立してしまった父親ヘンク

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フリーマスお母さんと雄のピセルと雌のノルチェの双子
Photo(C)Dierenrijk

オランダ・ヌエネンの「動物帝国 (Dierenrijk)」 で一昨年2012年の11月16日にフリーマスお母さんから誕生した雄のピセル (Pixel) と雌のノルチェ (Noordje) の双子ですが、この親子にさらに父親のヘンク(8歳)を加えた完全な親子同居が実現したことを9月に投稿しています(「オランダ・ヌエネン、『動物帝国』でのフリーマス親子を含む6頭同居の壮観さ ~ 柔軟な飼育方針の成果」)。 実はこの「動物帝国」での父親を加えて完全な親子同居はその他にこの親子と血の繋がりのない別の2頭(27歳の雌のベヤと32歳の雄のウォッシュ)もさらに加わった6頭の同居であるわけで、このことはいわゆるホッキョクグマ界では「禁じ手」となっている純粋な父親同居とはかなり違う意味合いを持っているわけです。 同居といっても合計6頭ですから単純な父親同居という緊張関係のはらんだ意味合いは薄れてくるわけで、逆にそこに緊張関係が希薄となる条件がそろってくるわけです。

前回の投稿以降の時期でこの6頭同居の様子を別の映像で見てみましょう。 27分間近いかなり長い映像でうまく編集されているためか、状況の推移がややわからない点もあるのですが、まず最初のほうではピセルとノルチェの双子は体の大きな父親のヘンクに警戒気味です。 しかし全体的には父親であるヘンクは誰にも相手にしてもらえず一頭で孤立気味であることがわかります。 つまり、フリーマスお母さんは雄であり自分のパートナーであるヘンクなど相手にしないという態度であるわけで、なかなか神経の太いところを見せています。やはり父親同居の成功のカギは父親の性格以上に母親の態度が問題であることをこの映像は物語っているように思います。



もう間もなく2歳になるピセルとノルチェは本当に体が大きくなりました。 見方によってはフリーマスお母さんと体の大きさが変わらないようにすら見えます。 ただしかし、映像の最後の方でまだ授乳シーンが見られます。まだ完全な「離乳期 (Weaning period)」には至っていないわけですね。 この件について詳しくは「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか」という投稿をご参照下さい。

さて、ミュンヘンのヘラブルン動物園の雄のヨギの健康が回復したことにより、ヘラブルン動物園では父親同居に向けてその準備を進めようとしているようです。このヘラブルン動物園の試みについてはまた稿を改めたいと思います。

(過去関連投稿)
オランダ・ヌエネンの「動物帝国」でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 成功した大陸間の個体交換
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オランダ・ヌエネン、「動物帝国」の双子のピセルとノルチェ、競い合う雄と雌の双子の緊張感
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」 のピセルとノルチェの満一歳のお誕生会 ~ フリーマスお母さんの母性
オランダ・ヌエネン、「動物帝国」でのフリーマス親子を含む6頭同居の壮観さ ~ 柔軟な飼育方針の成果
「ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(11) ~ 母子をいつ引き離すか
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by polarbearmaniac | 2014-10-23 23:45 | Polarbearology

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