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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で双子孤児のうち生存したウムカがまた成獣に襲われ重傷で治療中

ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で双子孤児のうち生存したウムカがまた成獣に襲われ重傷で治療中_a0151913_20174592.jpg
エリカとウムカの双子孤児
Photo(C)Северное Управление по гидрометеорологии и мониторингу окружающей среды

ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島のマーリェ・カルマクルィの気象観測基地で先月に保護された、まだ一歳にならないと推定されるホッキョクグマの野生の双子孤児(ウムカとエリカ)のうち雌のエリカが成獣の雄のホッキョクグマにかみ殺され、犬が加勢したために救われて生き残った雄のウムカについて連邦政府の自然管理局 (RPN) はこのウムカを保護・飼育する場所としてゲレンジークのサファリパークを指定したところまで投稿していました(過去関連投稿参照)。 さて、ここで重大なニュースが入ってきました。 このゲレンジークのサファリパークのスタッフが昨日アルハンゲリスクから現地のマーリェ・カルマクルィ入りする直前に、この生き残っていた雄のウムカはまた現れた成獣のホッキョクグマに襲われて死亡してしまったとイタル・タス通信が報道しました。 ところがそれから約2時間後の最新の同通信の報道ではこのウムカはケガをしているものの何とか生きていて、到着したサファリパークのスタッフの獣医さんから治療を受けているそうです。 私はこの気象観測基地は囲いを設けたり室内に入れたりしてウムカを保護しているものとばかり思っていましたが、実はそうではなかったようです。 このあたりの状態については報道の内容は非常に不明確だったわけです。(*追記 - 実は本投稿は最初のイタルタス通信の報道に沿って 「ウムカも死亡した」 という内容でアップしたのですが、それから数分後にウムカの生存を伝えるイタル・タス通信の最新の報道が入りましたので、それに従って本投稿は内容を大きく訂正したものです。)

実はこのゲレンジークのサファリパークが現地入りするための航空機に軍の支援を依頼して最初は断られたり、またそれが確保されたものの今度は飛行許可が下りなかったり、そして次には悪天候でアルハンゲリスクからノーヴァヤ・ゼムリャー島までの飛行が延期になったりと、いろいろなニュースがあったわけですが、私はウムカは安全な場所に入れられているとばかり思っていましたので安心していたわけです。獣医さんはこのウムカを至急ゲレンジークのサファリパークに運び、そして設備の整った同施設内の治療所に輸送すべく準備中だそうです。 天候次第といったことのようです。 ウムカにはなんとか生き延びていてほしいと思います。

昨年ペルミ動物園が野生孤児でケガをしていたセリクを極北のベルイ島からペルミ動物園に迅速に動かせたのはその地区の行政のトップの方の大きな力があったわけであり、連邦政府の自然管理局 (RPN - Федеральная служба по надзору в сфере природопользования)) もそれによって迅速な決定を下したわけです。 ところが今回はこのマーリェ・カルマクルィの気象観測基地は野生孤児の保護について話をノーヴァヤ・ゼムリャー島の自然管理局の出張所ではなく、ロシア極地国立公園 (Национальный парк "Русская Арктика") の管理当局に相談してしまったわけで、ここで初動の段階で間違えてしまったわけです。 私はその時に「大丈夫かな?」という不安も感じたわけですが、結局はスケジュールがいろいろな手続きによって遅れてしまい、その間にこのエリカの貴重な命が失われ、そしてウムカもこうした大変な目に会っててしまったということです。 本当に気の毒な双子兄妹です。  自然界ではこうして命を奪われる幼年個体はよくあることとはいえ、今回の件は人間が保護の手を差し伸べていたわけですから、こういうことはあってはならないわけです。 それにしてもウムカのケガが本当に心配です。

(資料)
ИТАР-ТАСС (Oct.30 2014 - Сотрудники зоопарка Геленджика отправились за спасенным полярниками медвежонком) (Nov.3 2014 - Сотрудники зоопарка Геленджика не могут вылететь на Новую Землю за медвежонкм-сиротой) (Nov.2 2014 - Сотрудникам зоопарка Геленджика разрешили забрать медвежонка-сироту с Новой Земли) (Nov.4 2014 - Вылет сотрудников зоопарка Геленджика на Новую Землю для эвакуации медвежонка отложен)
ИТАР-ТАСС (Nov.11 2014 - Медвежонка-сироту, жившего возле полярной станции на Новой Земле, убила взрослая медведица)
Mail.Ru (Nov.11 2014 - Медвежонка-сироту, жившего возле полярной станции на Новой Земле, убила взрослая медведица)
ИТАР-ТАСС (Nov.11 2014 - Сотрудники сафари-парка спасли раненного взрослой медведицей на Новой Земле медвежонка)

(過去関連投稿)
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島のマーリェ・カルマクルィで野生孤児の双子が保護される
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で保護されたウムカとエリカの野生双子孤児が行方不明となる
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で一時保護された双子孤児のうち一頭が雄の成獣に襲われ殺される
ロシア極北ノーヴァヤ・ゼムリャー島で生き残った一頭の孤児はゲレンジークのサファリパークで飼育が決定
by polarbearmaniac | 2014-11-06 20:00 | Polarbearology

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