街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ボン条約 (CMS -移動性野生動物種保護に関する条約) の第11回会議閉幕 ~ ホッキョクグマがCMS付属書Ⅱへ

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ポーラ (2012年7月28日撮影 於 仙台市・八木山動物公園)

以前、「ホッキョクグマの生息数評価をめぐる 『主流派』 と 『反主流派』 の主張の対立 ~ 過去、現在、未来..」という投稿でもご紹介していましたが、11月4日から9日まで南米エクアドルの首都キトで国連総会の補助機関である国際連合環境計画 (UNEP - United Nations Environment Programme)が所管する「ボン条約」 (CMS - Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals : 移動性の野生動物種の保護に関する条約)」 の第11回「締結国会議」(COP11 - The Eleventh Meeting of the Conference of the Parties ) が開催され日曜日に閉幕となりました。 そして9日付けでその討議の結果について事務局よりプレスリリースがありました。 ホッキョクグマについては以前もご紹介していました通りノルウェー政府がホッキョクグマを「ボン条約 (CMS)」 の付属書Ⅱに入れる提案を行ったわけですが、これが大多数のCMS締結国の賛同を得て委員会の推薦によって国連総会本会議 (Plenary) での採択へと付託されることとなり、事実上ホッキョクグマのCMS附属書Ⅱへの移行がほぼ決定したと言ってよいでしょう。 これを伝える IFAW (国際動物福祉基金 - International Fund for Animal Welfare) の映像をご紹介しておきます。



ホッキョクグマを「ボン条約(CMS)」 の附属書Ⅱに入れるということは、これは国際協定の対象となる 「地域協定対象種」 となるわけで、各国はその保護協定を締結してホッキョクグマの保護を行う義務を負うこととなるわけです。 これについてはその詳しい内容をおいおい考えていきたいと思っています。 いずれにせよ、イヌイットの主張に理解を示して狩猟枠などを認めてきたカナダ政府は、今後は多国間による国際的なホッキョクグマ保護の協定交渉に向き合わざるを得なくなることは必至の情勢でしょう。  イヌイットは、既存のホッキョクグマ保護の政策で十分でありホッキョクグマを「ボン条約(CMS)」の付属書Ⅱに入れる必要はないと主張してこの会議の行われているエクアドルのキトに代表団を送り込んだわけですが、会議の大勢には逆らえなかったようです。
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ポーラ (2012年7月28日撮影 於 仙台市・八木山動物公園)

この国際的なホッキョクグマ保護の問題についてはこれからも積極的に投稿していきたいと思っています。 今回はとりあえず「ボン条約」の締結国会議の結果についてだけご紹介しておくにとどめます。

(資料)
The Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals
(Press Release/Nov.9 2014 - Polar Bear, Cuvier's Beaked Whale, Hammerhead Shark and Reef Manta Ray among Migratory Species Benefiting from Greater International Protection.) 
(News/Nov.6 2014 - Polar Bear – One Step Closer to Listing Under CMS) 
(Appendices I and II of the Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals - CMS) 
(LISTING OF CMS APPENDIX II SPECIES)
United Nations Environment Programme
(News/Nov.10 2014 - Governments Commit to Step up Action for Migratory Animals at UN Wildlife Conference)
ABC News (Nov.10 2014 - Polar bears, sharks and other migratory species granted UN protection)
The Guardian (Nov.10 2014 - Governments agree new protections for polar bears)
Nunatsiaq News (Nov.10 2014 - Inuit groups decry conservation listing proposal for polar bears)

(過去関連投稿)
カナダ北部、ヌナブト準州の村落近くでホッキョクグマ親子3頭が射殺される ~ 経験と科学の相克
ワシントン条約(CITES)第16回締結国会議とホッキョクグマの保護について ~ 賛成できぬWWFの見解
餓死したホッキョクグマの写真を掲載した報道記事の波紋 ~ イアン・スターリング氏のコメントをめぐって
温暖化による海氷面積減少にも影響を受けず生息数が減らないチュクチ海地域のホッキョクグマたちの謎
カナダ北部・ヌナブト準州のアーヴィアト村落に現れるホッキョクグマたち
モスクワで「ホッキョクグマ保護国際フォーラム」が開催 ~ 保護協定締結40周年と今後の行動方針に向けて
ロシアでのホッキョクグマ生息数未調査地域で研究者チームが本格的に生態・生息数調査を開始する
ホッキョクグマの生息数評価をめぐる 「主流派」 と 「反主流派」 の主張の対立 ~ 過去、現在、未来..
by polarbearmaniac | 2014-11-11 01:30 | Polarbearology

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