街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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チェコ・ブルノ動物園の2歳になったばかりのナヌクが年内にウクライナのムィコラーイウ動物園ヘ

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コーラお母さんと2歳になったばかりのナヌク Photo(C)Zoo Brno

毎度のことですが何だか意図がよくわからぬスラヴ圏におけるホッキョクグマ移動のニュースが報じられています。 これは相当の洞察力が必要ですね。 状況を理解するためには下の過去関連投稿の(*移動・権利関係)と書かれた投稿の全ての内容をご理解いただかなくてはなりません。 要するに超マニア向きの内容ですのでよほど関心のある方以外は本投稿を無視してい下さい。 チェコのブルノ動物園の二歳になったばかりの雄のナヌクが年内にウクライナのムィコラーイウ動物園に移動することが確実となった報道が流れてきています。
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チェコ・ブルノ動物園で一昨年2012年11月24日にコーラお母さんから誕生した双子のコメタとナヌクのうち雌のコメタはすでに今年の4月にロシアのロストフ動物園に移動していますが、ブルノ動物園に残った雄のナヌクはずっとコーラお母さんと一種に暮らしてきました。 このナヌクには以前からウクライナのムィコラーイウ動物園へ移動するのではないかという話がありウクライナではそういった報道もすでになされていたわけです。 これについては 「チェコ・ブルノ動物園の双子の雄のナヌクがウクライナ・ムィコラーイウ動物園へ移動か?」 という投稿をご参照頂きたいのですが、このナヌクが本当にウクライナに移動するということがすでに以前に内定していたとすればその実際の移動はもっと早い時期になっていなければいけなかったわけです。 ウクライナの政情不安による混乱と移送のリスクいう要素はあったものの、そういった過去のニュースが流れてから半年もしてこうしてナヌクのウクライナへの年内の移動予定の報道がブルノの地元マスコミによって今回報じられたということは、この今回のスラヴ圏におけるホッキョクグマの繁殖計画を作成しているはずのEARAZA (Евроазиатская региональная ассоциация зоопарков и аквариумов / Еuro-Аsian Regional Аssociation of Zoos and Аquariums - ユーラシア地域動物園水族館協会)、そしてそれを牛耳っているモスクワ動物園が何か別のことを考えていたということを示しているように思います。 それが何かの理由でうまくいかなかったために振出しに戻ってナヌクは最初に報道されていたように、とりあえずのところはウクライナに移動させざるを得なくなったのだろうと考えます。 その背後には何らかの金銭問題が関係していることも間違いないでしょう。
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ナヌク Photo(C)Zoo Brno

モスクワ動物園がここ半年ほどの間に考えていたことが何なのかを窺い知ることは非常に難しいですね。 昨年11月24日にエストニアのタリン動物園で誕生した雌のノラですが、仮にノラが雄だったらその個体をウクライナに移動させようと考えたものの性別が雌だったためにそれを断念したと考えるのは一つの解釈としては成立すると思います。 ところがこのノラの父親であるノルドの権利はモスクワ動物園ではなくタリン動物園にあるようで、そうなるとノラの権利はタリン動物園にあることになり、そのためにタリン動物園は雌のノラをずっと同園で飼育し続けるという意向を示しているということなのでしょう。、それならば仮にノラが雄だった場合にモスクワ動物園がその個体をウクライナに移動させようという考え方には無理もあるかもしれません。 しかしそもそも、このノラの性別が判明したのは今年の3月末ですので、それから今までもう半年以上経過していますからモスクワ動物園はこの期間中にまた別のことを考えたであろうことも推察されますので、いよいよよくわからない状況です。

どうもブルノ動物園がコメタとナヌクの双子についてEAZAではなくEARAZA、つまりモスクワ動物園に話を持って行ったのはやはり失敗だったように思います。 今年の春のコメタの移動についても地元ファンの反発は大きく、そして今回も同じような反発の意見がSNSのページに書きこまれています。 「よりにもよって何故ウクライナに?」 というところです。 ブルノ動物園はそういった地元ファンに対して低姿勢で 「ご理解願います。」 と言い続けてきたわけですが、地元ファンはこの移動のスキームの背後にモスクワ動物園の存在があることを知らないようで、ブルノ動物園が単独で移動先を確保したと思っているようです。 今となってはモスクワからの指示に従うだけとなっているブルノ動物園に後悔の念があるのかどうかもわかりません。 ともかく、少しばかり事態の成り行きを見守ってみたいと思います。

(資料)
Blesk.cz (Nov.27 2014 - Ledního medvěda Nanuka čeká stěhování z Brna na Ukrajinu)
Týden.cz (Nov.27 2014 - Ledního medvěda Nanuka čeká stěhování z Brna na Ukrajinu)

(過去関連投稿)
(*以下、コメタとナヌク関係)
チェコ・ブルノ動物園がコーラの出産に園の浮沈をかける ~ 食害の瞬間を映した貴重な映像記録の公開
チェコ・ブルノ動物園のコーラの出産準備万端 ~ 出産・成育成功の条件は?
チェコ・ブルノ動物園のコーラに出産間近の兆候! ~ モスクワ動物園担当者の助言を求め万全の体制へ
チェコ・ブルノ動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ 24時間 産室内ライブ映像の配信開始
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、最初で最大の関門を乗り切るか? ~ 緊張のブルノ動物園
チェコ・ブルノ動物園の産室内ライブ映像に大きな反響 ~ 同動物園の映像配信サイトへのアクセス急増
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、元気に生後一週間が経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、順調に生後17日間が経過
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、順調に生後7週間目に突入
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、間もなく生後2ヶ月が経過へ
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんが生後2ヶ月を無事に経過 ~ 1976年の人工哺育事例について
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、元気に生後70日が経過
チェコ・ブルノ動物園のコーラお母さんに約4カ月振りに給餌が行われる
チェコ・ブルノ動物園で誕生した双子の赤ちゃん、生後三カ月が経過  ~ 前回5年前の映像を振り返る
チェコ・ブルノ動物園で双子の赤ちゃんの名前をインターネットで公募中
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃん、今週末から戸外へ ~ 日本のホッキョクグマ界との深い関係
チェコ・ブルノ動物園で誕生の双子の赤ちゃんがコーラお母さんと共に待望の戸外へ! ~ 性別への憶測
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃん危機一髪! ~ 水に溺れかかりコーラお母さんに救出される
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの性別判明 ~ 雄(オス)と雌(メス)!
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんが地元で大人気 ~ 週末は入園者が長蛇の列となる
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの名前が決定 ~ 「コメタ」 と 「ナヌク」
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃん、コメタとナヌクの命名式が盛大に行われる
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんの一頭のナヌクが消化不良で一時体調を崩す
チェコ・ブルノ動物園の双子の赤ちゃんのナヌクが右前脚を負傷 ~ ブルノ動物園の抱く思惑への憶測
チェコ ・ ブルノ動物園の双子の赤ちゃんコメタとナヌクは順調に間もなく生後7か月が経過へ
チェコ ・ ブルノ動物園で誕生の双子、コメタとナヌクが順調に生後8か月が経過
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの人気で入園者数は好調 ~ 双子は1頭の場合より常に魅力的か?
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの性別の異なる双子の性格と行動を探る
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの双子の淡々として着実な成長 ~ 雌雄の双子に生じた体格差
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの双子の一歳の誕生会が開催される ~ 注目すべき来春の移動先
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園に向けて出発 ~ 双子に遂に別れの日来る

*以下、移動・権利関係)
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で
モスクワ動物園のシモーナお母さんの三つ子の一頭の雌がウクライナ・ムィコラーイウ動物園に移動へ
ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 「ホッキョクグマ詐欺」事件の概要
モスクワ動物園のシモーナお母さんの三つ子の一頭の雌がウクライナ・ムィコラーイウ動物園に移動へ
ロシア南部・ロストフ動物園とウクライナ・キエフ動物園との間の紛争 ~ 「ホッキョクグマ詐欺」事件の概要
チェコ・ブルノ動物園のコメタがロシア・ロストフ動物園へ ~ ブルノ、モスクワ、ロストフの巧妙な三角関係
チェコ・ブルノ動物園の双子の雄のナヌクがウクライナ・ムィコラーイウ動物園へ移動か?
チェコ・ブルノ動物園のコメタのロシア・ロストフ動物園への移動が大幅に延期 ~ 複雑な背景を読み解く
チェコ・ブルノ動物園のコメタとナヌクの将来への不安 ~ 忍び寄るロシアとウクライナの紛争の暗い影
チェコ・ブルノ動物園のコメタが4月にロシア・ロストフ動物園へ ~ 表向きのニュースの裏側を探る
by polarbearmaniac | 2014-11-29 01:00 | Polarbearology

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