街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

プロフィールを見る

ドイツ・ニュルンベルク動物園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が圧死 ~ 情報発表に苦慮する同園

a0151913_10593621.jpg
Photo(C)Bayerischer Rundfunk /Tiergarten Nürnberg

実にスッキリとしない状況が続いているのがドイツ・ニュルンベルク動物園で11月21日に誕生した双子の赤ちゃんの動静です。 11月26日の夜に私は「ドイツ・ニュルンベルク動物園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が死亡の模様 ~ 正式発表は早すぎたのか?」という投稿を行い一頭の赤ちゃんがすでに死亡しているらしいという同園の園長さんや副園長さんの発言をソースとしているドイツよりの報道をご紹介しました。 こういった状況にもかかわらずニュルンベルグ動物園は公式的な立場を明らかにしないまま数日間が経過してしまったわけです。 この間にドイツのファンの方々は当初の歓喜の声から次第に沈黙し始めてしまったわけでした。 ニュルンベルク動物園は現在の状況をどう説明すべきか非常に困っているという状況であったことは察しがついたわけです。 

さて、同園は日本時間の本日早朝になって同園の公式SNSのページにこの双子の赤ちゃんの現在の様子について発表を行いました。 内容は非常に簡単なもので、「一頭の赤ちゃんは生存していないものと考えている」といった内容ですが、100% 完全な断定を避けた幾分あいまいな表現です (“Bei dem anderen Jungtier sieht es nun aber so aus, als müssten wir wirklich davon ausgehen, dass es nicht mehr am Leben ist.“)。 実はこういう表現は日本語が得意とすることですね。 しかし今回の発表でどうも感心できないのは同園はこの発表に、日曜日付けのマスコミ報道のページへのリンクを入れたことです。 取材を受け情報を提供した側(すなわち同園)が、取材を行い情報を提供された側(マスコミ)の記事をソースででもあるかのようにリンクさせるというのは実に奇妙です。 (*後記 - 可能性は高いものの100%確実ではない情報を自園の公式HPやSNSのサイトに文字として記載するわけにはいかないので、そういった情報をマスコミに提供して記事にさせ、そしてその記事のURLだけを自園のSNSサイトで紹介すれば100%確実ではない情報でも結果としては一般に公開したことになるとニュルンベルク動物園は考えたわけですね。 これならば自園のサイトに文字は残らないわけです。 このやり方は実は非常に巧妙でうまい発表方法なのかもしれません。)

その報道記事の中では副園長さんはやや詳しい説明を行っているのですが、それはこの一頭の赤ちゃんはヴェラお母さんにつぶされた後に「食害」 が発生したらしいという内容です。 この圧死というのは産室内ではいつ発生してもおかしくないような危険性があり、今まで世界の動物園での産室内の映像を見てきた限りでも、よく母親は赤ちゃんを押しつぶさないものだと私はいつもハラハラしながら見てきたということです。 ただし別の報道では、同園は産室内での映像を全てチェックしてみたもののヴェラお母さんが赤ちゃんを食べてしまうというシーンは全く見つからなかったとも述べていたということもあり、死亡は疑いようのない事実としても「食害」までは断定できないといったところが正しいのではないでしょうか。

要するにニュルンベルク動物園はこの双子の赤ちゃんの一頭に本当に何が起きたのかを説明するのに大変に苦慮しているという様子だけがハッキリと浮かび上がってしまったということですね。 一頭の赤ちゃんの死亡について同園が100% 完全に断定した表現を避けたのは情報の発信に苦慮した同園のおかれた状況に原因があり、死亡の事実そのものがあいまいなわけではないと私は考えます。 「一頭だけが生存」、現時点ではそれだけはもう動かしがたい事実であると言ってよいと思います。

(資料)
Tiergarten Nürnberg (facebook /Dec.1 2014)
Nordbayern.de (Dec.1 2014 - Eisbärenbaby: Tiergarten befürchtet das Schlimmste)
Bayerischer Rundfunk (Nov.27 2014 - Zweites Eisbär-Baby offenbar tot)

(過去関連投稿)
ドイツ・ニュルンベルク動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ ヴェラお母さんの健闘
ドイツ・ニュルンベルク動物園で誕生の双子の赤ちゃん、一頭が死亡の模様 ~ 正式発表は早すぎたのか?
by polarbearmaniac | 2014-12-01 11:00 | Polarbearology

カテゴリ

全体
Polarbearology
しろくま紀行
異国旅日記
動物園一般
Daily memorabilia
倭国旅日記
しろくまの写真撮影
旅の風景
幻のクーニャ
エッセイ、コラム
街角にて
未分類

最新の記事

いよいよ今年2017年のホッ..
at 2017-10-19 01:00
ドイツ・ロストック動物園が来..
at 2017-10-18 18:30
ロシア・シベリア中部、クラス..
at 2017-10-18 00:30
ベルリン動物公園がトーニャの..
at 2017-10-17 20:00
オーストラリア・ゴールドコー..
at 2017-10-17 00:30
モスクワ動物園 ヴォロコラム..
at 2017-10-16 18:00
オランダ・エメン動物園で成功..
at 2017-10-15 18:00
ロシア極東・ハバロフスク動物..
at 2017-10-14 22:00
ロシア・ロストフ動物園のコメ..
at 2017-10-13 20:00
モスクワ動物園 ヴォロコラム..
at 2017-10-12 18:57

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月

検索

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。

ライフログ


人生と運命 1


スターリン―青春と革命の時代


モスクワは本のゆりかご


私のモスクワ、心の記憶


自壊する帝国 (新潮文庫)


甦るロシア帝国 (文春文庫)


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


ロシア 春のソナタ、秋のワルツ-1999-21st


それからのエリス いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影


ミチコ・タナカ 男たちへの讃歌 (新潮文庫)


わがユダヤ・ドイツ・ポーランド―マルセル・ライヒ=ラニツキ自伝


ベルリン戦争 (朝日選書)


Hof――ベルリンの記憶


カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺


北京烈烈―文化大革命とは何であったか (講談社学術文庫)


慟哭の通州――昭和十二年夏の虐殺事件


主題と変奏―ブルーノ・ワルター回想録 (1965年)


藤田嗣治 異邦人の生涯


Barle's Story: One Polar Bear's Amazing Recovery from Life As a Circus Act


Lenin's Tomb: The Last Days of the Soviet Empire


Resurrection: The Struggle for a New Russia


Hotel Adlon: Das Berliner Hotel, in dem die grosse Welt zu Gast war


Ein seltsamer Mann


Alma Rose: Vienna to Auschwitz


St Petersburg: A Cultural History


Gulag