街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ホッキョクグマの赤ちゃん誕生(と、その事実公表)の山場の一週間

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ララお母さんとマルル、ポロロ (2013年3月22日撮影 於 円山動物園)

世界中の動物園(日本を含む)からホッキョクグマの赤ちゃん誕生のニュースが出てきていますが、生まれてはいるものの報道されてはいない赤ちゃん誕生の事実はいくつもの動物園で間違いなくあると思われます。ですから次の月曜日(15日)からの一週間は、むしろ誕生の事実そのもの以上に誕生の事実公表の山場の一週間のように思います。 各動物園の担当者の本音は、たとえ誕生してもすぐにはその事実を発表したくはないといったところでしょうし、最も早い公表でも誕生後72時間という最初の第一関門を通過した後というのが常識的なスケジュールだと思います。 アメリカの動物園でのホッキョクグマの赤ちゃん誕生の事実の公表は年内は絶対といってよいほどありません。 産室内でかなり日数を経てからの公表となるわけです。 ロシアの動物園でも年内の誕生の事実の公表は多分ないでしょう。 欧州の動物園は比較的事実の公表は早いわけですが年内にあと二つほどの動物園から誕生の事実の公表がありそうな気がします。
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クルミお母さんとミルク (2013年5月1日撮影 於 男鹿水族館)

さて.....問題は日本の動物園です。 来週の月曜日(15日)からの一週間で最も注目すべきなのは男鹿水族館でしょう。 何故かと言えばこういう事実があるからです。 それは、以前の私の投稿である「男鹿水族館のクルミの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する」をご参照頂きたいのですが、ロシアの生物学者であるイーゴリ・トゥマノフ氏の研究報告のデータによれば、本日(12月13日土曜日)は、ホッキョクグマであるクルミの妊娠日数 (Pregnancy Duration /Total Gestation times) の最大である293日目にあたります。 大方のケースでは、今日(12月13日)までがクルミが出産することが可能な日であり、明日(12月14日)以降の出産はないということを意味するわけです。 今シーズンにクルミに出産がある(あった)とすれば、実はすでに出産しているものの男鹿水族館は発表を差し控えているというケース以外にはないだろうということです。 (つまり、前回2012年のクルミの出産の事実の公表が非常に早く行われたのとは異なり、今回は誕生の事実の発表は後日に持ち越されるだろうという予想は十分に成り立つ事情があると想像するからです。 なにしろ今年のクルミの繁殖への挑戦の舞台設定には秋田県の知事さんの強い意向が反映されていたわけで、ちゃんとした成育のレールに乗るまでは、おいそれとは誕生の事実を公表できないだろうと考えるからです。 今度の赤ちゃんは通常では秋田県が権利を有する個体になりますから、そういった「県の資産」 について、「はい生まれました」 とか 「でも死亡しました」 などということを安易には発表できないだろうということです。)  仮に明日の日曜日(14日)以降にクルミに出産があるとすれば、それはトゥマノフ氏の研究報告のデータの上限日数を打ち破ることになり、これは実に興味深い結果となるでしょう。 しかし私は、もう生まれているもののその事実を公表していないか、それとももう生まれないかのどちらか一つだろうと考えています。

円山動物園のララについては、私の予想では出産日は12月15日前後と考えていますので、すでに仮に本日(13日)の段階で出産していたとしても、あるいは来週出産するとしても、発表があるのは来週の月曜日(15日)以降でしょう。 その他の動物園については私はよくわかりませんが、生まれた(生まれていた)としても発表はかなり遅くなるでしょう。 つまりそういった動物園(旭山動物園を除く)では今までホッキョクグマの繁殖成功の実績がないため、赤ちゃんが順調な成育のレールに乗ってから発表したいという気持ちが強いだろうと思われるからです。

なんだかこの季節は落ち着きませんね。 実は欧州の某動物園では赤ちゃん誕生の事実は発表していないものの、そのサイトの端に 「実はホッキョクグマの赤ちゃんが生まれていますよ!」 ということを示しているらしいと思われるあるイラストが小さくあらわれています。 わかる人にはわかるという伝達方法なのかもしれません。 「やるなあ!」 という感じですね。 私の考えすぎかな?

(過去関連投稿)
ホッキョクグマ出産統計から見た傾向を再確認する ~ 出産シーズンに向けての知識整理
ホッキョクグマ飼育マニュアル(Care Manual)」よりの考察(5) ~ 赤ちゃんの頭数・性別は事前予測可能か
男鹿水族館のクルミの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する ~ 「11月30日前後に雄か雌の一頭」
円山動物園のララの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する(前) ~ 「12月15日前後に雌の双子」
円山動物園のララの出産日、出産頭数、性別を過去のデータで予想する(後) ~ データが示すララの"女腹"
by polarbearmaniac | 2014-12-13 23:30 | Polarbearology

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