街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設の野生孤児アイオンの5歳の誕生会が行われる

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5歳になったアイオン Photo(C)Карена Мовсисяна/WWF России

2010年の3月にロシア極北のチェクチ半島で孤児としてWWF・ロシア支部のベア・パトロールのスタッフによって保護された雄のホッキョクグマであるアイオンについては保護された直後からニュースのあるたびにその様子を追ってきたつもりですので過去関連投稿をご参照下さい。 このアイオンはその後モスクワ動物園に送られて保護され、現在も同園のヴォロコラムスク付属保護施設で飼育されています。 とりあえず「復習」も兼ねてWWF・ロシア支部のまとめた映像を二つほど再度ご紹介しておきます。





このアイオンですが現在もWWF・ロシア支部のベア・パトロールのスタッフが時々このヴォロコラムスク付属保護施設を訪問してアイオンに会っているそうですが、アイオンは自分を保護してくれ、そしてその後もたびたび会いに来てくれるスタッフのことを全く忘れておらず、体を伸ばして挨拶するそうです。 1月19日にアイオンの5歳の誕生祝いのためにWWF・ロシア支部のスタッフやファンら数人の有志がおもちゃ、魚、そしてケーキを持ってヴォロコラムスク付属保護施設を訪問して5歳となったアイオンのお祝いをしたそうです。
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Photo(C)Карена Мовсисяна/WWF России

もちろんアイオンは野生孤児ですので本当の誕生日はわからないのですが、こういった場合にロシアではよく一月の任意の日に誕生会をやる傾向があるわけです。 その様子を大変個性的に、そして美しくまとめられた映像でご覧いただきましょう。 なかなか凝った映像です。 音声はonにして下さい。



このモスクワ動物園のヴォロコラムスク付属保護施設というのはモスクワから北西に130キロのところにあるそうですが私は行ったことがありません。 でも映像で見るとなかなか立派な施設のようですね。 この雄のアイオンはすでにミラーナ (Милана) という雌の遊び友達がいて、この二頭が将来はモスクワ動物園で繁殖を担うペアとなるそうです。 上の映像で見るとアイオンはこの日はミラーナと別飼育になっているようですが、アイオンも5歳になったわけでそろそろ繁殖可能な微妙な年齢に成りつつありますので二頭は別飼育されているのかもしれません。 アイオンのパートナーとなる雌のミラーナはシモーナが2009年11月に産んだ雌の双子の一頭ですのでアイオンとは同じ年齢ということになります。 私は2010年の5月と7月にモスクワ動物園で幼年個体だったミラーナに会ったことがあります。 私の想像するに、おそらく来年初頭にモスクワ動物園のムルマは繁殖の舞台からは退いてこのヴォロコラムスク付属保護施設に引退し、それに代わってこのアイオンとミラーナがモスクワ動物園の飼育展示場にペアとして姿を現すのではないかと思っています。 この二頭はモスクワ動物園のホッキョウグマ繁殖の次の世代を担っていくペアになるだろうと思います。 現在のシモーナとウランゲリのペアですがシモーナはサンクトペテルブルクのレニングラード動物園生まれですがウランゲリは野生出身です。 モスクワ動物園では原則としてペアの最低一頭は野生出身の個体によって繁殖を狙うわけであり、それが同園の強みであるということです。

それから、私は以前のこのアイオンとミラーナについて行った過去のこの投稿を読み直してみましたら、すっかり忘れていた興味深い指摘を思い出しました。 それはモスクワ動物園の方の以下のような発言です。 「雌のミラーナはシモーナお母さんが母乳で育て上げたためにアイオンのように人間に保護されたホッキョクグマよりも行動がよりホッキョクグマらしい。」 つまり非常に幼い時に野生孤児として保護された個体よりも飼育下で母親に育てられた個体の方が行動がよりホッキョクグマに近いということです。 以前にも書いたのですが(この投稿の「追記3」を是非再度ご参照下さい)、雌(メス)に関しては野生孤児出身個体よりも飼育下出身の個体のほうが繁殖率が優るのではないかという1960年代あたりからの過去の事例から考えた私の感覚の裏付けになることかもしれません。

(資料)
За городом (Feb.9 2014 - Белый медвежонок Айон, история спасения)
ПРОГРАММА «БЕЛЫЙ МЕДВЕДЬ» (Jan.20 2015 - Спасённый медвежонок не забывает добра)

(過去関連投稿)
ロシア・極北の街でホッキョクグマの赤ちゃん孤児を保護!
モスクワ動物園に送られた赤ちゃん孤児のその後の映像
モスクワ動物園で保護されている孤児のホッキョクグマ、アイオンの近況
モスクワ動物園が期待を持つ将来の新ペア ~ ヴォロコラムスク付属保護施設のホッキョクグマたち
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設で暮らすアイオンとミラーナの夏の日
モスクワ動物園・ヴォロコラムスク付属保護施設のアイオンの3歳の誕生祝い ~ WWFが保護した野生孤児の成長
by polarbearmaniac | 2015-01-27 02:00 | Polarbearology

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