街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・ロッテルダム動物園のエリックが亡くなる ~ 双子の赤ちゃんを遺した父親の21歳の早過ぎる死

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エリック (2011年5月3日撮影 於 オランダ・ロッテルダム動物園)

大変ショッキングなニュースが流れてきました。 オランダ・ロッテルダム動物園が本日発表したところによりますと、昨年12月に双子を出産したオリンカお母さんのパートナーである21歳の雄のエリックが昨日5日の木曜日の朝に亡くなったそうです。 このエリックは鹿児島のホクトの弟、姫路のユキ仙台のポーラの叔父ということで日本にも血統的に関係のあるホッキョクグマなのです。 ロッテルダム動物園のスタッフはこのエリックの死を深く悲しんでいるそうです。 エリックはまだ21歳という若さであり、飼育下のホッキョクグマとしては早すぎる死だと言えましょう。 一方で、このロッテルダのエリックと鹿児島のホクトの母親であるアイカはベルリン動物公園でなんと34歳で健在なのです。 ホクトもユキもポーラも、このエリックに比較的良く似ています。 やはり血の繋がりを感じさせます。
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エリック Photo(C)Diergaarde Blijdorp

エリックは二年半ほど前に腎機能障害を患ったものの健康は完全に回復して一昨年の春、そして昨年の春にはパートナーのオリンカと繁殖行為があり、一昨年の暮れにはオリンカには出産がなかったものの、昨年については12月2日にオリンカは双子の赤ちゃんを出産したわけです。 ところが先週になってエリックは突然嘔吐して食事を受け付けなくなっため血液検査を行ったところ、腎臓が二年前に患らった機能障害の状態よりも機能していないほどであり治療が難しい状態に陥っていたそうです。 その後は薬物投与による治療が行われ要経過観察状態が続いたものの病状の悪化は急速なものであり、昨日の木曜日には安楽死をすべきか同園内で協議を行う予定だったようですが、エリックはそれを待たずにその日の朝に亡くなってしまったそうです。 死因は腎不全ということになりますが、エリックの組織細胞のサンプルはユトレヒトの研究所に送られ、さらなる調査が行われる予定だそうです。
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エリック Photo(C)Diergaarde Blijdorp

私は2011年の5月にロッテルダム動物園でこのエリックに会ったことがありますが(過去関連投稿参照)、彼は飄々としていてなかなか感じの良い男でした。 このエリックは札幌のデナリと同じ年齢ですが、今回の双子の赤ちゃんを含めて彼は10頭の子供の父親となっていたわけです。 最近ではウィーンのシェーンブルン動物園で2007年に誕生したアルクトスとナヌークの雄の双子、ロッテルダム動物園で2010年に誕生した雄のヴィックスはお馴染みの雄の若年個体です。 そして忘れてはならないのが2001年11月にこのエリックと彼の前のパートナーであったオリガとの間で生まれた雄のフェリックスです。 このフェリックスは現在欧州における雄のエース格として存在しているわけです。 ここで昨年12月のロッテルダム動物園でのエリックの姿を見ておきましょう。



ライブカメラで見ることができるように、自分のパートナーであるエリックが亡くなったことを露とも知らぬオリンカお母さんは今日も産室内で赤ちゃんたちへの育児に熱心です。

エリックが亡くなったのは本当に痛恨事です。 偉大なホッキョクグマの死に深く哀悼の意を表し、心より謹んでエリックの冥福を祈ります。

(資料)
Diergaarde Blijdorp (NIEUWS/ Feb.6 2015 - IJsbeer Eric overleden: vader van ijsbeertweeling in Blijdorp)
RTV Rijnmond (Feb.6 2015 - IJsbeer Eric overleden in Diergaarde Blijdorp)
AD.nl (Feb.6 2015 - Blijdorp in diepe rouw door overlijden ijsbeer)

(過去関連投稿)
オリンカとエリックの「再会」、そして「成就」...
オランダ・ロッテルダム動物園のエリックの健康が見事に回復 ~ オリンカとの間の繁殖行為が確認
オランダ・ロッテルダム動物園のオリンカとエリック、欧州の誇る名ペアの新たなる挑戦

(*2011年ロッテルダム動物園訪問記)
ロッテルダム動物園へ!
親子3頭の同居? ~ 常識に挑戦したロッテルダム動物園の方法
泰然自若のオリンカお母さん、その貫禄の子育て
お母さんの庇護の下で自由を謳歌するヴィックス
by polarbearmaniac | 2015-02-06 23:30 | Polarbearology

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