街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生! ~ 出産はシモーナが濃厚、ムルマも出産したか?

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シモーナ (2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)
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ムルマ (2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)

モスクワ動物園というところは奇妙なプライドがあります。 世界のいくつかの動物園で飼育下では繁殖が極めて難しいホッキョクグマの赤ちゃんが誕生するとその園からもマスコミからも多くの情報が発信されファンも大きな興味を抱くのですがモスクワ動物園は、「ホッキョクグマの赤ちゃんの誕生などはモスクワ動物園では全く珍しくないから、生まれてもあえてホッキョクグマの赤ちゃんの誕生だけを正式発表することなど不要である」 という考え方のようです。 しかし2011年暮れにシモーナが三つ子を産んだ時はその例外でした。 とはいうものの、その時も事前にマスコミがホッキョクグマの赤ちゃん誕生の情報を報道していたわけです。
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シモーナ (2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)

さて、モスクワ動物園は今回も全くホッキョクグマの赤ちゃん誕生の正式発表は行わず、7日に一社のマスコミ (TV局) に対して同園のエレーナ・キセレヴァさんが、「昨年2014年は園内で鳥獣を合わせて800頭もの赤ちゃんが誕生しました。」 と述べ、その中で何気ない形で「春までにホッキョクグマの赤ちゃん(複数形)も(戸外に)お目見えしますよ。」 とだけ述べています。 ですから今回の赤ちゃん誕生の情報はあくまでも「非公式的」なものだとご理解下さい。  ドイツや日本とは大きな違いがありますね。 モスクワ動物園とはこういう動物園なのです。 そのニュース番組のインタビュー映像をご覧下さい(冒頭はCMです)。 このインタビューではエカテリーナ・モロゾヴァさんが話していますが、それを受けたアナウンサーは凝った言い回しで「3頭の赤ちゃん」と言っているように私には聞こえます。



産んだのはおそらく札幌のララ、レネンのフリーダムと並ぶ昨年の世界の大本命の一頭である20歳のシモーナでしょう。 24歳のムルマも産室入りしていたという一部の報道も昨年あったわけで、今回の出産は誰なのかについては当然のことながらモスクワ動物園は全く述べていません。 あるいはダブル出産があったかもしれません。 先のエカテリーナ・モロゾヴァさんへのインタビューの中で「3頭の赤ちゃん」という私の理解が正しいならば、ダブル出産の可能性の方が大きいでしょう。 しかし三つ子という可能性もあります。 三つ子ならばまたシモーナが産んだに違いありません。 しかしその一方で、上の映像の開始後1分26秒あたりから雪景色の飼育展示場に登場して左から右へと歩いているのはムルマ(豪太の母)です。 ということはムルマは産室から外に出ていることになり、彼女には出産が無かったことを意味しているように思います。 少なくともこのニュース映像を見る限りではそういう解釈になります。 続いて登場しているのはウランゲリで、しきりに足を舐めています。 これは彼特有の癖のようなものです。 そして全く映像に登場していないのはシモーナです。 多分赤ちゃんと一緒に産室にいるからでしょう。 こういったことから考えて、とりあえず少なくともシモーナは出産して赤ちゃんは産室内で元気であると一応は理解しておくことにしましょうか。 そして赤ちゃんが誕生したのはひょっとして12月11日ではないでしょうか。 というのもその日にモスクワ動物園は「ホッキョクグマの赤ちゃんが生まれそうだから静かにしてほしい」とHPで述べ、わざわざシモーナと赤ちゃんの過去の写真を掲載していた わけです。 これはおそらく「実は生まれました」という「シグナル」ではないかとも思っています。 
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ウランゲリ (2013年10月4日撮影 於 モスクワ動物園)

どちらにせよ父親がウランゲリであることは100%間違いないでしょう。 しかしこのモスクワ動物園の姿勢はどうもすっきりしないやり方ですね。 しかし園内で多くの赤ちゃんが生まれているのでホッキョクグマの赤ちゃんだけを別格扱いにしてそれだけ誕生の事実を発表するというやり方はしないのだという方針だと理解すれば、まあこんなのものでしょうか。 赤ちゃん誕生の事実を公式的に発表しないならば、仮に赤ちゃんが亡くなってもいちいちその事実を公表する必要はなくなります。 やはりある意味では「ロシア的」な曖昧さだということです。 やはりロシアは「謎の国」ということです。

(資料)
24Мир (Feb.7 2015 - Московский зоопарк переживает «бэби-бум»)

(過去関連投稿)
モスクワ動物園のムルマの2003年の繁殖挑戦を振り返る ~ 5月の交尾で出産に成功したムルマとララ
(*2014年9月 モスクワ動物園訪問記)
秋晴れのモスクワ動物園を訪問  ~  ホッキョクグマたちに御挨拶
モスクワ動物園が世界に誇るシモーナとウランゲリの名ペアの成功の理由の一端を垣間見る
ウランゲリ、その優しさ、親しみやすさ、紳士的性格に見る繁殖への道
シモーナ、そのホッキョクグマの王道を歩む姿と道のり ~ ロシアの首都に君臨するウスラーダの長女
by polarbearmaniac | 2015-02-10 22:30 | Polarbearology

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