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大阪・天王寺動物園の赤ちゃん「雌(メス)」の目視判定~ 目視(雌)>DNA(雌雄)>目視(雄) の評価?

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Photo(C)天王寺動物園(大阪市)

昨年11月25日に大阪・天王寺動物園でバフィンお母さんから誕生した一頭の赤ちゃんですが、昨日28日に性別判定が行われたことを同園の2月28日付けの公式ブログが明らかにしました。 結果としては「目視的にはメスかも」 という結果だったそうです。 後日科学的な判定を行うために毛を採取したそうです。 DNA判定を行うということに間違いないと思います。

さて、やはりなかなか写真だけの判断では性別予想は難しいものですね。 私はずっと雄(オス)だと考えていましたし、このブログでは堂々とそう書いてきました。 赤ちゃんの性別が判明したとなるといつも、「やっぱりねえ。 私は最初からそう考えていたのですよ。」 という人たちが後からどんどん現れてくるわけで、まあそちらのほうがむしろ格好が悪いでしょう。

さて昨日の目視での性別判定ですが、私はほとんど100%に近いほど正しいだろうと考えています。 世界の過去の例でホッキョクグマの性別を取り違えた例はいくつかあるのですが、その全ては 「目視で雄(オス)と判定したが実際は雌(メス)だった」 という例ばかりです。 ごく最近の例だけで言えば円山動物園のツヨシ、ピリカもそうでした。 アイラの場合は一回目のDNA判定では「雄(オス)」 だったものの、「そんなばかなことはない」 と考えた(当時の)飼育員さんが再判定を依頼したところ、二回目は「雌(メス)」という結果となったということをその以前の担当飼育員さんがレクチャーで話していたのを私ははっきりと聞いています。
(*追記 - このアイラの性別判定に関するニュース映像を再度ご紹介しておきます。 音声は必ずon にして下さい。 その中で、このアイラの性別判定はDNA検査を3回も行ったと言っています。 つまりやはり最初のDNA判定結果 - 「雄」- に円山動物園が全く納得しなかったということを強く示唆しているわけです。)


ホッキョクグマ赤ちゃん性別判明

それからデンマークのオールボー動物園の例はもっとすごい話です。 詳しくは「デンマーク・オールボー動物園、DNA鑑定するも度重なる性別取り違え ~ ミラクは雌(メス)だった!」 をご参照頂きたいのですが、オールボー動物園は2008年12月に誕生したミラクを当初は雌(メス)だと考えていたもののDNA判定では「雄(オス)」だったわけです。 オールボー動物園はその判定結果に非常に驚いたわけですが、科学的な判定だから正しいだろうと同園は考えてミラクを「雄(オス)」としていたわけですが、ミラクが成長するにつれて疑念が湧いてきたそうです。 そして四年半後に再びDNA判定が行われたのですが、今度は「雌(メス)」と判定されたわけでした。 次に今度は2011年、同じオールボー動物園でのアウゴの目視による性別判定の様子を映像でご覧下さい(音声は必ずon にして下さい、メーリクお母さんと赤ちゃんのアウゴの凄まじい抗議の様子が音声でよくわかります、まるで地獄のような光景です)。 実はこの時の目視の判定も後から判明したところではミスだったということになるのです。



後年不幸にも転落事故が原因で亡くなったアウゴですが、この最初の目視判定(上の映像)では「雄(オス)」、さらにDNA判定でも「雄(オス)」と出たわけですが、転落による安楽死後の最終的な検死結果では実際は「雌(メス)」 だったことが判明したというわけです。 さらにかなり以前、実はこの動物園の雌のメーリクも最初は目視で「雄(オス)」 だと判定されていたそうですが実際は「雌(メス)」 だったということで、このオールボー動物園では三回も性別取り違えがあり、しかもDNA判定は二度も間違っていたという不可解な結果だったことは札幌のアイラの場合と同じというわけです。 DNA判定によるホッキョクグマの性別判定は大きな危険があることを示唆しているわけです。 これは本当に不可解な話です(多分ホッキョクグマについては判定のためのサンプルに異物が混入する可能性が不可避であるということではないでしょうか)。 ですから、感覚的に言えば確実さにおいて

目視「雌(メス)」判定 >DNA「雄/雌」判定 >目視「雄(オス)」判定

現時点ではこれくらいに考えておいたらどうでしょうか。 皮肉な話ですが。

今回の天王寺動物園の視覚判定ですが、「雌(メス)」という結論ならばまず間違いなくそれは正しいと思います。 「雌(メス)」を「雄(オス)」と間違える可能性はあっても、その逆はまずないということです。 その確認部分の形態的特徴からそれは言えることです。 さらに複数のスタッフの眼で確認しているということですから間違いないでしょう。

(*追記 - さて、問題はこの赤ちゃんのDNAによる性別判定で仮に今度は「雄(オス)」という結果が出た場合です。 科学的判定だからといって、すんなりとその結果を受け入れてよいかということです。 それとも別の機関に再判定させるのかどうかということですね。)

(資料)
天王寺動物園 スタッフブログ (Feb.28 2015 - ホッキョクグマの赤ちゃんの性別は?「目視的には・・・」

(過去関連投稿)
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デンマーク・オールボー動物園、DNA鑑定するも度重なる性別取り違え ~ ミラクは雌(メス)だった!
by polarbearmaniac | 2015-03-01 00:30 | Polarbearology

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