街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・ロッテルダム動物園のオリンカお母さんの完璧な赤ちゃん監視体勢 ~ 自由を尊重のオランダ社会

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オリンカお母さんと双子の赤ちゃん Photo(C)NOS Jeugdjournaal

オランダのロッテルダム動物園で昨年12月2日にオリンカお母さんから誕生した双子の赤ちゃんたちは2月27日、つまり生後87日が経過した段階で戸外に初登場した件はすでに投稿しています。 この赤ちゃんたちですが、オリンカお母さんと一緒に初めて見る新しい世界に夢中になったようですし、オリンカお母さんも赤ちゃんたちへの監視に忙しかったためか、その日の夜は親子で疲れ果てて産室に戻ってぐっすりと眠ってしまったようです。 それが以下の写真です。 なんとなく微笑ましい感じがします。
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Photo(C)Diergaarde Blijdorp

さて、そうは言うものの朝が来るとまた赤ちゃんたちは新たな冒険に向けて活動再開です。 以下の映像は3月1日のものだそうですが、これは必見の映像だと思います。 小さくて非常に浅い水溜まりがあるために赤ちゃんたちは喜んでそこに入ります。 とても溺れるような深さではありません。 ところがオリンカお母さんは赤ちゃんたちを水から引き揚げ、そしてその場所から遠ざけようと鼻を鳴らしながら前脚を使ってしきりに引き揚げようとしています。 実に凄い監視力と危機管理だと思います。



生後90日足らずの赤ちゃんたちに対する母親の姿勢の厳しさを見せつける素晴らしい映像だと思います。 ホッキョクグマの親子について私が見たいのはまさにこういう映像です。 まだこういう状態ですから夜は疲れてぐっすりと眠ってしまうということなのでしょう。 ロッテルダム動物園は昼間でも室内外の出入りは完全に親子の自由にさせていると言っています。 もし飼育展示場に親子の姿が見えなければ近くに設置している大きなスクリーンで室内にいる親子の姿を映したモニターカメラの映像を見てほしいと言っています。 ホッキョクグマたちの自由を尊重した素晴らしいやり方だと思います。 そして、その室内での親子の姿もスクリーンで見られるようにしてあるという点で来園者の不満を最小化しようというやり方も見事だと思います。 やはり「ホッキョクグマ飼育最先進国」のオランダらしいと思いました。 「一般公開を開始したからと言って必ずしも戸外に出る必要はなく、一日中室内に留まろうとしたければ、それでもいいですよ。 出入りはあなたたちの自由です。」 とホッキョクグマたちに言ってやれる態度は素晴らしいことだと思います。 飼育下にありながらも可能な限り彼らの自由を尊重してやろうという態度は、人間の社会がまずそういう意識になっていなければできないことです。 その点オランダはそういう、相手の自由を尊重する社会だからこそできることでしょう。

私がウン十年前にロッテルダムに住んでいた当時は「オランダ人というのは頭の悪い奴が多いな」と思っていましたが、その同じロッテルダムのこの動物園でこういうやり方を見せつけられるとやはり、「オランダ人とはたいしたものだ」と認識を新たにしました。

(資料)
Diergaarde Blijdorp (Dierennieuws/Feb.27 2015 - IJsbeertweeling voor het eerst naar buiten)

(過去関連投稿)
オランダ・ロッテルダム動物園でホッキョクグマの双子の赤ちゃん誕生! ~ オリンカが貫録の出産
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オランダ・ロッテルダム動物園で誕生の双子の赤ちゃん、オリンカお母さんと共に戸外に初登場
by polarbearmaniac | 2015-03-03 00:30 | Polarbearology

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