街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ドイツ・ニュルンベルク動物園のフェリックスがシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園へ ~ 仕事師登場

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フェリックス photo(C)Tiergarten Nürnberg

いつもながらまるで電撃ででもあるようなドイツでのホッキョクグマの移動が報じられています。 ニュルンベルク動物園の13歳の雄のフェリックスが昨日10日の火曜日にシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園に到着したというニュースです。 もちろん移動に関する事前の告知は全くなく、移動後到着してから初めて明らかにされた移動のニュースでした。

シュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園では昨年2月に当時24歳だった雄のアントンが急死したため彼のパートナーだった当時24歳の雌のコリンナにはパートナーがなくなってしまったわけですが、ミュンヘンのへラブルン動物園から当時14歳の雄のヨギがシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園に出張してコリンナの繁殖挑戦に協力することとなったわけですが残念ながら昨年のコリンナは出産に成功しませんでした。 そのヨギはミュンヘンに帰還してしまったわけですが、このコリンナの繁殖再挑戦は果たしてあるのかと思っていたわけですが、すでに25歳になっているコリンナに今度は欧州の雄のエース級のエースであるニュルンベルク動物園の13歳の雄のフェリックスをパートナーとして今年もまた繁殖に挑戦することとなったわけです。 このフェリックスについては以前に 「ドイツ・ニュルンベルク動物園、フェリックスの大活躍 ~ 欧州における偉大な雄の素顔」 という投稿で詳しくご紹介したことがありましたが、パートナーとした雌は全て妊娠・出産させてしまうという連戦連勝の仕事師です。 おそらくコリンナの最後の繁殖挑戦のパートナーとして最もふさわしい雄でしょう。 私も2011年にニュルンベルク動物園でフェリックスに会ったことがありますが、ひょろひょろとした貫録のない、見た感じが風采の上がらない男だったのが実に意外に思ったことを覚えています。 このフェリックスは今回ニュルンベルクからシュトゥットガルトに移動する際には移動用ケージにすんなりと入り、しかもケージの中で心地よさそうにしていたそうで、彼にとっての移動は、「さあ俺の出番だ!」とでもいったようなものだったのかもしれません。

ヴィルヘルマ動物園の25歳となっている雌のコリンナを何故こうまでしてさらに繁殖に挑戦させ続けたいのかと言えば、それはやはりまず彼女は2007年に一度繁殖に成功しており(その時に誕生したのが現在スウェーデンのオルサベアパークで暮らすウィルベアです)、再度の繁殖の可能性は十分にあるという期待と、このコリンナの血統が欧州では非常に希少だという理由が挙げられるでしょう。 おそらく今回のフェリックスのヴィルヘルマ動物園への出張は同園としても強く希望していたものと思われます。

さて、ここでこのドイツの例と大阪の例を比較してみますと、今年コリンナが25歳で繁殖に再挑戦するということは要するに大阪で現在23歳のバフィンが再来年の2017年に再び繁殖に挑戦することと年齢的に全く同じであるわけです。 コリンナもバフィンも一頭の出産・生育に成功した経験という条件も同じとなるわけです。 浜松と大阪との契約関係は一切脇に置いておくこととし、果たしてゴーゴとバフィンを来年(2016年)、または再来年(2017年) に再び繁殖に挑戦させる可能性はどうなのかということが問題となるでしょう。 来年(2016年) となるとこれは「二年サイクル」の繁殖を意味し、バフィンの体にとっては相当の負担となるでしょう。 再来年(2017年) となればこれは「三年サイクル」の欧米流の繁殖を意味するわけでバフィンの体にはさらに一年の余裕ができるもののバフィンは24歳から25歳へというこの年代では繁殖にとってより決定的な意味を持ちかねない一歳の加齢が生じるわけです。 この比較をどう考えるべきでしょうか? いや、そもそもその前にバフィンをさらにまだ繁殖に挑戦させるのかということです。 これは稿を改めて後日また考えてみようと思います。

(資料)
Tiergarten Nürnberg (Aktuelles aus dem Tiergarten/Mar.10 2015 - Nürnberger Eisbär Felix gastiert in Stuttgart)
Wilhelma (Aktuelles / Mar.10 2015 - Nürnberger Eisbär Felix gastiert in Stuttgart)
Bayerischer Rundfunk (Mar.10 2015 - Eisbär Felix verbringt Sommer in Stuttgart)
Merkur Online (Mar10 2015 - Nürnberger Eisbär soll wieder für Nachwuchs sorgen)
Bild (Mar.10 2015 - Corinna bekommt neuen LiebhaBÄR)

(過去関連投稿)
スウェーデン、オルサ・グレンクリット、ベアパークのヴィルベア、静かに 「偉大なる父」 となる日を待つ
ドイツ・シュトゥットガルト、ヴィルヘルマ動物園のアントン、飲み込んだ異物が原因で急死
ドイツ・ミュンヘン、ヘラブルン動物園のヨギがシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園へ繁殖目的で移動
ドイツ・シュトゥットガルト、ヴィルヘルマ動物園のヨギがミュンヘンのヘラブルン動物園に帰還へ
ドイツ・ニュルンベルク動物園、フェリックスの大活躍 ~ 欧州における偉大な雄の素顔
by polarbearmaniac | 2015-03-11 14:00 | Polarbearology

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