街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ロシア・ノヴォシビルスク動物園のシルカの移動日程を知らされぬ現地ファン ~ 送り出す側の方々の心境

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シルカ (2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

ロシア・ノヴォシビルスク動物園の一歳のシルカ (シルカ・クラシノヴナ - Шилка Красиновна) が間もなく来日し27日か28日に大阪の天王寺動物園に到着することはすでに発表になっています。 さて、そうなりますとシルカは25日か26日にノヴォシビルスク動物園から出発することになるのは間違いありません。 輸送機材の関係からモスクワ経由か北京経由のどちらかだろうとは思いますが、多分北京経由で関空着というのが順当のような気がします。
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シルカ (2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

実はこのシルカの移動先が日本となることはロシアのマスコミは早々と報道していたものの、その具体的移動日についてはノヴォシビルスク動物園が情報統制を行っているため現地ではそのスケジュールについての報道はなく、また移動先が大阪であることも現時点では全く報道されていません。 ノヴォシビルスク動物園は、シルカの出発に関する情報を事前に明らかにすれば、シルカの移動に反対している市民からまた新しい何らかの動きが発生してくることを非常に恐れているためにシルカ移動についての詳細は発表していないという事情はあるものの、このシルカを大切に思っている地元ファンの方々はシルカに会うために動物園に行き続けているという様子については「ロシア、ノヴォシビルスク動物園のシルカは3月に来日の模様 ~ 地元のファンのシルカへの熱い想い」という投稿でご紹介した通りです。 このノヴォシビルスクの地元ファンの方々の集うSNS サイト(複数)にも、シルカの移動先や移動日についての投稿は現時点では見当たらないようです。 さて、ここで3月21日つまり、さる土曜日のノヴォシビルスク動物園でのシルカの様子をご覧いただきましょう。 雪の上での姿です。





さて、実は私はここ数日思い悩んでいたことがあるのですが、日本で発表されたシルカ来日の日程から考えると、3月21、22日の土・日曜日がシルカのノヴォシビルスクにおける最後の週末であることは間違いないわけです。 このことを現地のファンの方々に知らせてやるべきではないかと私は考えロシアの複数のSNS のアカウントまで取得していたわけでした。 「お別れ会」など全く開催されない状態で、あれだけシルカを可愛がり大事にしてやってきた地元ファンの方々が、せめて週末にシルカに最後のお別れができるように私が彼らのSNS のページにシルカ移動の日程を投稿してやろうかと考えたわけです。 以前から地元ファンの方々のシルカへの思い入れが記された投稿を読むと非常に心打たれるものがあったわけです。
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シルカ (2014年9月12日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

しかし熟考の末、私はそれをしないことにしました。 理由はいくつかあるのですが、ノヴォシビルスク動物園に対する市民の不満が別の形をとって現われてくる可能性がないわけではないという点がその大きな理由です。 そしてそれが何か政治的な思惑を持つ人々に利用されてしまうのではないかという危険性が皆無ではないからです。 実は以前からこのブログにロシアから毎日のように何人かの固定ファンの方々からのアクセスがあるのですが、皆さん全てノヴォシビルスク以外の場所に居住していらっしゃる方々ばかりです。 そういった方々は多分このブログでシルカの移動日程と移動先についての日本での報道は知っているはずです。 ノヴォシビルスクにお住まいのシルカのファンの方々にシルカ移動の日程を伝えるかどうかは、そういったロシアの他都市にお住まいの方々の判断と行動に任せたいと思ったわけでした。
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シルカ (2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

私は考えますが、もし自分がノヴォシビルスクに住んでいてシルカの戸外登場からその成長を見守り続け、そして大事にしてきたそのシルカが「お別れ会」もなく突然旅立ってしまったらどんな気持ちになるかということです(ホッキョクグマに対する「お別れ会」はアメリカや日本の動物園の発想であり欧州やロシアでは行われないのが一般的ではありますが)。 「せめて旅立ちの日だけでも知らせてほしい」と考えて当然だと思います。 私はシルカの誕生から成長、ゲルダお母さんとの突然の別れから今までをこのブログで追い続けてきました。 さらに昨年9月には実際にノヴォシビルスク動物園を訪問して三日間シルカと向き合ってきたわけです。 そういった私にとってはシルカの来日を単純に喜ぶ以上に、実は胸中複雑な気持ちのほうが遥かに大きいわけです。
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シルカ (2014年9月13日撮影 於 ノヴォシビルスク動物園)

私たちは海外からホッキョクグマが日本にやってくるときには、それを単純に喜んでいたわけです。 送り出す側の土地のファンの方々の気持ちなどはあまり考えなかったわけです。 私にしてみれば今回初めて自分が海外で会ったホッキョクグマが実際に日本にやってくるというケースになりました(私はロシア時代のピョートルやイタリア時代のデアには会っていません)。今回初めて、私は送り出す側の国の人々の気持ちを思いやることができました。 それと同時にSNSの投稿などを通じてこういったケースにおけるロシア人の物の感じ方や感性、ロシア語における感情表現など、ロシアという国に住む人々への理解もより一層深まりました。 私自身、大変に貴重な体験をさせてもらっていると思います。
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ノヴォシビルスク動物園・園内移動用馬車 (2014年9月13日撮影)

(過去関連投稿)
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(2014年9月ノヴォシビルスク動物園訪問記)
◎2014年9月11日(木曜日)訪問
・リバーパークホテルからノヴォシビルスク動物園へ ~ ホッキョクグマたちに御挨拶
・容姿端麗なゲルダお母さん、その娘への態度に見る子育て初体験の初々しさ ~ 育児スタイルを模索中
・シルカ、順調に成長を遂げるその素顔
◎2014年9月12日(金曜日)訪問
・ノヴォシビルスク動物園訪問二日目 ~ ゲルダお母さんとシルカの不安定な関係
・ゲルダの将来への道のりと課題 ~ 一頭の母親と一頭の雌の二役の演技の動機となっているもの
・シルカ、その聡明かつ醒めた知性が発散する魅力 ~ ミルク、マルル、ポロロを超える逸材か?
・クラーシン(カイ)の性格とその素顔 ~ 双子兄弟のピョートル(ロッシー)との違い
◎2014年9月13日(土曜日)訪問
ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."
シルカちゃん、ゲルダさん、クラーシン君、お元気で! そしてまた会う日まで!
by polarbearmaniac | 2015-03-22 23:55 | Polarbearology

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