街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ブラジル・サンパウロ水族館に忽然と姿を現したロシア・イジェフスク動物園のピリグリムとオーロラ

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サンパウロ水族館でのピリグリムとオーロラ 
Photo(C)Jose Patricio/Reuters

大阪・天王寺動物園に3月末に到着したロシア・ノヴォシビルスク動物園の一歳の雌のシルカですが、このシルカの入手を狙っていたのは日本だけでなくブラジルもそうだったという件についてはシルカについての過去の投稿で何度もご紹介していました。 さて、そのブラジルですがシルカの入手は断念したものの、やはりロシアからイジェフスク動物園で飼育されていた5歳の雄のピリグリムと同じ5歳の雌のオーロラの導入に成功しています。 この件については以前の投稿である「ロシア・イジェフスク動物園のピリグリムとオーロラ、同園から忽然と姿を消す ~ ブラジル行きの真相と深層」を再度じっくりとご参照いただく必要があります。
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サンパウロ水族館でのピリグリムとオーロラ Photo(C)Efe

さて、このピリグリムとオーロラを導入したのはサンパウロ水族館 (Aquário de São Paulo) であることが判明しました。 昨年12月にすでにピリグリムとオーロラはモスクワ経由で15時間、そして輸送費用が2万2千ドルを費やしてブラジルまで空輸され、非常に長い検疫期間を経て昨日の火曜日に報道陣に公開されましたので下のプロモーション映像、そしてTVのニュース映像をご覧下さい。ニュース映像の冒頭はCMです。









この二頭が飼育されるサンパウロ水族館の飼育展示場は総面積が1500㎡あるそうで、温度は15℃からマイナス5℃まで設定が可能だそうです。 ピリグリムの所有権を持ち野生出身のオーロラの飼育代行義務を負っているカザン市動物園の担当者はこのサンパウロ水族館の飼育展示場の素晴らしさに驚いているそうです。 あのカザン市動物園の飼育展示場と比較すれば、どこでも立派に見えるでしょう。 さて、このピリグリムとオーロラは検疫期間中に繁殖行為があったらしく、オーロラの年末の出産が期待されるとのことです。
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Photo(C)Jose Patricio/Reuters

さて、ブラジルのマスコミの一部はサンパウロ水族館がこの二頭の若年個体を購入したのだと報じていますが、仮にそれが事実だったとすれば、本来はロシアのホッキョクグマの野生個体はロシアの連邦政府の資産として管理され、孤児となったような個体を保護した場合には連邦政府の自然管理局 (RPN) が国内の動物園に飼育を代行させるというシステムを逸脱した行為をカザン市動物園が行っていることになるわけです。 カザン市動物園は自園のスペースがないためにイジェフスク動物園にこの二頭の飼育を依頼したところまでは問題がないと仮定しても、今度はそれをさらに別の場所に預けるとみせて海外に売却するとなれば話は全く別になるわけです。 カザン市動物園、イジェフスク動物園、そしてサンパウロ水族館の三園は非常に不透明なことを行っていることは間違いないと思われます。 ともかくロシアという国は何事にも非常に謎に満ちているわけで、そういった「闇の世界」で金銭が動くということです。

サンパウロ水族館でのピリグリムとオーロラの一般公開は明日の木曜日からのようです。 それが同時にこの施設のオープンとなるそうです。 さて、ノヴォシビルスク動物園のシルカですが、日本に来たほうがよかったか、それともこのサンパウロ水族館に行った方がよかったか...これをどう考えたらよいでしょうか。 自分がホッキョクグマだったら大阪の天王寺動物園に行ったほうがよかったかサンパウロ水族館に行ったほうがよかったかを比較してみる...これも一考でしょう。 真夏の気温は35℃にもなり暑さには耐え難い天王寺動物園にはホッキョクグマを愛する多くのファンがいて愛情をこめて接してくれます。 年中非常に温度が低く快適に設定され、そして広い展示場のあるサンパウロ水族館にはカメラのフラッシュを平気で光りまくりらせる民度の低い愚民が大勢奇声をあげているでしょう。 どちらがよいでしょうか...?

(*追記 - その後、カザンのマスコミで移動中のピリグリムとオーロラの姿が掲載されましたのでご紹介しておきます。

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(資料)
EFE (Apr.15 2015 - Aquário de São Paulo apresenta primeiros ursos polares do Brasil)
globo.com (Apr.15 2015 - Casal de ursos-polares é atração do Aquário de São Paulo)
UOL (Apr.14 2015 - Ursos polares são a nova atração do Aquário de São Paulo)
Veja São Paulo (Apr.10 2015 - As novidades do Aquário de São Paulo)
Foto Folha (Apr.15 2015 - Urso polar do aquário de SP)
(*追加資料)
ProKazan (May.20 2015 - Двух краснокнижных белых медведей из Казани отправили в Бразилию)

(過去関連投稿)
(*以下、ピリグリム関連)
ロシア・カザン市動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!!
ロシア・カザン市動物園で生まれた赤ちゃん(続報)動画公開!
モスクワ動物園、ロシア国内の幼少ホッキョクグマの売却一元管理を開始か?
ロシア・ウドムルト共和国のイジェフスク動物園 ~ 「さすらいのホッキョクグマ」ピムの安住の地となるか
モスクワ動物園がカザン市動物園に1頭のホッキョクグマを贈与 ~ 帰属意識と権利関係の狭間で

(*以下、オーロラ関連)
ロシア極北・タイミール半島でホッキョクグマの2頭の赤ちゃんを保護!
ロシア・タイミール半島で保護された赤ちゃん孤児の続報
ロシア・クラスノヤルスク動物園の2頭の赤ちゃん孤児、同市に留まり同居の継続が決定!
ロシア・クラスノヤルスク動物園で暮らすタイミール半島で保護された双子の孤児の名前が決まる
ロシア・クラスノヤルスク動物園で保護の双子の孤児に別れの時来る ~ オーロラがイジェフスク動物園へ

(*以下、ピリグリムとオーロラ関連)
ロシア・ウドムルト共和国イジェフスク動物園でピリグリムとオーロラが「結婚式」 ~ 新しい繁殖基地へ
ロシア・イジェフスク動物園のピリグリムとオーロラ、同園から忽然と姿を消す ~ ブラジル行きの真相と深層
by polarbearmaniac | 2015-04-15 23:30 | Polarbearology

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