街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園でのフリーダム親子とフギースの同居開始を振り返る

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Photo(C)Ouwehands Dierenpark Rhenen

先日のオランダ遠征で5月1日に今回最初となるレネンのアウヴェハンス動物園を訪問してフリーダムお母さんと二頭の赤ちゃん、そしてフギースの4頭同居を初めて見たわけですが、実は同園のHPで後から知ったのですが、この私の一回目の訪問の日は4頭同居の試みの二日目の日だったことがわかりました。 その様子について同園はSNSサイトで 「上々の滑り出しであり (“De ontmoeting verliep prima”)、フリーダムは自分の母親であるフギースから赤ちゃんたちを適切な距離 (“gepaste afstand”) においていた。」 と述べています。 しかし私の印象はその日の投稿に書いた通り、いささか居心地の悪そうに見えるフリーダムとフギースの姿でした。 この日のそういったシーンを一つ、再度ご紹介しておきます。

位置を変えたフギースの存在を無視できないフリーダム親子(5月1日)

さらに二回目の訪問は二日後の5月3日でしたが、状況はさほど好転していないように見えたわけです。 このフリーダム親子とフギースとの接近の場面についてこの日の映像をご紹介しておきます。

接近するフギースを警戒するフリーダム(5月3日)

要するにフリーダム親子もフギースもあの広い展示場を一杯に使うことができないという点で問題があるように見えました。 フギースに関してはフリーダムよりも出産・育児経験が豊かであり、赤ちゃんを連れた母親というものの意味をよく知っているはずですから赤ちゃんたちを襲うということは到底考えられないわけですが、それにしてもやや不本意な同居のように見えました。
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フギースの存在に注意を払うフリーダム(2015年5月1日撮影)

実は同園ではこのメインの展示場の裏側にも円山動物園の「世界の熊館」全体にも匹敵するかもしれないほどの広さのサブのホッキョクグマの展示場があるわけで、私も2011年の訪問ではその裏側の展示場でフリーダムのシークー、セシの双子の育児、そして前回2012年の訪問ではフギースのルカとリンの双子の育児を見ていますが、それについては現地での投稿である「シークーとセシ、その伸びやかさと無邪気さの大きな魅力」、「アウヴェハンス動物園のフギースお母さんの双子の性格」、及び「フギースお母さんの性格と子育て」をご参照下さい。 その場所を利用せずに、こうしてフリーダム親子とフギースを同居させ続けるというのは、いささか首を傾げたくなるように思いました。
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フリーダム親子を見つめるフギース (2015年5月3日撮影)

また、この動物園では2008年にも育児中のフギースと、同じく育児中のフリーダム、つまり合計4頭を同居させたことがあるのですが、これについては「オランダ・アウヴェハンス動物園でのホッキョクグマ飼育 ~ 『甘やかさない飼育』の方針」を御参照下さい。 なんとこの時はフギースの息子の生後半年のウォーカーとフリーダムの息子で一歳半になっていたスプリンターが遊び始めるということもあったわけです。 よくぞ両方の母親がこの状態を許したと思います。 それからデンマークのオールボー動物園でもヴィクトリア親子にメーリクを同居させたわけですが、実はこの時はメーリクがヴィクトリアの娘であるミラクを威嚇して水に落としてしまったことがあったのですが、それに対してヴィクトリアお母さんが怒ってメーリクに襲い掛かるというエピソードがありました。 これについては「ホッキョクグマ母子の空間に他の雌を入れたらどうなるか? ~ デンマーク・オールボー動物園での実例」をご参照下さい。

さて、大阪の天王寺動物園でもバフィン親子とシルカの三頭同居の可能性を探っている(探っていた)ことは間違いないですが、しかし仮に首尾よく成功したとしてもバフィンお母さんは娘のモモをシルカから遠ざけようとすることは間違いなく、そうなるとあの展示場を半分に割ったような感じでバフィン親子とシルカが神経をピリピリしながら住分けるという以上のものにはならないでしょう。 つまり今回のアウヴェハンス動物園のフリーダム親子とフギースとの関係に近いものが生じて来園者も何かスッキリしない気持ちで居心地が悪くなるという可能性は大です。
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フギースの存在に注意を払うフリーダム(2015年5月4日撮影)

フリーダムとフギースにとっては平穏ではない暮らしぶりに見えましたが、しかし私は生まれて初めて今回アウヴェハンス動物園でホッキョクグマ親子のいる展示場に別のホッキョクグマが同居するというシーンを二日間にわたってじっくりと観察できたことは有意義でした。 それから3日にはアメリカの某有名ホッキョクグマ・ブロガーさんに間違いないとお見受けした方を御見かけしたのですが、非常に熱心にフリーダム親子を観察していらっしゃいましたし私も気合を入れてこの親子の姿を見ていましたのでお話しする機会を持ちませんでした。 まあそのうち世界のどこかの動物園でまたお会いできる機会があるでしょう。

(資料)
Ouwehands Dierenpark Rhenen (Apr.30 2015 - ‘Familiereünie’ bij de ijsberen in Ouwehands Dierenpark Rhenen)

(過去関連投稿)
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園でホッキョクグマの三つ子の赤ちゃん誕生! ~ フリーダムの快挙
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園で誕生の三つ子の赤ちゃんのうち一頭が死亡!
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園で誕生の二頭の赤ちゃんが生後24日目を迎える ~ 眼も開く
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園で誕生の二頭の赤ちゃんの近況 ~ twins と twin cubs の違い
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園の二頭の赤ちゃんは生後二か月経過 ~ フリーダムお母さんの技量
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園の二頭の赤ちゃん、互いに相手を意識し始める
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園の二頭の赤ちゃんは19日(木曜日)のお披露目を同園が告知
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園の二頭の赤ちゃんが戸外へ ~ フリーダムお母さんの厳しい監視
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園のフリーダムお母さんと二頭の赤ちゃんのライブ映像配信が開始
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園のライブ映像配信が増強される ~ 赤ちゃんは戸外で大活躍
オランダ・レネン、アウヴェハンス動物園のフリーダムお母さんと二頭の赤ちゃんたちの近況
ホッキョクグマ母子の空間に他の雌を入れたらどうなるか? ~ デンマーク・オールボー動物園での実例
オランダ・アウヴェハンス動物園でのホッキョクグマ飼育 ~ 「甘やかさない飼育」の方針
(*アウヴェハンス動物園訪問記)
(2011年5月)
遂にレネン、アウヴェハンス動物園に到着!
シークーとセシ、その伸びやかさと無邪気さの大きな魅力
フリーダムを称える
(2012年3月)
レネン、アウヴェハンス動物園でホッキョクグマたちに御挨拶
アウヴェハンス動物園のフギースお母さんの双子の性格
フギースお母さんの性格と子育て
フリーダムお母さんと1歳になったシークーとセシの双子
(2015年5月)
フリーダムお母さんお久しぶりです、二頭の赤ちゃん、初めまして! ~ レネン、アウヴェハンス動物園へ
欧州屈指の偉大なる母フギースは今何を考える?
アウヴェハンス動物園二日目 ~ 三世代同居の問題点
アウヴェハンス動物園の双子の赤ちゃんの性格と素顔 ~ 「冒険家ちゃん」 と 「甘えっ子ちゃん」
フリーダム、偉大なる母のその素顔 ~ 「細心さ」から「鷹揚さ」を取り込み、咲かせた大輪の花
by polarbearmaniac | 2015-05-10 06:00 | Polarbearology

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