街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ハンガリー、ニーレジハーザのソスト動物園の28歳のシンバと36歳のオーテクの老境に咲く満開の花

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シンバ(姫路のユキ、仙台のポーラの母 - 手前)とオーテク(奥)
Photo(C)Nyíregyházi Vadaspark

ハンガリー北東部に位置する中都市であるニーレジハーザ (Nyíregyháza) にある動物公園 (Nyíregyházi Állatpark) 内のソスト動物園 (Sóstó ZOO) に暮らすペアであるのは現在28歳となっている雌のシンバ(ゾラ)とカナダでの野生出身の36歳の雄のオーテク (Ootek) です。 この雌のシンバですが20年以上にわたってセルビアのパリッチ動物園 (Palić zoo) で雄の故ビョルン・ハインリヒをパートナーとして暮らしていましたが、その時にパリッチ動物園で誕生したのが姫路市立動物園のユキ仙台・八木山動物公園のポーラであることはご紹介したことがありました。 やはりユキやポーラはシンバお母さんに良く似ています。
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28歳のシンバ(左)と36歳のオーテク(右)
Photo(C)Nyíregyházi Vadaspark

さて、このシンバですがパートナーだったビョルン・ハインリヒが亡くなった二年後の2013年に春このソスト動物園に移動してきたわけですが、この件については「セルビア・パリッチ動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) がハンガリーのソスト動物園へ」という投稿をご参照下さい。 さて、この老境に入りつつあった28歳のシンバ(ハンガリーではゾラという名前になっているそうです)と、すでにホッキョクグマとしては相当の高齢である36歳の雄のオーテクとの間でなんと先月4月に繁殖行動があり、周囲を驚かせているそうです。 実は昨年もこの二頭の間には繁殖行動があったそうですが今年も連続して行われているということはホッキョクグマの世界では極めて稀なことだと言わざるを得ません。 ペアの二頭共にその年齢まで元気で暮らしているということ自体が数少ないわけですが、そういった貴重な例だと言えるでしょう。
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シンバ(ゾラ)とオーテク Photo(C)Nyíregyházi Vadaspark

ちなみにこれは今まで何度もご紹介していますがホッキョクグマの最高齢出産世界記録はアメリカ・デトロイト動物園で飼育されていたドリス (1948 ~ 91) の持つ38歳2か月、そして最高齢出産成功世界記録 (つまりその後の成育にも成功したということ) はやはり彼女の持つ35歳11か月という、これは途方もない大記録です。 一方で雄の最高齢繁殖成功寄与記録は28歳だったはずです。 これからすればこのソスト動物園の28歳のシンバ(ゾラ)には出産の可能性がまだまだ残る年齢だと言えますが、雄のオーテクがすでに36歳ですから、これはもう世界記録をすでに8歳も上回っているわけで、やはり現実にはこのペアの間での繁殖成功は残念ながら極めて困難だと思われます。

しかしそうは言っても、よくぞこの年齢でこうした行動が見られるものだと、その若々しさには驚かざるを得ません。 ますますこのペアの健勝を期待したいと思います。
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Photo(C)Sóstó online

(資料)
Blikk.hu (May.3 2015 - Így romantikázik az öregecske jegesmedve pár!)

(過去関連投稿)
25年前の東ドイツにいた「もう一頭のクヌート」 ~ ユキ(姫路)とポーラ(仙台)の父親の物語
セルビア・パリッチ動物園のビョルン・ハインリヒ死す ~ ユキ(姫路〕 とポーラ(仙台) の父親の訃報
セルビア・パリッチ動物園のシンバ (姫路のユキ、仙台のポーラの母) がハンガリーのソスト動物園へ
(*高齢繁殖記録関連)
サツキ、産室から出る...~ ホッキョクグマの歴代最高齢出産成功記録は35歳11ヶ月?
高齢のデビーを愛し、慈しみ、送った人々 (下)
カナダ・マニトバ州、アシニボイン公園動物園の新展示場施設の建設  ~  偉大なるデビーの遺したもの
アメリカ、デトロイト動物園のベアレ逝く ~ 20歳で初出産に成功したサーカス出身のホッキョクグマの生涯
ロシア・サンクトペテルブルク、レニングラード動物園のウスラーダの歩む道 ~ 再説: 繁殖可能年齢上限
by polarbearmaniac | 2015-05-13 23:30 | Polarbearology

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