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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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オランダ・ロッテルダム動物園が排尿方向のみを根拠に双子の性別を雄と雌と判定し正式発表を行う

オランダ・ロッテルダム動物園が排尿方向のみを根拠に双子の性別を雄と雌と判定し正式発表を行う_a0151913_0375483.jpg
ロッテルダム動物園の双子の赤ちゃん 
(2015年4月30日撮影 於 オランダ・ロッテルダム動物園)

いやはや驚きました。 オランダのロッテルダム動物園が昨年の12月2日のオリンカお母さんから誕生した双子についてその性別を雄と雌であるという正式発表を本日行いました。 そしてこの性別判定にはかねてから同園が来園者に求めていたこの双子の排尿シーンの写真によってのみの判定だそうです。 とうとう同園はこの双子を一時的ではあれオリンカお母さんから引き離して性別チェックを行うということをせずに排尿方向のみによって判定したというわけです。 雄は真下、雌は後方という判定基準なのですが、これは欧州の動物園ではホッキョクグマの性別を判定するのに非常に有力な手段だとされているわけですが日本の動物園ではほとんど用いられないホッキョクグマの赤ちゃんの性別判定法です。 動物園で行われないどころか、この判定基準すら日本では話題にされることはまずほとんどないということです。ロッテルダム動物園は双子の性別判定のためにオリンカお母さんから二頭を引き離すことが親子にとってストレスとなるためにそれは行わなかったと述べ、性別判定のためにやはりかなりの苦労をしてきたそうですが、結局はその判定基準を排尿の方向というものに最終的に求めたわけでした。 「ホッキョクグマ親子のいやがることはやらない」ということですが、性別判定のためとはいえ無理やり彼らに苦痛を強いるということをやらなかったのはさすがにオランダらしいと思います。
オランダ・ロッテルダム動物園が排尿方向のみを根拠に双子の性別を雄と雌と判定し正式発表を行う_a0151913_112068.jpg
ロッテルダム動物園の双子の赤ちゃん
(2015年5月4日撮影 於 オランダ・ロッテルダム動物園)

私は先日のGWにロッテルダム動物園を三回訪問し、この双子の性別は雄に間違いないだろうと考えていたわけですが、この根拠はこの二頭の取っ組み合いのシーンで双方が後に引かない勇敢な「戦い」を比較的長い時間演じていたからです。イコロとキロルの場合とかなり似た取っ組み合いのシーンがこの双子にも見られ、性別が異なる場合には短時間で一頭(多くの場合は雌)が「白旗」を上げるのですが、今回の双子はそういうことがなかったわけです。 以下のシーンをご覧ください。

双子の赤ちゃんの激しいレスリング

もっとも、「戦い」の後では一頭がもう一頭を長い距離に渡って走り回って追い回していたわけで、その点については幾分奇妙な感じもしたというのは事実ではありましたが...。 それから是非その時の訪問記の「ロッテルダム動物園二日目 ~ オリンカお母さんと双子の赤ちゃん、性別差と性格差との境界線」をご参照頂きたいのですが、この二頭がオリンカお母さんから授乳を受ける際の位置関係と、この二頭の行動の違いには矛盾があった点も今からすればやはり問題だったろうと思います。この二頭の行動の差を私は「性別差」でなく「性格差」ととらえたのはいささか物事を複雑に考えすぎたように思いました。 「甘えっこちゃん」が雄であって「冒険家ちゃん」が雌であることだって十分考えられるわけです。

このホッキョクグマの赤ちゃんの性別を行動によって判断するというのは非常にハードルの高い方法であり私はそのハードルの高さにあえて挑戦してきたわけで、双子の場合について性別が同じか異なるかについては世界の動物園で誕生した双子の場合はここ数年はほとんど当たってきたわけですが今回はそうはいかなかったようです。 同園はこうしてこの双子の性別が判明したため名前をネット上で公募で決めるそうです。 応募はAS.nl というニュースサイトのページに記載されたSNSサイトのページ、またはメールアドレスからできるそうです。開く際にCookies を受け入れる必要があります。

(資料)
Diergaarde Blijdorp (Naamverzinwedstrijd ijsbeertjes)
AD.nl (Jun.18 2015 - Ware stormloop op namenwedstrijd ijsbeertjes)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2015-06-18 23:55 | Polarbearology

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