街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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ベルリン動物園のトスカ(故クヌートの母)、今週中に安楽死執行か? ~ 同園で倫理委員会が召集

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トスカ (故クヌートの母) 
(2013年12月31日撮影 於 ベルリン動物園)

極めて心の重い状態で本投稿を書いています。ベルリン動物園で飼育されている28歳(推定)の雌のホッキョクグマであるトスカ(言うまでもなくあの故クヌートの母です)の健康状態を考慮し、彼女を安楽死させるかどうかを決定する倫理委員会が今週初めにベルリン動物園で開かれるそうです。

現在のトスカの状態ですが報じられるところによりますと、人間で言うところの「認知症」の状態であり視力は相当に低下し嗅覚がなく味覚もほとんど失われた状態であると同時に精神疾患も患っているらしいとのことです。このままの状態(そして好転は期待できない状態)のままトスカを生き延びさせるかどうか、それとも苦痛なく安楽死させるかという決定が倫理委員会の議題となっているそうです。実は先月5月31日のベルリン動物園でのトスカの様子を撮影した方がいらっしゃいますのでその映像をご紹介しておきます(こういう姿を紹介するのは気が引けるのですが)。尚、手前にいるのはカチューシャです。



まず、開始後35秒以降のシーンですが、トスカは手前にある肉の存在を視力でも嗅覚でも認識していませんね。しかし歩き方は確実とは言えないもののまだ比較的しっかりしているようです。この下は昨年12月の映像ですが、確かに体力的には問題があるように見えますが精神的な面での異常というのはあまり感じません。



問題はトスカの現在の状態が好転するといった性格のものではないことです。ベルリン動物園で召集されている倫理委員会ではトスカの健康状態についての詳細な報告が提示されて議論が行われることになっているそうですが専門家にとっても「安楽死」はつらい決断であることを認めており、「安楽死」が決断されなくてもこのトスカの状態は悲惨なものでしょう。個人的には、飼育展示場でまだ歩ける状態(少なくとも5月下旬の段階)であるトスカへの安楽死執行は早すぎると思っています。しかし仮に倫理委員会で「安楽死妥当」の結論が出れば直ちに執行されることになると思われます。

(資料)
B.Z. Berlin (Jun.21 2015 - Muss Knuts Mutter jetzt eingeschläfert werden?)

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2015-06-22 13:00 | Polarbearology

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