街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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札幌・円山動物園のキャンディ、年末の繁殖最終局面のその後 ~ 札幌で「福神漬」となるのか?

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キャンディ (2015年7月27日撮影 於 円山動物園)

札幌の円山動物園で飼育されている22歳のキャンディが今年のシーズンもデナリとの間での繁殖に挑戦し続けていることはご承知の通りです。彼女は2012年12月2014年12月にいずれも出産しているのですがいずれも死産などで成育には至らなかったわけでした。彼女はちょうど昨年のバフィンと年齢的には同じ立場にあり、バフィンは昨年出産に成功していますので、それと同じに考えればキャンディも今年年末に「三度目の正直」のような形で出産してもおかしくはないということには一応はなるわけです。

過去関連投稿をご参照頂きたいのですが、このキャンディはモスクワ動物園と縁があり、そして比較的野生の血が濃い個体として日本では本来は重宝されねばならない血統です。本来は同じ野生出身のサスカッチやジャンブイと組ませて繁殖に成功した場合は実に貴重な新しい血統の誕生ということになったわけで私は以前から彼女の札幌残留よりも「新天地」での再挑戦に更なる望みをつなげるか、それとももう繁殖からは引退させてやってもよいかのいずれかだろうと考えていたわけです。しかし結局札幌で4回目(最初の年を入れれば5回目)の繁殖シーズンへの挑戦となっているというわけです。

先週末札幌でこのキャンディを見ていて思ったのですが彼女のどこか茫洋としていて柔らかいイメージは大阪のシルカを思い出させるような感じがしました。ただしシルカには表面的な柔らかさはあっても芯の強さを隠し持っていて感覚は鋭敏です。その点、このキャンディというのはそういったものはあまり感じさせないホッキョクグマです。こういったことでキャンディには何か物足りなさというものが付いて回るわけです。先週末のキャンディの姿を見ていただきましょうか。

キャンディの表情(2015年7月27日撮影)

私個人に言えば今年のキャンディには「筋に入る」可能性を今まで以上に感じるわけですが、しかしバフィンが23歳の誕生日の直前に出産し23歳で現在のように育児を行うという世界的にも非常に珍しい快挙を成し遂げたことが再びこの札幌で繰り返されるほど物事がそういつもうまくいくようにも思えないわけです。仮に彼女が今年の出産に成功しなかったとしますと彼女にはもう本当の意味で後がないわけです。そして豊橋に戻るといっても事実上は難しいかもしれません。浜松でキロルと組ませてみるというのは大胆ですが有り得ます。しかしバフィン(親子)の帰還問題があって実現はやはり簡単ではないでしょう。つまり「八方塞がり」の状況になってきているというわけです。これからも何となくの期待でズルズルと札幌に居残って「世界の熊館」におけるララファミリーという特大カレーの皿に添えられた「福神漬」のような存在になる手はあるかもしれませんが、前向きの考え方ではありませんね。私は札幌のファンが何故延々とキャンディを引き留めておきたいかは、なんとなくわかる気がします。要するにララ以外のホッキョクグマの母親の育児を見てみたいと言う理由が一番大きいのではないでしょうか。
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キャンディ (2015年7月27日撮影 於 円山動物園)

キャンディの将来の去就は日本のホッキョクグマ界での他の個体の今後の動向によって決まってくる...そういった受け身の状況になってしまっているようです。ともかくこういった状況を抜け出すためには年末の出産の成功(そしてその後の育児)が不可欠というわけです。

(過去関連投稿)
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by polarbearmaniac | 2015-07-30 00:30 | Polarbearology

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