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札幌・円山動物園のララの子供の名前が「リラ(Lilas)」に決定 ~ 「荒々しさ」を象徴した異色の命名

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リラ(Lilas) (2015年8月23日撮影 於 円山動物園)

札幌・円山動物園より本日発表があり、昨年12月21日に誕生したララの八番目の子供の名前が「リラ」に決定したそうです。デナリとララから一字ずつ取った名前だそうです。ともかく名前が決まったことは大きに歓迎すべきことです(「愛称」という概念が誤りであり「名前」が正しいということについてはすでに投稿しています)。それにしても投票開始から今日の発表までが本当に長かったですね。 (*追記 - 命名のニュースがTVで報じられていますのでご紹介しておきます。)





さて...ここでいつも一言何かを言わずにいられないのが私という人間です。まず、この「リラ」は園の説明によれば「札幌の木であるライラック(仏語で lilas リラ )にちなんで」という根拠があるそうなのですが、まずこれは大いに問題のある理由付けです。単にデナリとララから一字ずつ取った名前だというならばそれだけで十分な根拠になっていたわけですが、フランス語云々は余計でしたね。 まず ”Lilas” はフランス語では男性名詞です。つまり、”le lilas” というわけです。この語尾の_sは発音しませんが子音字であり、この名前自体は厳密には雌の名前としてはやや問題があるわけです。この ”Lilas” という花についてフランス語の語感では ”le caractère robuste des hommes et des femmes de l'État de granit"、つまり「花崗岩のようなガチガチの状態」、そしてかなり aggressive な性格を象徴しており、そこには「可愛らしさ」という意味は希薄で雌(メス)のホッキョクグマにはあまりふさわしい名前ではないとも考えられます。単に「デナリとララから一字ずつ取った」と言えばそれで問題なかったものの、フランス語云々とか言い出しますと私のような口うるさい人間がこうやって文句を言い出すわけです。しかしまあ、これはこれでよいでしょう。アイラやマルルやポロロのような雌ではなく、なにしろオクタヴィアン(仮称)はああいった性格や行動の幼年個体ですから「リラ(Lilas)」という名前は面白いかもしれませんし、むしろふさわしいのかもしれません。
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リラ(Lilas) (2015年8月23日撮影 於 円山動物園)

オクタヴィアン(仮称)は本ブログでも今後はリラという名前での表記となります。 (*追記 - さて、この赤ちゃんの名前の「リラ」ですが、アルファベットでどう綴るべきでしょうか? デナリ(Denali) とララ(Lara) から一字ずつ取ったということだけが由来ならば、"Lira" でもよいのですが、円山動物園の説明によれば「札幌の木であるライラック(仏語で lilas リラ )にちなんで」ということも由来に挙げていますので、これはフランス語をそのまま採用して "Lilas" と綴るのが正しいでしょう。 語末の_s はフランス語では発音しません。この語は単複同形で単数形は"Le Lilas" 複数形は"Les Lilas"です。 本ブログでは以降この赤ちゃんの名前は全て "Lilas" を採用することとします。 こういったことは最初からキチンとしておかねばならないのです。)

(資料)
札幌市・円山動物園 (Sep.7 2015 - 「ホッキョクグマの仔の愛称が「リラ」に決定しました」

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「リラの花薫る6月の夕暮れの別離…。澄明な北の都・札幌の四季の移ろいを背景に、不思議な巡り合せの男と女の痛切な愛の行方を辿る感動の長篇傑作。」だそうです。 これ読んでみましょうかね。
by polarbearmaniac | 2015-09-07 17:00 | Polarbearology

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