街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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シルカ(ノヴォシビルスク動物園)の2014年3,4月の成長を映像で追う ~ 親子関係変質の萌芽を探る

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シルカ(Шилка) (2015年9月4日撮影 於 天王寺動物園)

2013年12月11日にロシア・西シベリアのノヴォシビルスク動物園で誕生したシルカ(Шилка/現 大阪・天王寺動物園)ですが、その戸外初登場(2014年3月6日)から4月までの映像を追ってみましょう。ここでご紹介するのはいずれも撮影日が明示されていたり、あるいは事実上明らかであるといったものばかりです。 撮影日が何日であるかといった情報が極めて重要であり我々は必ずこういった情報は明示しておかなければならないと考えます。いつ撮影したかのデータのない写真や映像をネット上にアップするというのは非常識であり、そして撮影者の怠慢とだらしなさを物語っているのだと理解すべきなのです。それは記録としても全く意味をなさないと考えるべきでしょう。

まずシルカが写真ではなく、映像で登場したのは3月11日でした、それがこの下のコムソモリスカヤプラウダ紙の12日の報道で紹介された映像です。


次の映像は3月13日の映像です。


次の映像は3月14日の朝のTVニュースで紹介されたもので実際の映像は前日3月13日のものを使用しています。


次の襟像は3月15日のものです。


これも同じ日の映像ですね。


次は3月16日の映像です。


これも同じ日の映像です。


これは3月23日の映像だそうです。




これは翌日24日の映像です。


これも同じ日の映像です。


これは3月29日の映像です。


これは3月30日の映像です。


これも同じ日の映像です。


これは4月5日の映像です。


これは4月6日の映像です。


これは4月19日の映像だそうです。


最後のこの下の映像は4月25日のもののようです。この映像で示されているものこそ、私はゲルダお母さんと娘のシルカとの関係の変質の始まりを示しているように見えます。


さて、こうして時系列を追って見ていきますと最後の4月25日の映像が非常に特異な映像に私には見えます。私に言わせますと、この段階を境にしてゲルダお母さんとシルカとの親子関係は急速に変質したのだろうということです。何がその原因になったのかと言えば、おそらくそれは外部(来園者)の側からの刺激があったためだろうと考えるわけです。それはこの動物園では公認されて売られているエサの投げ入れ(Authorized private feeding) が可能であることに対してゲルダお母さんが育児よりもそれに関心が向いてしまったのだろうということです。それは私が現地を訪問して気が付いた点を「ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."」という投稿にまとめた通りです。この雪が解けて来園者が増えてきた4月下旬あたりを境にしてゲルダお母さんはシルカの育児に専念することが難しくなったというのが私の仮説です。

実は先日、大阪の天王寺動物園に行った際の「おやつタイム」の準備の時に飼育員さんが「バフィンお母さんとモモの名前を呼んで勝手にエサを投げ入れ(続け)た人がいたためにモモは来園者の方ばかり気にするようになった。これはバフィンお母さんとモモの健全な親子関係を壊すので絶対やめてほしい。」という話があったわけです。来園者が飼育動物に勝手にエサをやること(Unauthorized private feeding) が何故いけないかについて一般的には「動物たちの飼料量は担当者によってちゃんとコントロールされて体調管理がなされているわけで、来園者がさらにエサを与えてはいけない。」とか、「おかしなものを与えると動物たちの体調が悪くなる。」といったような理由付けがされるのが普通なのですが、「親子関係を壊す」ということを理由に挙げた天王寺動物園の飼育員さんは非常に見識があると私は感心したわけでした。

まさにノヴォシビルスク動物園で行われていることはそれにあたるわけです。この下の映像は昨年2014年9月13日と14日にノヴォシビルスク動物園で私が撮影したものです。

Gerda the polar bear waits for visitors' private feeding,
at Novosibirsk Zoo, Russia


Shilka the polar bear cub disregards her mother Gerda,
at Novosibirsk Zoo, Russia


いかにゲルダお母さんと娘のシルカとの間の正常な関係が来園者のエサやりによって壊されてしまっているかを如実に示していると私は考えています。それにしても天王寺動物園の飼育員さんはよくぞ正しいことを言ってくれました。大きな賞賛に値します。 それから、ウスラーダとかシモーナとかララとかいった超大物の母親たちは育児を天職(vocation)と考えている母親たちですので、仮に来園者の勝手なエサやりがあったとしても子供たちとの健全な関係は容易には損なわれないでしょう。その意味では、ゲルダお母さんはまだまだ小物の母親なのです。

(過去関連投稿)
(2014年9月ノヴォシビルスク動物園訪問記)
◎2014年9月11日(木曜日)訪問
・リバーパークホテルからノヴォシビルスク動物園へ ~ ホッキョクグマたちに御挨拶
・容姿端麗なゲルダお母さん、その娘への態度に見る子育て初体験の初々しさ ~ 育児スタイルを模索中
・シルカ、順調に成長を遂げるその素顔
◎2014年9月12日(金曜日)訪問
・ノヴォシビルスク動物園訪問二日目 ~ ゲルダお母さんとシルカの不安定な関係
・ゲルダの将来への道のりと課題 ~ 一頭の母親と一頭の雌の二役の演技の動機となっているもの
・シルカ、その聡明かつ醒めた知性が発散する魅力 ~ ミルク、マルル、ポロロを超える逸材か?
・クラーシン(カイ)の性格とその素顔 ~ 双子兄弟のピョートル(ロッシー)との違い
◎2014年9月13日(土曜日)訪問
ノヴォシビルスク動物園訪問三日目 ~ "Pour que Gerda et Shilka soient heureuse..."
シルカちゃん、ゲルダさん、クラーシン君、お元気で! そしてまた会う日まで!
by polarbearmaniac | 2015-09-09 08:00 | Polarbearology

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