街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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「ホッキョクグマ計画推進会議(於 恩賜上野動物園)」について ~ 「ツヨシ問題」の行方や如何

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デア (2015年9月11日撮影 於 上野動物園)
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イコロ (2015年9月11日撮影 於 上野動物園)

天王寺動物園のスタッフの方のブログの昨日9月16日付の投稿で紹介されていました9月15,16日の両日開催された「ホッキョクグマ計画推進会議」ですが、勿論私がそれに出席する資格などあるはずもなく、討議された内容は当然憶測の域を出ないわけですが、おそらく来シーズンの国内の動物園におけるホッキョクグマの繁殖、それも新しい組み合わせについても討議されたことは間違いないと思われます。そしてその来シーズンの繁殖への取り組みをかなり決定付けるのは今年の11~12月に出てくる結果次第であることも間違いありません。ですからこの推進会議で討議されたであろう来シーズンのホッキョクグマ繁殖計画の内容についてはあくまで「仮定の上に積み上げた内容」といった色彩を消すことは難しかっただろうと推察します。
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イワン (2012年10月27日撮影 於 旭山動物園)
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ジャンブイ (2014年8月24日撮影 於 横浜・ズーラシア)

さて、今年の11~12月に判明するであろう結果とは関係のない内容で「ホッキョクグマ繁殖計画」の討議対象となったであろう個体は、釧路市動物園のツヨシであろうことも間違いないものと推察します。これをどうするかということですが問題はパートナーです。旭川のイワンが横浜のジャンブイが現実には有力だろうと思いますが、前者には今年の11~12月の旭川での結果が大きく影響してきます。成功したならばイワンの釧路出張ということになるでしょう。後者についてはジャンブイのパートナーである(あった)バリーバが問題なのですが、実はこのバリーバについて私は以前にある投稿を行ったわけで、それ以降私は彼女の血統登録情報を切り崩そうとデンマークのマスコミに残されたアーカイブなどを苦労して現地に依頼して調査したものの、結局バリーバの血統登録情報の切り崩しは成功していない状態です。
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バリーバ (2013年2月10日撮影 於 横浜・ズーラシア)

つまりこれは以下のことを意味します、それは「バリーバは父娘の間の近親交配で誕生した個体であり、バリーバの娘のピースの癲癇(Epilepsy)はこの近親交配と何らかの関係がある可能性がある」ということです。さてそうなると貴重な野生出身のジャンブイとこの問題のバリーバの組み合わせはジャンブイという「繁殖資源」の浪費ではなかったかという考え方は当然あり得るわけで、そう考えればジャンブイは早くツヨシと組ませた方が良い(組ませたほうがよかった)という考え方はあって当然でしょう。バリーバの愛媛帰還シナリオの進行が早ければ、ツヨシは横浜へ移動という可能性は増すでしょう。とはいうもののジャンブイの年齢問題もあって、彼は繁殖の舞台からの事実上の引退となればバリーバは横浜残留、彼が引き続き繁殖に挑戦となればバリーバ愛媛帰還でしょう。 尚、ジャンブイの生年はズーラシアの主張する1992年ではなく、実際は1991年であることについては「『ロシア血統の謎』に迫る(4) ~ 横浜・ズーラシアのジャンブイの誕生・血統の真相を探る」をご参照下さい・

来シーズンの日本のホッキョクグマ界は予想が難しいです。バフィン親子、キロル、ゴーゴ、リラ、そして出産を期待されている雌の数個体...不確定要素が非常に多いですね。今回の「ホッキョクグマ計画推進会議」で実際の個体名を挙げてどこまで突っ込んだ内容まで討議がなされたのかは知るべくもありません。

(*追記)「ツヨシ問題などは存在しない」...そういう考え方もあるかもしれないと私は思っています。 つまり、「ツヨシは繁殖の舞台に上げない」という事実上の暗黙の方針があってもおかしくはないということです。その理由は二つあって、「ララファミリーは雌の個体が多いので、ツヨシに無理してまで繁殖を担わせる必要はない。 雌であるアイラ、マルル、ポロロのうち二頭ほど(そして雄はイコロ)が繁殖に成功すればそれでよいのだ。」という考え方が一つ。 そしてもう一つは、無理してまで地元に意識の変革を求めるのは不要であるという種別調整者と各園のそれぞれの担当者の暗黙の了解があるのだという考え方です。こう考えると、今回の「ホッキョクグマ計画推進会議」にはツヨシの話題が全く出ていなくてもおかしくはないということになります。 なにしろ、もう時代は「デアとイコロ」の世代になっているわけです。

(資料)
天王寺動物園 スタッフブログ (Sep.16 2015 - ホッキョクグマ計画推進会議)

(過去関連投稿)
バリーバの素顔 ~ 熟成を期待される隠された彼女の母性発揮の最後のチャンスはあるか?
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夏の日曜日の昼下がりのジャンブイ、再び彼の出自の謎を考える ~ 彼は果たして豪太の伯父なのか?
「ロシア血統の謎」に迫る(4) ~ 横浜・ズーラシアのジャンブイの誕生・血統の真相を探る
by polarbearmaniac | 2015-09-17 16:30 | Polarbearology

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