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街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


by polarbearmaniac

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ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?

ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_4113486.jpg
今まで16頭の子供たちを産み育てたこの女帝ウスラーダはこの11月に28歳になる。彼女は仙台のラダゴル(カイ)と静岡のピョートル(ロッシー)の母、旭川のイワンと大阪のシルカの祖母、静岡のヴァニラの伯母にあたる。
ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_420973.jpg
私が今回このサンクトペテルブルクに来た目的は、果たして現在27歳のウスラーダが自分の次の出産を自ら予感しているような表情や態度を見せているのかを確認したかったためである。
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いかに女帝ウスラーダとはいっても年末の出産シーズンには28歳になるのだ。 その彼女がまだ己の次の出産を意識し、そしてそれに備えるような落ち着いた表情をしているのかどうかを知りたかったわけである。 札幌のララは出産のあった年は秋口から一種独特の雰囲気を周囲に醸し出すのである。 昨年9月にモスクワのシモーナもまさにそういう雰囲気を漂わせていたのを私は実際にこの目で見ている。 出産が確実と思われる雌のホッキョクグマが漂わせる俗に「筋に入る」という表情と雰囲気である。
ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_4372451.jpg
そういう表情をしているとすればウスラーダはこれほどの年齢になっても自分の出産を予感していることになる。 さて、どうだろうか? 以下のいくつかの映像でウスラーダの表情を追ってみよう。

ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_817319.jpg
瞑想するウスラーダ(1)


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瞑想するウスラーダ(2)


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瞑想するウスラーダ(3)


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瞑想するウスラーダ(4)

私にはウスラーダは明らかに「筋に入った」、つまり少なくとも彼女は自分の出産を予期している表情に見える。 母親としてのスタイルがシモーナやララのような「情愛型」ではなくウスラーダは「理性型」に分類される。そういった関係もあってララやシモーナのように実際に「筋に入る」という状態をウスラーダが表情で示すかどうかもに妙な点ではあるが...。
ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_8532763.jpg
ウスラーダは実に偉大なホッキョクグマである。
ウスラーダ(Белая медведица Услада)、27歳で「出産への筋」に入ったか?_a0151913_8574596.jpg
モスクワのシモーナ(ウスラーダの娘である)、札幌のララが「世界のシモーナ」「世界のララ」であることは間違いないのであるが、ではこのウスラーダが何かと言えば、それは「歴史上のウスラーダ」という、シモーナやララよりもさらに一段上の世界のホッキョクグマである。
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飼育下のホッキョクグマは一般的に、繁殖させるために春頃に雄と雌を同居させるわけである。これはあくまで「繁殖を狙って」というべきかそれとも「繁殖計画に基づいて」と言うべきか、とにかくそういうことである。 しかし、レニングラード動物園もウスラーダはすでに27歳にもなっていても、さらなる繁殖を狙おうという計画であるのだと理解するとすれば、それは幾分意味合いが違う気がする。
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春先になって雄と雌が出会うのが自然なことであるという認識だろう。そこにもう「繁殖に挑戦させる」といったような堅苦しい考え方は採用していないようである。ウスラーダとメンシコフの春先における同居は自然界におけるホッキョクグマの雄と雌との出会いと同じようなものである。 だからそのことで繁殖行為があったならば、給餌量や環境整備といったその後のことは動物園サイドがきちんとフォローしてやる義務があると、ただそれだけのことのような気がする。そしてレニングラード動物園はまさにこうして給餌量も含めウスラーダに配慮している形跡は明確である。

ウスラーダへの給餌

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あと二か月ほどで28歳になるこのウスラーダは「筋に入って」いる。 驚異的なことである。
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Nikon D5500
Tamron 16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO
Panasonic HC-W870M
(Sep.22 2015 @サンクトペテルブルク、レニングラード動物園)
by polarbearmaniac | 2015-09-23 05:50 | 異国旅日記

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