街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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札幌・円山動物園のデナリに麻酔下での血液検査、超音波検査、及び抜歯治療が行われる

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デナリ (2015年8月23日撮影)

札幌にお住まいの方から連絡をいただき、あと一か月ほどで22歳となる雄のデナリに9日の金曜日の午後に麻酔をかけた検査が行われたことを知らせていただきました。 同園のHPその他などではまだ掲載されていないようですが、いただいた情報を要約しますと以下のこととなります。

①「一本の臼歯に動揺がみられたため抜歯した。」
(*以前にも抜歯の経験はあるそうです。)
②「血液検査、超音波検査を行ったが腹部臓器に大きな異常はない。」
③「今後も注意深く経過を見守る。」

デナリについては私も今年の春以降、いささか精彩に欠けた状態だと感じていました。円山動物園が超音波検査まで行ったということは要するにデナリに腫瘍の疑いがあったからだと考えて間違いないでしょう。円山動物園は今回の検査を行った大きな理由の一つに彼の精力の減退を認識していたということも間違いないでしょう。しかし私が特に気になったのは以下の今年の5月30日の以下のシーンです。

Has Denali (the polar bear at Sapporo Maruyama Zoo)
hurt himself ?


デナリは最近このような出血がよく見られたそうですが感染症への危険があると思っていましたが、それ以上に奇妙に感じたのはこのような出血シーンが何故複数回も生じていたのかということです。 デナリがかつてほど「爆遊」するシーンが最近はあまり見られないということ自体は、私はそれほど彼の健康状態に関係があるとまでは思ってはいません。むしろ年齢と共に貫録のある悠然とした態度に変化したのだというように理解しています。以下の今年の7月と8月のシーンを二つ挙げておきます。





しかしそうはいっても全体的には今年のデナリには確かに精彩がないことは間違いのない事実であり、私も彼の健康状態に全くの異常がないなどとは思ってはいません。円山動物園も「デナリの健康状態には問題がある」ということを前提とした姿勢であるようで、「今回検査ができなかった範囲に問題がある」という可能性にも触れているようです。同園には十分に彼の毎日の様子を注意深く観察していただきたいと思います。過度の楽観視は禁物でしょう。

それから、今回のデナリへの処置は抜歯治療もあったために麻酔は不可避だったわけですが、超音波検査だけならば麻酔なしでも可能です。以下の映像はアメリカのサンディエゴ動物園で行われたホッキョクグマへの超音波検査を行っている映像です。

Polar Bear Ultrasound Exam

It's that time of year again to get our polar bear Chinook back into the swing of ultrasound exams to scan for possible pregnancy. Read keeper JoAnne's blog (http://ow.ly/2pFLB) and watch the video from last year:

Posted by San Diego Zoo on 2010年8月14日


しかしホッキョクグマに麻酔無しでこのような体勢をとってもらうためには飼育員さんとの日常の訓練が不可欠であるわけで、このサンディエゴ動物園のようにして超音波検査を行うということが全てのホッキョクグマに対して可能であるかと言えば、なかなか難しいとも言えるかもしれません。
by polarbearmaniac | 2015-10-11 01:30 | Polarbearology

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