街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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モスクワ動物園の生後22ヶ月の雄のニッサンがイギリスのヨークシャー野生動物公園に到着

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ニッサン(Белый медвежонок Ниссан/Nissan the polar bear)  
(2014年9月18日撮影 於 ロシア・イジェフスク動物園)

ロシアのイジェフスク動物園 (Зоопарк Удмуртии - ウドムルト動物園)で一昨年の12月12日にドゥムカお母さんから誕生した間もなく二歳となる雄のニッサンがモスクワ動物園に移動した件については「ロシア・イジェフスク動物園の一歳のニッサンがモスクワ動物園へ ~ 最終的にはスコットランドに移動か?」と言う投稿でご紹介していましたが、このニッサンがモスクワからドイツのフランクフルト経由でイギリス・サウス・ヨークシャー州ドンカスターのヨークシャー野生動物公園 (Yorkshire Wildlife Park) に到着したことが報じられています。ニッサンはモスクワ動物園では非展示であり、間違いなく同園のヴォロコラムスク付属保護施設で飼育されていたものと思われます。モスクワ動物園は自らが権利を持つ個体のうち最初から国外に売却する個体についてはヴォロコラムスク付属保護施設に収容して飼育するというのが一般的だからです。
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ニッサン(Белый медвежонок Ниссан)  
(2014年9月18日撮影 於 ロシア・イジェフスク動物園)

当初のロシアでの報道ではニッサンはスコットランドに行く(つまりおそらくハイランド野生公園)に行くという報道があったわけですが、ニッサンがモスクワ動物園からヨークシャー野生動物公園に移動したということは、彼はEAZAの繁殖計画の中に組み入れられているということを意味します。それは、このヨークシャー野生動物公園は欧州域内のEAZAの繁殖計画であるEEPを担う雄の幼年・若年個体をプールする集中基地として機能を開始しているからです。このニッサンはイジェフスク動物園の生まれですが彼の父親はモスクワ動物園のシモーナの息子であるノルドであり、このノルドと野生出身個体のドゥムカとの間に生まれたニッサンの権利はモスクワ動物園にあり、そのモスクワ動物園が欧州のどこかの動物園にこのニッサンを売却したことは間違いなく、それがいったいどこの動物園なのかは現時点では不明です。それがひょっとしてスコットランドのハイランド野生公園なのかもしれません。私が昨年9月にイジェフスク動物園を訪問した際に撮った映像でまだ未公開のものがいくつかあるのですが、それらはまた後日ご紹介いたしたく、今回はすでに公開したものの中から二つほど再度以下に御紹介しておきます。

Nissan, the polar bear cub, tries to wake up Dumka, his mother,
at Izhevsk Zoo, Russia on Sep.18 2014
(ドゥムカお母さんを起こそうとするニッサン)

Nissan, the polar bear cub, has his own time while Dumka, his
mother sleeps, at Izhevsk Zoo, Russia on Sep.18 2014
(一頭で遊ぶニッサン)

さて、このニッサンを搭載したトラックがフランスからイギリスに向かう際にちょっとしたハプニングがありました。トラックがフランス北端のカレー付近を通行中に、近くにあった難民キャンプに収容されていたとみられる難民のうち4人がイギリスへの密航を試みてこのニッサンが積載されているトラックに身を潜めようとしたそうです。そのうち一人は載せられていたホッキョクグマのニッサンの姿に驚いて逃げだしたものの、あとの三人はじっと移動用クレートと二台の隙間に身を潜めていたものの通報によって駆け付けたフランスの警察当局に身柄を拘束されてしまったそうです。その際にニッサンは怒った唸り声を上げていたとのことです。そういった一部始終をご覧いただきましょう。



さてこのニッサン、私は昨年の9月にイジェフスク動物園で会っているのですが非常に性格の良い素直な子だと思いました。彼の今後にも注目していきたいと思います。昨年9月のイジェフスク動物園訪問記、まだ完成していません。やはりこういったことは現地に滞在中に終わらせていかねばならないわけで、後に引きずるとこうやってバックログになってしまうということですね。

(*追記 - ニッサンのヨークシャー野生動物公園到着の様子を伝える映像が入りましたの下に御紹介しておきます。)



(資料)
ITV News (Oct.13 2015 - Doncaster-bound polar bear greets migrants sneaking into Britain)
The Sun (Oct.13 2015 - Migrants jump on truck... and come face-to-face with roaring polar bear)
Yorkshire Post (Oct.14 2015 - Polar bear headed for Yorkshire greets migrants)
Yorkshire Wildlife Park (Oct.14 2015 - YWLP welcomes Nissan the Polar Bear)

(過去関連投稿)
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園でホッキョクグマの赤ちゃん誕生!
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃんの産室内映像が初めて公開
ロシア連邦 ・ ウドムルト共和国 イジェフスク動物園で誕生の赤ちゃんは順調に成育中
ロシア連邦ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の赤ちゃんの近況 ~ ロシア国内の個体の権利関係
ロシア連邦ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の赤ちゃん、遂に戸外に登場し公開される
ロシア連邦ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の赤ちゃんの追加映像
ロシア連邦・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の赤ちゃんの性別は雄と判明 ~ 名前公募が開始
ロシア連邦・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園の雄の赤ちゃんの近況 ~ 泳ぎ始めた赤ちゃん
ロシア・イジェフスク動物園のドゥムカお母さんは母親としての力量不足か? ~ 母親の力量を考える
ロシア・イジェフスク動物園の雄の赤ちゃんの名前が 「ニッサン (Ниссан)」 に決まる
ロシア連邦・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のニッサン君の行動にみる雄らしさ
ロシア連邦・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のニッサン君の近況 ~ 地元の愛称は 「サニョーク」
ロシア連邦・ウドムルト共和国、イジェフスク動物園のニッサンが満一歳となる ~ その真直ぐな成長
ロシア・イジェフスク動物園の一歳のニッサンがモスクワ動物園へ ~ 最終的にはスコットランドに移動か?

(*2014年9月 イジェフスク動物園訪問記)
イジェフスク動物園へ ~ ドゥムカ親子と野生孤児バルーとの対面
ニッサン君の素顔とその性格 ~ 開園5年でホッキョクグマの繁殖に成功したイジェフスク動物園
ドゥムカお母さんの素顔とその性格 ~ 「母親の権威」を無用と考える極めて豪放かつ鷹揚な母親像
野生孤児バルーの素顔 ~ 野生個体の不幸の上に成り立つ動物園という悲しき真実
イジェフスク動物園二日目 ~ ドゥムカお母さん、ニッサン君、バルー君、お元気で! (投稿準備中)
by polarbearmaniac | 2015-10-14 19:00 | Polarbearology

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