街、雲、それからホッキョクグマ ~ Polarbearology & conjectaneum


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旭山動物園のルルが飼育展示場に復帰 ~ 早々と事実上決定した(?)来年のイワンとルルのペアの継続

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ルル (2012年10月27日撮影 於 旭山動物園)

旭山動物園より本日22日付けで発表がありました。同園で飼育されている21歳の雌のルルが行動観察やホルモン測定の結果などから今シーズンの出産は無いと判断されて産室から解放されて本日22日から展示が再開されたとのことです。同じく産室入りしているサツキについては交尾時期が遅かったため、まだ産室内に留まらせるということだそうです。旭山動物園は以前よりホッキョクグマの産室収容・解放については律義に情報を開示してきており、そういった点では非常に好感が持てます。

イワンを見るルル (2014年3月22日)

イワンを気にしながら水から上がろうとするルル(2014年3月22日)

このイワンとルルのペアですが過去何年も繁殖を期待され続けてきたわけですが、最近はファンの間でも繁殖への期待について話題としてあまり登場しなくなっているように思います。ただし今まで国内外のいろいろな諸例・諸傾向を御紹介してきたつもりの私は、「何故なのか」という気持ちがとりわけ強いわけです。イワンのロシアにおけるアンデルマ、ウスラーダ、シモーナと真っ直ぐに繋がった彼の血統の輝かしさ、そしてララという今や世界屈指の雌のホッキョクグマと「双子姉妹の繁殖の神話」を形成するはずであるルル、このペアの間に繁殖が成功しないという状況を私はとりわけ不思議に思っているわけです。旭山動物園は本日の発表の中で展示再開となったルルについて、「交尾期までに十分栄養をとってもらえれば...」と述べていらっしゃいますが、つまりここで来年もイワンとルルのペアでの事実上の「繁殖再挑戦宣言」を早々と行っているということに注目すべきでしょう。日本におけるホッキョクグマの血統管理を担当し、そして種別調整者も属しているのが旭山動物園ですから、このイワンとルルのペアの来期の繁殖挑戦継続は日本のホッキョクグマ界における決定事項であるというわけです。しかし、これについては旭山動物園とは別の意見を持つファンも多いだろうと思います。

イワンを気に留めないルル (2014年3月22日)

以前、「旭山動物園、ホッキョクグマの人工授精を狙いイワンの精子採取に成功」という投稿を行っていますのでそれもご参照頂きたいのですが、イワンの繁殖能力懐疑説は一応は後退しているわけではありますが完全には払拭されていない部分も残っているわけで、さらにそのこととルルの繁殖能力の有無との間に生じている隙間というものが合わさった状態として厳然と存在し続けているということは言うまでもありません。前回の昨年の繁殖シーズンにおいてはルル(とサツキ)が産室から飼育展示場に復活したのは今年の1月中旬を過ぎたあたりでしたから、今年のルルの飼育展示場復帰はかなり早いことになります。この事実から仮に憶測してみれば、今回のルルは妊娠(or 偽妊娠)を示すホルモン値の変化も、そして妊娠の可能性を示す行動の変化も無かったために早々と産室から解放されたということのような気がします。仮にこの憶測が正しいとしますと今回のルルは今までよりも最も繁殖成功からは遠い位置にいたということが言えそうです。今まで以上にイワンとルルには、それぞれが別のパートナーが必要であると考えるファンの数は増えそうにも思われます...と言いたいところですが数は増えないでしょう。イワンとルルがどうのこうのなどと今だに言っているホッキョクグマファンはもう私だけだろうと思うからです。それだけ、ファンの間では諦めムード一色になってしまっているということです。

(*追記)ちょうど一年前の今頃に私が今年2015年の日本のホッキョクグマ界での繁殖について何を考えていたかですが、それは「来年2015年の国内ホッキョクグマ再配置案を考える (試案) ~ キャンディの札幌残留は何故問題なのか」という投稿をご参照下さい。ゴーゴとデア、キャンディとキロル、この二つの組み合わせを考えていたというわけです。前者はイコロの上野行きによって消え、後者はキャンディのデナリとのペアでの再挑戦によって消えたというわけです。

(資料)
旭山動物園(しいくにゅーす/Dec.22 2015 - ホッキョクグマのルルの展示再開について)

(過去関連投稿)
サツキ、産室から出る...~ ホッキョクグマの歴代最高齢出産成功記録は35歳11ヶ月?
イワン(旭山動物園)の責任論は時期尚早か? ~ 正念場を向かえた日本の繁殖計画
2012年の出産シーズンの最終局面をむかえて ~ 必要なのは「幸運」
旭山動物園、ホッキョクグマの人工授精を狙いイワンの精子採取に成功 ~ 「イワン繁殖能力懐疑説」後退
旭山動物園のルルとサツキの展示が再開 ~ 同園にお願いしたいこと
旭山動物園のサツキとルルの出産に関して過去のデータで予想する ~ 二頭が挑戦する 「世界~」 の壁
旭山動物園のサツキとルルが産室を出て飼育展示場に復帰 ~ イワンに新しいパートナーが必要な段階
旭山動物園でイワンとルルの同居開始 ~ 今年の国内ホッキョクグマ再配置は最少レベルとなる模様
旭山動物園のサツキとルルが産室へ ~ 挑戦は続く
by polarbearmaniac | 2015-12-22 22:30 | Polarbearology

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